- 土地売却・査定
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旗竿地が売れない理由は?売れる場合の理由や売る際のポイントも...
土地を売るまでの流れとは?必要な費用や高値で売却するコツも解説!
土地を売る流れをステップごとに解説
まずは、土地を売る際の流れを知っておきましょう。一般的な土地売却の流れは次の通りです。
- 不動産査定
- 価格決定
- 媒介契約
- 売却活動
- 売買契約
- 決済手続き
- 物件の引き渡し
順に説明していきます。
①不動産査定
売却をしたい土地がある場合には、まずは不動産会社による価格の査定から始めます。
不動産鑑定などで有料査定してもらう方法もありますが、通常は不動産会社の無料査定で十分な場合が多いです。査定では妥当な売買価格を知るために、3社以上の不動産会社に依頼して比較するのがおすすめです。ネットで一括査定できるサービスを利用して、複数の会社に同時に査定を依頼する方法もあります。
②価格決定
不動産査定には机上査定(簡易査定)と訪問査定(詳細査定)の2種類があります。机上査定の場合は、実際の不動産を見ずに査定をするため速やかに終わりますが、訪問査定の場合は売却予定の土地に直接出向いて査定をおこなうため、日程の調整などがあり時間がかかります。訪問査定は半日程度で査定が終わり、1週間ほどで結果を知ることができます。
査定を依頼する際には、不動産会社による査定と並行して、自分でも相場を確認することをおすすめしています。自分で相場を確認する方法としては、不動産情報が掲載されているポータルサイトなどで、売却したい物件と似た条件で検索して、価格を調べる方法が簡単です。
他にも、①固定資産税評価額から調べる方法や、②公示地価から調べる方法、③相続税の路線価から調べる方法、④周辺での実際の売買実績から調べる方法などがあります。しかし、税金の支払額を決めるための資産評価では、税金が高くならないようにとの配慮から評価額が実際の7割〜9割ほどの数字になっている場合があります。
その場合は周辺地域での乖離状況をみて、その分を割り戻して計算することで実際に売買されている相場に近い価格を調べることができます。
このようにして査定価格が出揃ったら、実際に土地を売る際の売出し価格を決定します。
自身の希望価格や査定額、相場などを考慮しながら、売却したい時期の期限を踏まえて、不動産会社と相談して価格を決めましょう。一般的に、早く売りたい場合には売出し価格を低めに出します。一方で高く売りたい場合には、売出し価格を高めに設定しておき、時間をかけて徐々に値段を下げていくのが通常です。
③媒介契約
実際に契約する不動産会社を選ぶポイントは、査定の内容だけでなく、提案内容や仲介経験、担当者が親身に相談にのってくれるかどうかなどを基準に選ぶのがおすすめです。査定で高い金額を付けてくれたからといって、それだけでその会社に依頼するのは控えましょう。高い査定金額を出す会社の方が高く売ってくれるのかと思ってしまいがちですが、売出し価格は最終的には売り手が決定するものです。そのため、その金額の高さよりも、きちんとした根拠や理由が説明されているかの方が、依頼する不動産会社を見分ける上では重要です。
土地の売却の仲介を依頼したい不動産会社が決まったら、媒介契約を締結します。媒介契約には次の3種類がありますので、自分に合ったものを選びましょう。
取り扱う不動産業者数 | 更新期間 | レインズ*登録 | 依頼主への報告 | 売り手による自己発見取引 | |
---|---|---|---|---|---|
①一般媒介契約 | 複数社可能 | 無期限 | 義務なし | 義務なし | 可能 |
②専任媒介契約 | 一社のみ | 3ヶ月以内 | 契約から5日以内 | 1週間に1回以上 | 可能 |
③専属専任媒介契約 | 一社のみ | 3ヶ月以内 | 契約から7日以内 | 2週間に1回以上 | 不可 |
*「レインズ(REINS)」とは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営している不動産仲介業者向けのネットワークシステムです。
④売却活動
売却の仲介を依頼し、媒介契約書を締結すると、次に売りたい土地の情報を公開していきます。不動産会社の売却活動としては、主にホームページや店頭での販売図面の掲示や、メールやチラシでの集客をしてくれます。
ここで注意するべき点は、不動産会社が囲い込んでいないかどうかです。不動産会社に囲い込みをされると、本来はすぐに買い手の候補が見つかる場合でも、そもそも買い手に見つけてもらえない場合や、買い手がいるにも関わらず売り手側に紹介してもらえないなどの不利益を被る可能性があります。
これを防ぐために、専任媒介契約や専属専任媒介契約の場合には、レインズへの登録が義務付けられています。不動産会社が物件をレインズに登録すると、登録証明証を発行できるようになります。囲い込みをしていないかどうかを確認するために、登録証明書のコピーを見せてもらいましょう。レインズに登録することで、ほかの不動産仲介会社にも広く知られることになります。
⑤売買契約
土地の現地見学などを経て、買い手が購入の意思を決めると、いよいよ土地の売買契約を結ぶことになります。
契約書は不動産会社が作成してくれますが、契約内容や条件をきちんと確認しましょう。買い手と個別に確認した詳細な内容がある場合には、認識の齟齬が起きないように、できるだけ特約として追記して書面に盛り込みましょう。書面での契約の場合には契約書に収入印紙を貼ります。手付金があれば入金を確認して、契約は完了となります。
⑥決済手続き
決済では契約の内容に基づき、実際の土地の代金の受け取りと、諸費用の精算をおこないます。買い手がローンを借りる場合には、銀行などの金融機関でおこないます。決済の立ち会いは、売り手と買い手と不動産会社の担当者、司法書士、金融機関の担当者がおこないます。司法書士は物件の登記の移転の手続きのために、金融機関は資金の移動の手続きのために同席します。
⑦物件の引き渡し
土地の売却代金が入金されていることを確認したら、司法書士に登記の手続きの依頼をします。必要な書類をそろえて登記の移転が完了したら、物件の引き渡しは終了です。
土地の売却に付随して建物や物置きなどが含まれている場合には、解錠のための鍵などを渡します。
土地を売る際にかかる費用
土地を売る際にかかる費用には、次のものがあります。
- 印紙税
- 譲渡所得税
- 仲介手数料
- 抵当権抹消の登記費用
- 確定測量費用
- 解体費用
印紙税
不動産の売買契約書には、印紙税が課税されます。
印紙税は、日常の経済取引に伴って作成する契約書や金銭の受取書(領収書)など、特定の文書に課税される税金です。(出典:国税庁)
この印紙税は、不動産の売買価格によって課税額が異なります。
具体的には以下の通りです。
記載された契約金額 | 税額 |
---|---|
1万円未満のもの | 非課税 |
1万円以上10万円以下のもの | 200円 |
10万円を超え50万円以下のもの | 400円 |
50万円を超え100万円以下のもの | 1,000円 |
100万円を超え500万円以下のもの | 2,000円 |
500万円を超え1,000万円以下のもの | 1万円 |
1,000万円を超え5,000万円以下のもの | 2万円 |
5,000万円を超え1億円以下のもの | 6万円 |
1億円を超え5億円以下のもの | 10万円 |
5億円を超え10億円以下のもの | 20万円 |
10億円を超え50億円以下のもの | 40万円 |
50億円を超えるもの | 60万円 |
契約金額の記載のないもの | 200円 |
(出典:国税庁 No.7101 不動産の譲渡・消費貸借等に関する契約書)
売買の形式ではなく交換で取引をおこなう場合や、工事費用を含めた契約書を作成する場合には、印紙税の金額が変わることがありますので、あらかじめ不動産会社に相談しながら、印紙税の金額がいくらになるかを調べておきましょう。
譲渡所得税
土地の売却で利益が出た場合には、譲渡所得税が課税されます。課税額の計算の際には、土地の所有期間が5年を超えるかどうかで「長期」と「短期」で分けられるので、注意しましょう。
所得税(復興特別所得税を含む) | 住民税 | |
---|---|---|
長期譲渡所得(5年超) | 15.315% | 5% |
短期譲渡所得(5年以下) | 30.63% | 9% |
(出典:国税庁 No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき))
宅地の売却の場合には、一定の条件を満たすことで税制の優遇措置を受けられる場合もありますので、詳しい条件については税務署や税理士に確認してみましょう。
仲介手数料
不動産会社へ支払う仲介手数料は、宅地建物取引業法により定められた上限額があります。
上限額は取引価格によって異なりますが、以下のように取引を価格帯で3つに分けて計算し合計します。
取引価格帯(税抜) | 各価格帯での上限 |
---|---|
200万円以下 | 取引価格(税抜)×5%+消費税 |
200万円超〜400万円以下 | 取引価格(税抜)×4%+消費税 |
400万円超 | 取引価格(税抜)×3%+消費税 |
参考:宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額
なお、物件価格が400万円を超える取引の場合には、速算式として3%+6万円で計算をすると簡単に計算することができます。
例えば、取引額が5,000万円の場合は、以下のような計算式となります。
(5,000万円×3%=150万円)+6万円(速算式)+15.6万円(消費税)=171.6万円
これにより、仲介手数料は171.6万円が上限だと計算できます。
抵当権抹消の登記費用
土地には抵当権が設定されている場合があるので、抹消が必要となります。
抵当権とは、住宅ローンなどを借りるときに、購入する住宅の土地と建物に金融機関が設定する権利です。売買契約を結ぶ際には、必ずこの抵当権を抹消する必要があります。もし抵当権が抹消されないと、金融機関はローンがまだ残っていると誤認する可能性があり、最悪の場合には土地の売却ができなくなるリスクがあるのです。
この抵当権抹消は、司法書士に依頼するのが一般的でしょう。抵当権抹消登記の際に必要な登録免許税は、抹消する不動産の個数に1,000円を乗じますが、上限は2万円と設定されています。
確定測量費用
土地の売買で、土地の範囲が明確に定義されていない場合や実態に即していないと考えられる場合には、測量をおこないます。測量には確定測量と現況測量がありますが、確定測量をおこなうのが一般的です。
確定測量は、官公庁や隣地の所有者などの関係者が立ち会って境界を確認するものです。そのため、後に関係者とのトラブルになることが少ないです。しかし、費用は50万円から100万円程度が相場となり、結果が出るまでに3ヶ月ほどの時間がかかります。
一方で現況測量は関係者の立ち会いを求めずに、把握できる限りの資料に基づいて測量する方法です。作業時間が短く費用も押さえられますが、後にトラブルが発生する可能性があります。
解体費用
売却する土地に建物が建っている場合には、建物を含めて土地の値段で売却することも可能ですが、売却時に建物を解体しておくことを求められる場合もあります。売り手が解体する場合でも、買い手が解体する場合でも、解体費用が発生するため、売買の際の目安として押さえておきましょう。
建物の解体費用は構造と広さによって変わりますが、目安は以下の通りです。
構造 | 単価 | 30坪の場合 |
---|---|---|
木造 | 3~5万円/坪 | 90~150万円 |
鉄骨造 | 5~7万円/坪 | 150~210万円 |
RC(鉄筋コンクリート)造 | 6~8万円/坪 | 180~240万円 |
解体費用の相場は、建物のある地域や環境によっても変わります。周囲に建物が密集している場合や階数が高い場合、前面道路が狭くトラックが入りづらい場合などの状況により、工賃が余計にかかることから費用が高くなることもあります。
建物を解体して土地を売る場合には、あらかじめ解体費用を概算で計算しておき、場合によっては解体業者に見積もりをとっておくのもおすすめです。
できるだけ土地を高くスムーズに売るための5つのコツ
土地の売却では、できる限り高くスムーズに売却できるように進めたいものです。ここではそのためのコツを5つ紹介します。
- 土地の相場を計算しておく
- 必要書類を事前に揃えておく
- エリアや場所の特徴をまとめておく
- 綺麗な状態にしておく
- 3社以上から査定を受ける
①土地の相場を計算しておく
相場感がないままに不動産会社から査定を受けると、それが適正価格であるかと信じてしまうことで、結果的に割安で売却してしまうリスクがあります。
そのため、あらかじめ土地の相場を確認しておくことは、土地を高値で売却するために必要なことです。
自分で調べる方法としては、ポータルサイトなどで売却したい物件と似た条件で検索して調べる方法や、固定資産税評価額や公示地価、相続税の路線価などから調べる方法を紹介しました。実際に不動産会社に依頼して、周辺での実際の売買実績をもらい調べる方法もありました。
土地の売却では高値での売却にこだわりすぎるあまり、人気が出ずに売れ残ってしまい、売却が長期化してしまうリスクも考えられます。売出し価格は強気でも、不動産会社と相談して買い手側の反応を見ながら、少しずつ価格を下げていくのがおすすめです。
②必要書類を事前に揃えておく
土地の売却を円滑に進めるためには、事前に物件に関する書類を揃えておくことも重要です。
必要書類とは、具体的に以下のようなものを指します。
- 登記済権利証
- 地積測量図・境界確認書
- 固定資産税・都市計画税課税明細書
- 実印と印鑑証明書
上記のような書類を事前に揃えておくことで、スムーズに手続きを進めることができます。
土地を売ることを決めたら必ず必要書類の準備をしておくことをおすすめします。
③エリアや場所の特徴をまとめておく
購入希望者に物件の魅力をアピールするために、土地の周辺環境の特徴をまとめておきましょう。
主要駅からの距離が近いなど、アピールできるポイントがあれば、売却に有利に働きます。
まとめておくべき特徴としては、以下のようなものがあります。
- 駅からの距離
- 商業施設からの距離
- 買い物のしやすさ
- 学校からの距離
- 周辺の雰囲気(閑静な住宅街など)
- 近隣住民の様子
アピールできる特徴が多ければ、それだけ価格が上昇する可能性があり、また早く売れることにも繋がります。事前に整理しておき、不動産会社が上手くアピールできるように伝えておきましょう。
④綺麗な状態にしておく
訪問査定の実施時や購入希望者の見学では、関係者が現地を訪問します。その際の土地の見た目には、十分に気を使っておく必要があります。
敷地内のゴミを片付けておく、あらかじめ雑草を抜いておくなど、できるだけ印象を良くしておくのが重要です。場合によっては業者に委託して土地を整備しておき、買い手がその後の手間を省けるようにしておくのも一つの手です。
あらかじめ買い手の手間を省いておくことで、その分を高値で売却できる場合があります。また、買い手が引渡し後にすぐに次の工程に移れることで、早期の契約を実現できる可能性が高まります。
⑤3社以上から査定を受ける
不動産会社に査定を依頼する場合には、複数の会社に依頼をするのが安心です。査定の際には、書類のやりとりや立ち会いなどで手間がかかるため、できる限り少ない社数にしたい気持ちもありますが、より妥当な売買価格を見積もるためには、3社以上に査定を依頼することがおすすめです。
3社以上に査定を依頼するメリットは、より詳細に相場感が分かることです。明らかに相場から離れている査定額を見抜くことが可能です。査定では、算出された価格の根拠や背景をしっかり聞いて、それが妥当かどうかを判断します。最終的に売出し価格を決めるのは売り手側なので、総合的に判断して価格に反映します。
査定の依頼時には、不動産会社の過去の実績や専門知識の有無、接客の様子などを見て、その後に売却の仲介を依頼するかもあわせて判断しましょう。
売るのに苦労する可能性がある4つの土地
土地の売却で苦労する可能性がある場合は、主に次の通りです。
- 隣接地との境界が明確でない土地
- 賃貸として貸し出している土地
- 相続した土地
- 不人気エリアの土地
隣接地との境界が明確でない土地
隣接地との境界が明確でない土地は売却するのが難しいです。理由としては物件を明確に定義できないことで、価格が決められないことや、隣接する土地の所有者とトラブルになる可能性があるためです。
境界が明確でない土地を売却する際は、必ず「測量」をして、土地の境界を明確にしておくことが重要です。測量は義務ではありませんが、トラブルのない土地売却をする上では必要なことだといえます。
賃貸として貸し出している土地
賃貸として貸し出している土地に関しても、売却の際には苦労することが多いでしょう。
理由としては、土地に借地権などの地上権が設定されている場合には、買い手側のニーズが少ないことと、契約の条件によっては複雑な内容がある場合があるためです。
相続した土地
相続した土地をすぐに売却する場合には、トラブルが発生する可能性が高いため注意が必要です。
土地の相続を複数の相続人でおこなう場合には、複数の所有者が一定の割合ごとを共有の持分として分け合うことがあります。
複数で共有している物件に関しては、自身の持分以外に関しては自分の意思のみで売却することができません。そのため、いざ売却しようとした際に、ほかの相続人とのトラブルになる場合があります。
複数人が関係することで、売買の手続きに時間がかかることが想定されます。そのため、スムーズな売却に向けて事前に関係者間で売却の意思を統一しておくか、あらかじめ共有を解消しておくことがおすすめです。
なお、共有された物件であっても、持ち分のみを専門に買い取ってくれる不動産会社もありますので、あわせて相談してみてもよいでしょう。
不人気エリアの土地
人気のないエリアの土地を売却する場合には、通常よりも労力がかかる可能性があります。そもそも需要が少なく、購入希望者が見つからない可能性があるためです。
不動産会社に問い合わせてみて、土地を売りたい地域で最近売買がおこなわれているのかを確認してみましょう。不人気などで売買の実績がないようであれば、売却自体が難しいこともあります。
まとめ
土地の売却は、通常は一生にそう何度もあることではありません。できる限り高値でスムーズに売却できるように、事前に手続きや費用、売却のコツを押さえて、売却活動の準備を整えておきましょう。