オウンドメディアとは?意味やメリット、作り方、成功事例を解説
本記事では、オウンドメディアの基本的な意味から、実際の運営方法、注意点まで、初めて取り組む方にもわかりやすく解説していきます。記事を読み終えた後には、自社でのオウンドメディア運営の第一歩を踏み出すヒントが得られるはずです。
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オウンドメディアとは
オウンドメディア(Owned Media)とは、企業が自社で保有・運営する情報発信メディアのことです。一般的には、企業のブログ、SNSアカウントなどが該当します。
これまでの企業サイトは、商品・サービスの紹介や会社案内が主な役割でした。しかし、インターネットの普及とともにユーザーの情報収集方法が変化し、企業には新しいコミュニケーション手段が必要になってきました。
オウンドメディアは、そうした時代の要望に応える形で発展してきた、企業の重要な情報発信チャネルの一つと言えます。
オウンドメディアの意味
オウンドメディアとは、文字通り「自社で所有するメディア」を意味します。具体的には、企業のブログ、メールマガジン、SNSの公式アカウントなどが該当します。本来は企業のパンフレットや広報誌といった紙媒体も含まれますが、現在では主にウェブ上の媒体を指すことが一般的です。
オウンドメディアの最大の特徴は、企業が自由に情報を発信・管理できる点にあります。掲載する内容や発信のタイミングを自社でコントロールでき、長期的な視点での情報発信が可能です。
公式サイト(ホームページ)との違い
オウンドメディアと公式サイトは、一見似ているように思えますが、その目的と役割は大きく異なります。
公式サイトは、企業の基本情報や商品・サービスの紹介、採用情報など、企業としての基本的な情報を提供することが主な目的です。いわば「企業の顔」としての役割を担っています。
一方、オウンドメディアは、顧客の興味や関心に応える情報を提供し、企業とのコミュニケーションを深めることを目的としています。例えば、業界の最新トレンドや課題解決のためのノウハウ、商品の活用事例など、より幅広い情報を発信します。
トリプルメディア
オウンドメディアは、「トリプルメディア」と呼ばれる3つのメディア戦略の一つです。他の2つは以下の通りです。
- ペイドメディア(Paid Media)
広告など、費用を支払って情報を発信するメディア。テレビCMやウェブ広告などが該当します。
- アーンドメディア(Earned Media)
口コミやSNSでの拡散など、第三者による自発的な情報発信のこと。信頼性が高く、影響力の強いメディアとされています。
これら3つのメディアをバランスよく活用することで、効果的な情報発信が可能になります。オウンドメディアは、その中で特に「自社でコントロールできる」「コストを抑えられる」という特徴を持つ重要な位置づけとなっています。
オウンドメディアの重要性
デジタル化が進む現代のビジネス環境において、オウンドメディアの重要性は年々高まっています。その主な理由は、情報収集行動の変化にあります。
多くの消費者や企業担当者は、製品やサービスを検討する際、まずインターネットで情報を探します。この時、単なる商品情報だけでなく、関連する課題の解決方法や業界の動向など、より広い文脈での情報を求めています。オウンドメディアは、そうしたニーズに応える重要なプラットフォームとなるのです。
具体的には、以下の3つの点でオウンドメディアは重要な役割を果たします。
- 自然検索からの継続的な集客
質の高いコンテンツを提供し続けることで、検索エンジンからの安定的なアクセスを獲得できます。これは広告に依存しない、持続可能な集客手段となります。
- 企業の専門性とブランド価値の向上
業界に関する深い知見や、課題解決のためのノウハウを提供することで、企業の専門性や信頼性を効果的にアピールできます。
- マーケティングデータの蓄積
ユーザーの閲覧行動や反応を分析することで、顧客のニーズや興味関心を把握し、より効果的なマーケティング施策の立案が可能になります。
このように、オウンドメディアは単なる情報発信の場としてだけでなく、企業の持続的な成長を支える重要な資産として機能するのです。
オウンドメディアを持つメリット
オウンドメディアを運営することで、企業は以下のような具体的なメリットを得ることができます。
- コスト効率の良さ
- 企業認知度の向上
- コンテンツのコントロール性
- ユーザーとの双方向コミュニケーション
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
コスト効率の良さ
オウンドメディアの大きな特徴は、広告費に頼らない集客が可能な点です。
例えば、リスティング広告やディスプレイ広告は、即効性はありますが、出稿を続ける限り費用が発生し続けます。また、競合が多い業界では入札単価が高騰し、コストが増大するリスクもあります。
一方、オウンドメディアは、質の高いコンテンツを制作・公開することで、検索エンジンからの自然な流入を獲得できます。初期の構築費用と運用コストは必要ですが、長期的に見ると費用対効果の高い集客手段といえます。
企業認知の向上
オウンドメディアは、企業の認知度とブランド価値を高める効果的なツールです。
通常の企業サイトでは、商品・サービスに興味を持った人しかアクセスしません。しかし、オウンドメディアでは、業界の課題や最新トレンド、ノウハウなど、より幅広い情報を発信することで、潜在的な顧客層へのリーチが可能になります。
例えば、「課題解決の方法を探している」「業界の動向を知りたい」といったニーズを持つユーザーが、検索を通じてオウンドメディアにアクセスし、そこで初めて企業の存在を知るというケースも少なくありません。
コンテンツのコントロール性
オウンドメディアの重要な特徴として、情報を完全にコントロールできる点が挙げられます。
広告や外部メディアでは、スペースや時間の制約があり、伝えたい情報を十分に発信できないことがあります。また、SNSでは、プラットフォームの規約変更や突然の仕様変更によって、発信方法が制限されることもあります。
しかし、オウンドメディアでは、企業が望むタイミングで、望む形式・量の情報を発信することができます。また、一度公開したコンテンツも、必要に応じて更新や修正が可能です。
ユーザーとの双方向コミュニケーション
オウンドメディアは、ユーザーとの継続的なコミュニケーションを可能にします。コメント機能やお問い合わせフォーム、アンケートなどを通じて、ユーザーの声を直接聞くことができるためです。
また、アクセス解析を活用することで、どのような情報に関心があるのか、どのような課題を抱えているのかを把握することも可能です。
これらの情報は、コンテンツの改善だけでなく、商品・サービスの開発や改良にも活用できる貴重なデータとなります。
オウンドメディアの始め方
オウンドメディアを効果的に運営していくためには、事前の綿密な計画と準備が重要です。ここでは、具体的な始め方のステップを説明していきます。
- ターゲット読者の設定
- サイトコンセプトの策定
- カスタマージャーニーとコンテンツファネルの計画
- サイトとコンテンツの制作
- 効果の測定とPDCAサイクル
(1)ターゲット読者の設定
効果的なオウンドメディアを運営するための第一歩は、明確なターゲット読者の設定です。単に「20代~30代の女性」といった大まかな属性だけでなく、以下のような具体的な情報を設定する必要があります。
- どのような課題や悩みを持っているか
- 情報収集はどのように行っているか
- 商品・サービスに対してどのような判断基準を持っているか
- 購買までの意思決定プロセスはどうなっているか
例えば、BtoB企業であれば「業務効率化に課題を感じている中小企業の経営者」「予算と人材不足に悩む人事担当者」といったように、具体的なペルソナを設定します。
(2)サイトコンセプトの策定
サイトコンセプトは、オウンドメディアの方向性を決める重要な要素です。コンセプトには以下の要素を含める必要があります。
- メディアの目的(何を達成したいのか)
- 提供する価値(読者にどのような価値を届けるのか)
- 独自性(他のメディアと何が違うのか)
- トーン&マナー(どのような表現や言葉遣いで伝えるのか)
コンセプトは、チーム全体で共有し、すべてのコンテンツがこの方針に沿って制作されるようにすることが重要です。
(3)カスタマージャーニーとコンテンツファネルの計画
次に、ユーザーの行動プロセスを理解し、適切なコンテンツを提供するための計画を立てます。
【カスタマージャーニーの主な段階】
- 認知段階(課題の気づき)
- 興味・関心段階(情報収集)
- 検討段階(比較・評価)
- 購買決定段階(最終判断)
- 購買後段階(活用・推奨)
各段階に応じて、以下のようなコンテンツを用意します。
- 入門的な解説記事
- 課題解決のためのハウツー記事
- 事例紹介・導入効果の解説
- 製品・サービスの詳細情報
- 活用のヒントや応用方法
(4)サイトとコンテンツの制作
サイトとコンテンツの制作段階では、具体的な実行計画を立てて進めていきます。まずサイト制作では、以下の点に注意が必要です。
- 使いやすいCMS(コンテンツ管理システム)の選定
- スマートフォン対応を含むレスポンシブデザイン
- 読みやすいレイアウトと文字サイズ
- 適切なカテゴリー設計
- 検索機能の実装
コンテンツ制作においては、以下の体制を整えます。
- 企画・編集責任者の設置
- ライター・編集者の確保
- 品質管理のためのチェック体制
- 定期的な更新スケジュールの設定
- 画像・動画などの素材管理体制
(5)効果の測定とPDCAサイクル
オウンドメディアの運営では、継続的な改善が重要です。そのために、以下のような指標を定期的に測定します。
【定性的な指標】
- コメントやフィードバックの内容
- SNSでの反応
- 問い合わせ内容の傾向
- メディア掲載や引用の状況
これらの指標を基に、以下のようなPDCAサイクルを回しましょう。
- Plan(計画):目標設定と施策の立案
- Do(実行):コンテンツの制作と公開
- Check(評価):効果測定と分析
- Action(改善):課題の特定と改善策の実施
オウンドメディアの注意点
オウンドメディアは多くのメリットがある一方で、運営には独自の課題や注意点があります。主な注意点として、以下が挙げられます。
- 成果が表れるまでに時間がかかる
- 運用にリソースを要する
それぞれの課題について、詳しく見ていきましょう。
成果が出るまでに時間がかかる
オウンドメディアは、即効性のある広告とは異なり、成果が表れるまでには相応の時間が必要です。
検索エンジンでの上位表示を獲得するまでには、通常3~6ヶ月程度かかります。さらに、安定的なアクセス数を確保し、実際の成果(問い合わせや購入など)につながるまでには、1年以上の期間を要することも珍しくありません。
【具体的な時間軸の目安】
- 検索エンジンでのインデックス化:数週間~1ヶ月
- 一定の検索順位の確保:3~6ヶ月
- 安定的なアクセス数の獲得:6ヶ月~1年
- ブランディング効果の実感:1年以上
そのため、短期的な成果にとらわれすぎず、長期的な視点で継続的に運営していく姿勢が重要です。
運用にリソースを要する
オウンドメディアの運営には、複数の専門的なリソースが継続的に必要となります。必要となる主なリソースは、以下の通りです。
- 人材面
- コンテンツの企画・編集責任者
- ライター・編集者
- SEO対策の専門家
- アクセス解析担当者
- サイト保守・管理の技術者
- 制作面
- 定期的なコンテンツ制作費用
- 画像・動画などの素材制作費
- システム保守・管理費用
- 分析ツールなどの運用費用
- 時間面
- 企画会議や編集会議の時間
- 原稿のチェックや修正の時間
- SEO対策やアクセス分析の時間
- PDCAサイクルを回すための評価・改善時間
特に重要なのは、これらのリソースを「継続的に」確保できる体制を整えることです。社内リソースだけでは不足する場合は、外部パートナーへの委託も含めて検討する必要があります。
また、運営開始後に予算や人員が削減されると、コンテンツの質が低下し、せっかく築いた信頼性を損なう可能性もあります。そのため、開始前に必要なリソースを明確にし、長期的な運営が可能な体制を整えることが重要です。
オウンドメディアの成功事例
企業によるオウンドメディアの活用事例は年々増えています。ここでは、特徴的な取り組みを行い、成果を上げている2つの事例を紹介します。
花王
引用:花王の顔
花王は「花王の顔」というオウンドメディアで、商品開発者や研究者に焦点を当てた情報発信を行い、大きな成果を上げています。
このメディアの特徴的な点は、単なる商品紹介ではなく、開発者や研究者の視点から商品開発の過程や技術的な知見を詳しく伝えている点です。
【成功のポイント】
- 製品の背景にある技術や開発ストーリーを丁寧に紹介
- 研究者の実体験や試行錯誤のプロセスを詳細に描写
- 商品の直接的な宣伝ではなく、開発背景や科学的知見を提供
- 読者の悩みや課題に寄り添った情報提供
例えば、「角栓(毛穴の詰まり)」に関する記事では、研究員の視点から原因や解決方法を科学的に解説。この記事は、商品の宣伝に頼ることなく、読者の興味を引き、企業への信頼感を高めることに成功しています。
Lidea
引用:Lidea
ライオン株式会社が運営する「Lidea」は、家事や日常生活の困りごとを解決する情報を提供する独立型オウンドメディアとして成功を収めています。
このメディアの特徴は、企業色を極力抑え、ユーザー目線での情報提供に徹している点です。サイト名はLIONとIdeaを組み合わせていますが、デザインや内容は独自の世界観を持っています。
【成功のポイント】
- 企業色を抑えた独立したデザインと世界観
- 実用的な生活情報の提供
- 会員制度を活用したユーザーエンゲージメント
- データ収集と商品開発への活用
【特徴的な取り組み】
- コメントや「いいね」機能による双方向コミュニケーション
- ポイント制度によるユーザー参加の促進
- 収集した意見を商品開発に活用
- プッシュ型のコミュニケーションによる継続的な関係構築
まとめ
オウンドメディアは、企業の情報発信において重要な役割を果たすツールです。成功のためには、以下の点が重要となります。
- 明確なターゲットとコンセプトの設定
- 質の高いコンテンツの継続的な提供
- 長期的な視点での運営
- 適切なリソース配分
- 定期的な効果測定と改善
ただし、すぐに効果を求めるのではなく、継続的な運営を通じて、徐々に成果を積み上げていく姿勢が大切です。読者にとって価値のある情報を提供し続けることで、結果として企業のブランド価値向上や顧客との関係強化につながっていきます。
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