不動産

【不動産査定価格の決め方】算出方法や必要なもの、売却額との違いも徹底解説!

【不動産査定価格の決め方】算出方法や必要なもの、売却額との違いも徹底解説!
不動産の売却をする際は、まず査定を依頼することから始めます。

不動産の査定は一般的に売却活動の開始前に不動産会社に無料でおこなってもらい、査定された金額を不動産の売出し価格の参考にします。

しかし、不動産査定の価格の決め方や金額の根拠が分からず、不安な方も多いでしょう。

そこで今回は、不動産査定の価格について詳しく紹介します。

査定額の算出方法や査定を依頼する際に必要なもの、査定の流れも解説するので、ぜひ参考にしてください。

不動産査定価格とは?

不動産査定価格とは、不動産仲介会社などのプロに算出してもらう不動産の価格のことです。不動産査定価格と市場の状況を考慮して売却価格を決めることで、売買をスムーズに進めやすくなります。

ただし、不動産査定価格は必ず売れる金額を指すものではありません。あくまでも不動産売却を進める際に参考となる価格だということを覚えておきましょう。

不動産査定の流れ

不動産査定の流れは、以下の通りです。

【不動産査定の流れ】

  • 査定をお願いする不動産会社を選ぶ
  • 査定の依頼方法を選ぶ

それぞれの項目について詳しく解説します。

1.査定をお願いする不動産会社を選ぶ

不動産の売却を考えた際には、まずは査定を依頼する不動産会社を選びましょう。査定価格は不動産会社によって異なるので、より正確な金額を知りたい場合には1社に絞るのではなく3~4社と複数社に依頼するのがおすすめです。

査定価格を比較して、売出し価格と媒介を依頼する不動産会社を選びましょう。不動産会社は査定をする際に、契約を取るために敢えて高額な査定額を出す場合があります。最終的に不動産の売却価格は売り主が査定額をもとに決めるものです。

高額な査定額だったからといって、安易に高く売ってくれる会社だと判断してしまってはいけません。そのため、ほかの不動産会社と比べて査定価格が高すぎる場合には特に注意してください。

2.査定の依頼方法を選ぶ

不動産査定の依頼方法は、以下の2つです。

【不動産査定の依頼方法】

  • 簡易査定(机上査定)
  • 現地査定(訪問査定)

簡易査定の方が気軽に依頼できますが、現地査定の方が正確な価格を知ることができます。それぞれの方法について詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

簡易査定(机上査定)

簡易査定は、実際に売却予定の不動産を見ずに価格を決める査定方法です。査定する不動産と同じような条件の物件の売買データを基に、査定額を算出します。国土交通省が定める公示価格を査定価格の参考にすることもあります。書類を提出するだけでおこなえるので、気軽に依頼できる方法です。

ただし、書類上でおこなう査定なので、必ずしも正しい査定結果が出るとはいえません。より正確な査定額を知りたい方は、現地査定を依頼することをおすすめします。

現地査定(訪問査定)

もうひとつの査定方法は現地査定です。現地査定は訪問査定とも呼ばれ、担当者が現地を訪れて不動産の詳細な調査をおこなうものです。担当者が現地で確認するのは、主に以下の項目です。

【現地査定確認項目】

  • 敷地形状
  • 敷地境界
  • 接道幅員
  • インフラ
  • 近隣関係
  • 建物状況
  • 設備修繕
  • 管理状況

現地調査によって、より詳細な情報を不動産会社が把握できるため、簡易査定よりも正確な査定価格を算出できます。

不動産査定価格の算出方法

不動産査定価格の算出方法は、大きく分けて3つあります。ここでは不動産査定価格の主な算出方法である以下の3つの方法を紹介します。

【不動産査定価格の算出方法】

  • 原価法
  • 取引事例比較法
  • 収益還元法

それぞれの計算方法を詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

算出方法①:原価法

原価法は、同じ不動産をもう一度建てる場合にいくら必要なのかという観点で査定する方法のことです。

主に戸建てや土地を査定する際に使われます。再調達原価を計算した後には、経過年数に伴う劣化分などを加味して、減価額として差し引きます。なお、土地の場合には造成に必要な費用を原価として計算します。原価法の計算式は、以下の通りです。

【原価法の計算式】(建物評価の例)

建物評価額=再調達単価×延床面積÷耐用年数×残存年数(耐用年数-築年数)

例えば、再調達単価168,000円・延床面積100㎡・耐用年数22年・築20年の木造一戸建ての建物評価額は、以下になります。

168,000円×100㎡÷22年×(22年-20年)=1,527,273円

算出方法②:取引事例比較法

取引事例比較法は、過去に売買がおこなわれた物件の情報を基に、1平米あたりの価格を計算して査定します。市場価格に近い結果が出るため、査定額と同じ金額で売れることも少なくありません。査定額に影響するのは、以下の2つのポイントです。

【査定額の影響ポイント】

  • 地域要因
  • 個別的要因

それぞれのポイントについて詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

地域要因

地域要因とは、地域の街並みやブランドなどの地域特有の問題によるものです。特定の地域が周辺と異なる環境になっていないかを確認し、それらを考慮して査定します。地域による格差を考慮することで、正しい査定価格を出すことが可能です。

地域要因は地図上では分からないことが多く、現地を訪れて分かることもあります。

個別的要因

個別的要因とは、建物の築年数・耐震性・リフォームの有無などの物件の詳細によるものです。不動産査定では個別的要因が特に価格へ影響します。

どの物件も、似たような物件はあっても全く同じ物件は世の中に存在しません。そこで個別的要因を考慮することで、より正確な査定価格を算出しています。

算出方法③:収益還元法

収益還元法とは、対象となる物件が将来的に生み出すであろうとされる収益から、査定額を評価する方法です。主に投資用不動産の査定の際に用いられる方法です。算出方法には以下の2つがあります。

【収益還元法の種類】

  • 直接還元法
  • DCF法

直接還元法

直接還元法では、以下の式で不動産査定価格を計算します。

不動産の査定価格=一定期間の純利益(1年間の家賃収入-諸費用)÷還元利回り

例えば、月間家賃収入50万円・諸費用5万円・還元利回り6%の場合は、以下のように査定価格を求めることができます。

(50万円×12ヶ月-5万円×12ヶ月)÷6%=9,000万円

DCF法

DCF法とは、ディスカウントキャッシュフロー法の略で、不動産を所有している間に得られる純利益と売却予想価格を、現在価格に換算して合計することで計算することができます。DCF法の計算式は、以下の通りです。

不動産査定価格=年間の純利益を現在価値に換算した合計+将来の売却価格の現在価値

月間家賃収入50万円・諸費用5万円・保有期間5年間・割引率4%・売却時の予想価格8,700万円の場合は、以下のようになります。

1年目純利益 540万円÷(1.04)=519万円
2年目純利益 540万円÷(1.04÷1.04)=499万円
3年目純利益 540万円÷(1.04÷1.04÷1.04)=480万円
4年目純利益 540万円÷(1.04÷1.04÷1.04÷1.04)=461万円
5年目純利益 540万円÷(1.04+1.04÷1.04÷1.04÷1.04)=443万円
将来の売却価格 8,700万円÷(1.04+1.04÷1.04÷1.04÷1.04)=7,150万円
不動産査定価格 519万円+499万円+480万円+461万円+443万円)+7,150=9,552万円

不動産を価格査定する際に必要なもの

不動産を価格査定する際に必要なもの

初めての不動産査定では、必要な書類が分からない方も多いでしょう。不動産の査定をしたい時は、以下のものを準備しておきましょう。

【不動産査定に必要なもの】

  • 売却したい物件の図面
  • 土地の測量図
  • 登記簿謄本
  • 公図

すでに物件の購入時に入手しているものもあれば、新たに取得する必要があるものもあります。取得できる場所などを詳しく紹介していくので、不動産の売却を考えている人は確認してみてください。

売却したい物件の図面

物件の図面は、不動産の購入時に不動産会社や建築会社から受け取っているものです。提出を求められるので、あらかじめ用意しておきましょう。

また、新築で建てている場合は、設計図などの書類も用意しておくと良いでしょう。リフォーム済みの物件は、設計図やリフォーム後の間取図を求められるので無くさないよう注意してください。

土地の測量図

土地の測量図は、売却したい土地の形状や面積が記載された図面です。土地の登記を行った際に書類と一緒に保管している場合が多いですが、不動産によっては測量図がない場合もあります。その場合は土地の測量を依頼しなければなりません。

不動産会社が測量の手配をしてくれることもあるため、測量図がない場合はその旨を担当者に伝えて相談してみましょう。

登記簿謄本

登記簿謄本は、土地・建物の広さや所有者など不動産の詳細な情報が記載された書類です。登記簿謄本は不動産を取得した際に受け取ることがあります。しかし、通常は最新の登記簿謄本が必要となるので注意してください。

登記簿謄本は不動産の地番が分かれば、法務局で簡単に入手できます。また、法務局で登記簿謄本が欲しいと伝えれば、書類や申請の仕方を教えてもらえるので安心です。

公図

土地付きの物件を査定したい時には、公図が必要になります。公図は土地の詳細を示すもので、法務局で入手することができます。

公図で確認できるのは土地の詳細なので、建物のみを所有している場合やマンションなどの集合住宅を売却予定の場合は不要となります。

査定価格で売れるとは限らない

査定価格で売れるとは限らない

査定価格はあくまで参考となるもので、実際の不動産が査定額通りの金額で売れるとは限りません。一般的には査定価格と同じ金額で売れる場合は少ないといえるでしょう。また、売りに出してから時間が経過することで、やむを得ず値下げをする場合もあります

早く確実に売却したい場合には、不動産会社に買い取りをお願いするのもひとつの手です。ただし、買い取りを依頼する場合には、一般的に相場価格よりも安く見積もられてしまいますので、注意が必要です。

不動産の査定価格に関するよくある質問

不動産の査定価格に関するよくある質問

不動産売買を人生で何回も経験する人は少ないです。そのため、不動産の査定価格に疑問を抱くこともあるでしょう。

ここでは、4つのよくある質問に回答します。不安や疑問を少しでも減らすために確認しておきましょう。

不動産の査定価格と売却額は同じ?

査定価格はあくまで不動産会社が売れるであろうと予想した金額で、実際に売却を保証する価格ではありません。そのため、査定価格と売却価格は異なる場合が多いです。

不動産会社が出した査定価格を基に売り出し価格を決定し、売出し後の値引きなどを経て、実際の売却価格が決まります。

メールだけでも査定できる?

不動産の査定はメールだけでも可能です。しかし、メールでおこなえるのは簡易査定になります。過去のデータを基に机上で簡易的に価格を査定するため、査定額の正確さはどうしても下がってしまいます。

また、実際に不動産を売却する場合にはメールでの査定のみでは難しく、現地査定が必要になることが多いです。メールでの査定額は参考程度に考えておくと良いでしょう。

不動産査定価格の算出方法はどれがおすすめ?

複数の算出方法を用いて、総合的に判断するのがおすすめです。取引事例比較法は、市場の価格変動が大きい場合でも、より正確な結果を得ることができます。実際の販売価格に近い金額を査定価格として算出できるため、売却のイメージも湧きやすいでしょう。

原価法は、主に戸建てや造成された土地の算出で有効です。また、事業用の収益物件の取引では収益還元法が有効です。それぞれの観点から査定額を算出してみて、総合的に納得のできる価格を判定しましょう。

査定価格の高さで不動産会社を選ぶのはあり?

査定価格の高さで不動産会社を選ぶのは、おすすめできません。査定後に媒介契約を取ることを目的に、非常に高額な査定額を出す会社が存在するからです。査定金額を信じて相場よりも高い金額で売り出し続けることで、不動産が売れ残ってしまい、売却活動が長期化してしまうリスクがあるため注意が必要です。

不動産会社によって査定価格が異なる場合には、その違いがどこから生まれているのかを確認し、根拠をもとに妥当な金額を判断することが大切です。そして実際に売却を依頼する不動産会社を選ぶ場合には、査定の金額そのものではなく、査定額の算出根拠や、それを明確に説明してもらえる会社や、担当の接客の様子などを見て、自分に合った不動産会社を選びましょう。

まとめ

今回は不動産の査定価格について紹介しました。不動産の査定価格は、査定をおこなう会社によって異なります。算出する方法によっても価格が異なるため、どのような算出方法や根拠で価格が査定されたかを理解することが重要です。

様々な要素を踏まえて妥当な相場価格を見積もるために、不動産の査定は複数社に依頼して比較することがおすすめです。