Googleアナリティクスのフィルタとは?3つの機能と設定方法を解説
今回はアナリティクスでのフィルタ機能について、どのような機能があるのか、さらにはその設定方法まで解説していきます。
- Googleアナリティクスのフィルタ機能とは?
- データを絞り込むフィルタ機能の種類と特徴
- ビューフィルタの特徴
- セグメントの特徴
- アドバンスフィルタの特徴
- データを絞り込む流れ
- 絞り込みの流れ
- 絞り込みの仕組み
- フィルタ機能を使用する際の注意点
- Googleアナリティクスのフィルタ設定方法
- 特定のアクセスを除外するには?スパム対策も解説
- 自社・関係者のアクセスを除外する
- 不要なアクセスを除外する
- スパムを除外する
- URLクエリパラメータを除外する
- クロスドメインを設定する
- Googleアナリティクスのフィルタの動作確認
- テストコンテンツで確認する
- リアルタイムレポートで確認する
- Googleアナリティクスのフィルタが正常に動作しない場合の対処法
- GA4(Google Analytics 4)への変更は必要?
- まとめ
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Googleアナリティクスのフィルタ機能とは?
アナリティクスでのフィルタとは、取り込んだサイトのアクセスデータを指定の条件下で絞り込んだり、排除したりできる機能を言います。
サイトのチェックや動作確認時に自社スタッフや関係者がアクセスした場合のデータも結果に含まれてしまうと、関係者以外からのアクセスがどれだけあったのか正確に知ることができません。
また、サイト内のアクセス状況を把握しようとした時に、全ページに対して行うのではなく特定のディレクトリ内限定のアクセスデータを抽出したいケースもあると思います。
そんなときは、フィルタ機能の設定によって条件に沿うデータを抽出すれば、サイト運営やレポートの作成などに必要な情報を得ることができるのです。
データを絞り込むフィルタ機能の種類と特徴
ある一定の条件の下で絞り込んだアクセスデータを分析してくれるのがアナリティクスにあるフィルタ機能ですが、この機能には3種類あります。
ビューフィルタ | セグメント | アドバンスフィルタ | |
---|---|---|---|
目的 | データの整備 | 一時的な分析 | 一時的な分析 |
利用頻度 | 継続的な利用 | 継続的にも利用可 | 1回のみ |
過去データへの適応 | できない | できる | できない |
レポート画面への反映 | 全体 | 全体 | 1つのレポート画面のみ |
この3つはひとつひとつ役割や条件が違いますが、間違った使い方をしてしまうとやり直しが効かない設定もあります。それぞれの種類の特徴を解説していきますので、しっかり理解していきましょう。
ビューフィルタの特徴
アナリティクスの構成は、アカウント、プロパティ、ビューの3層構造です。取得したアカウントにサイトを登録するとアクセスデータを収集するプロパティが形成され、その中にレポートや分析ツールを利用するためのビューが形成されます。
このビューで集積されるデータを任意の条件で整備する機能が、ビューフィルタです。一度設定したビューフィルタは解除しない限り継続されますが、フィルタリング後のデータは元に戻せないので、ビューフィルタを設定する際には注意しましょう。
また、フィルタは設定したタイミングから適応されますので、後から過去のデータに対してフィルタリングし直すことはできません。
セグメントの特徴
次に、セグメントは一時的な分析に使用しますが、ビューフィルタと同じように長期的な使用もできます。アクセスユーザーの傾向を長期に渡って測定したい場合などに効果的です。
ビューフィルタとは異なり、フィルタリングされた加工データは解除して元のデータに戻せます。また、過去に遡ってデータの分析を行うことも可能です。
セグメントは継続的に利用していくことも可能な機能なので、今のレポート画面を離れて別画面に移ってもフィルタの条件は解除されません。
アドバンスフィルタの特徴
アドバンスフィルタは、上の2つのフィルタとは異なり、一時的な使用に適した機能です。開示されたレポート画面上でのみフィルタが適用される機能なので、その時画面上に表示されているデータをさらに絞り込みチェックしたい時などに利用できます。
一時的にフィルタリングするだけでその前のデータに影響はなく、レポートページを移動してしまうと、遷移前に設定したフィルタ情報は残りません。また、セグメントと同様に、過去のデータに遡ったフィルタリングも可能です。
データを絞り込む流れ
ビューのデータを絞り込むフィルタには、ビューフィルタ・セグメント・アドバンスフィルタの3種類がありますが、この3つはビューの中で単独の設定ができるわけではありません。それぞれ相関関係があり、データを絞り込んでいくには順を追った設定をしていく必要があります。
次は、データの絞り込みがどういう流れで行われているかを見ていきましょう。
絞り込みの流れ
絞り込みの流れは、以下の順です。
- ビューフィルタ
- セグメント
- アドバンスフィルタ
まず、ビューフィルタでアナリティクスのビューに集積されたアクセスデータを任意の条件下で抽出、あるいは一定の条件に当てはまるものを除外し、必要となるデータだけに整えます。
次に、一時的または継続的に必要な条件に応じて、セグメントでのデータの抽出を行います。ここで表示されたレポートに対して、さらに特定の条件によるデータを抽出したい時に使用するのがアドバンスフィルタです。
絞り込みの仕組み
データの絞り込みの仕組みについても理解しておきましょう。データの元になるWEBサイトへのアクセスがあると、その情報がGoogleアナリティクスに送信されます。この時に適用されるのが、ビューフィルタによるフィルタリングです。
セグメントは1つのビューフィルタに対して複数個の設定が可能なため、フィルタリングされたデータは該当のセグメントでさらに絞り込みが行われ、レポート画面へ出力されます。
ここからさらに、アドバンスフィルタによって絞り込みが行われ、複数の条件下でフィルタリングされたデータを閲覧することができるというわけです。
フィルタ機能を使用する際の注意点
フィルタの3つの機能の説明でも少し触れましたが、フィルタ機能の使用の際には注意点があります。セグメント及びアドバンスフィルタは一時的な設定なので、解除をすれば元のデータに戻すことができます。
しかし、ビューフィルタは、一度設定すると後から設定を変更しても先に除外してしまったデータは追加できないのです。なぜなら、フィルタ機能では、取得する前のデータをフィルタリングして入手するからです。
間違えて行った設定により反映されないデータがあった場合は、正しい分析ができません。そうならないように、ビューにはフィルタリングされていない生データを残しておくよう心掛けましょう。
Googleアナリティクスのフィルタ設定方法
次は、フィルタの設定方法を順を追って解説していきます。
Googleアナリティクスを開くと、「ホーム」「レポート」「カスタム」「アナリティクス設定」の4つの項目があります。
この中の「アナリティクス設定」をクリックすると、項目の中に「フィルタ」があるので選択しましょう。すると「新しいフィルタ」という項目が出てくるので、こちらをクリックすると、フィルタ作成画面が出てきます。
作成画面では、次の手順で条件を選択して設定を完了させましょう。
- フィルタの名前を指定(他の人が見てもわかるような名前をつけましょう)
- 「定義済み」か「カスタム」をセレクト
- 「除外」か「右のみを含む」をセレクト
- 条件をセレクト
- 「等しい」「前方が一致」「最後が一致」「次を含む」からセレクト
- 4.の条件によって、ドメインやIPアドレス、サブディレクトリなどが指定されるので対象となるものを入力
ここまで入力したら、あとは保存をクリックすれば設定完了です。
特定のアクセスを除外するには?スパム対策も解説
前項で基本的なフィルタの設定方法を解説しましたが、ここではさらに詳細に説明していきましょう。アクセスデータには、不要なデータやスパムも含まれています。
まず除外の対象となるデータは、次の3つです。
- 自社・関係者のアクセス
- 必要のない特定ページ
- スパム
これらがデータに含まれてしまっていると、せっかく取得した情報が使えないものになってしまいます。他にも、クエリパラメータやクロスドメインなど、必要に応じて設定した方がよい項目も紹介していきます。
自社・関係者のアクセスを除外する
WEBサイトの内容を確認したり更新時のチェックなどで、自社スタッフや関係者がアクセスすることはよくあることです。
しかし、このアクセスも1件に計測されると、正しい解析に支障をきたす場合もあります。それをなくすためには、社内や特定のドメインからのアクセスを除外する設定をしましょう。
フィルタ設定内の、フィルタの種類を次の通りに設定します。
- 「定義済み」
- 「除外」
- 「ISPドメインからのトラフィック」または「IPアドレスからのトラフィック」
- 「等しい」
- 指定したい「ISPドメイン」または「IPアドレス」
これで、特定のISPドメインもしくはIPアドレスからのトラフィックを除外したデータの抽出ができます。
不要なアクセスを除外する
自社スタッフや関係者からのアクセス意外にも、データ解析をする条件によっては、特定のページへのアクセスデータが不要になる場合もあります。
その中でも、サブディレクトリでデータを限定する場合の設定は次の通りです。
- 「定義済み」
- 「右のものを含む」
- 「サブディレクトリへのトラフィック」
- 「等しい」
- サブディレクトリを指定
サブディレクトリ以外にも、ホスト名での指定もできます。
- 「定義済み」
- 「右のものを含む」
- 「ホスト名へのトラフィック」
- 「等しい」
- ホスト名を指定
スパムを除外する
時には、大量のスパムがアクセスデータに含まれることもあるでしょう。データ解析をする上で、流入元のデータを参照することはよくあります。
この参照時に、スパムサイトに誘導する悪質な行為がリファラースパムです。データ解析の邪魔になるだけでなく、ウィルスを仕込まれる可能性もあるので除外しておく必要があります。
まずは次の通りに設定しましょう。
- 「カスタム」
- 「除外」
- 「参照」
- リファラースパムのURLを指定
スパムサイトは、言語設定とブラウザ情報が「not set」になっているケースがほとんどです。そちらにも対応するため、次の設定もしておきましょう。
- 「カスタム」
- 「除外」
- 「言語設定」「ブラウザ」
- フィルタパターン「not set」
これは、言語設定とブラウザ設定それぞれで、設定する必要があります。
URLクエリパラメータを除外する
URLクエリパラメータが含まれたアクセスデータをそのまま解析すると、必要な情報を計測できない場合があります。
アナリティクスは、ひとつのページに複数のパラメータがあると、パラメータごとに集計を行なってしまうからです。この場合は、パラメータを除外する新しいビューを作成し、設定することで回避できます。
手順は次の通りです。
- パラメータ除外用の新規ビューを作成
- 管理画面から変更したいビューを選択
- 「ビューの設定」をクリック
- 除外したいパラメータ名を指定
これで保存すれば、指定のパラメータを除外したビューが作成できます。
クロスドメインを設定する
クロスドメインとは、サイト内で複数のドメインが存在することです。例えば、トップページと入力フォームで、ドメインが異なる場合などが当てはまります。
アナリティクスでは、この状態のままだとドメインからドメインに移動する時にセッションが切れてしまうため、正しいデータ分析ができません。そのため、ドメインを跨いだ時でも必要なデータが取得できるように、設定を変更する必要があります。
クロスドメインを設定するには、トラッキングコードを編集します。
- 「管理」→「トラッキング情報」→「トラッキングコード」
ここで、「gtag」から始まるコードを次のように書き換えます。
gtag(‘config’,’UA-XXXXXXXX-XX’,{‘linker’:{‘domains’:[‘◯◯◯.com’,’⬜︎⬜︎⬜︎.net’]}});
- UA-XXXXXXXX-XX ・・・自社のトラッキングコード
- ◯◯◯.com・・・メインとなるドメイン
- ⬜︎⬜︎⬜︎.net・・・もうひとつのドメイン
次に、「トラッキング情報」から「参照元除外リスト」を選択してください。ドメインを入力する箇所にクロスドメインとなる両方のドメイン名を入力して、参照元除外リストを設定します。
最後に、フィルタ設定です。次の手順でフィルタ作成を選択します。
- 「管理」→「ビュー」→「フィルタ」→「+フィルタ作成」
フィルタの種類に「カスタム」を選択し、次の内容を入力すれば完了です。
項目 | 内容 |
---|---|
フィルタ名 | ホスト名+URL |
ホスト名 | (.*) |
リクエストURL | (.*) |
リクエストURL | $A1$B1 |
Googleアナリティクスのフィルタの動作確認
ここまではアナリティクスのフィルタの設定方法を説明してきましたが、設定後は意図したようにデータ抽出ができているか確認も必要です。
動作確認には、次の2つの方法があります。
- テストコンテンツでの確認
- リアルタイムレポートでの確認
ビューフィルタで除外したデータは、該当のビューからは削除されてしまいます。間違った設定をしていないかどうか、しっかりと確認しておきましょう。
テストコンテンツで確認する
フィルタが設定されている範囲内に、テスト用に作ったコンテンツを配置して確認する方法です。フィルタ設定で意図した通りにコンテンツが除外されていれば、正しく設定できているということになります。
ただし、コンテンツを配置してすぐにアクセスデータ上で確認できるわけではありません。必要なデータを取得するには数日かかるので、確認するのに日数的に余裕がある時に行える方法です。
リアルタイムレポートで確認する
もうひとつは、アナリティクスのリアルタイムレポートを使って確認する方法です。リアルタイムレポートでは、「どのページに」「どこのサイトから」といった現在のアクセス状況を教えてくれます。
そのため、自分でアクセスしながらフィルタの状況が確認できるのです。ただし、注意点として同じタイミングでアクセスしている人がいると、自分のアクセスではないもので判断してしまう可能性があります。
Googleアナリティクスのフィルタが正常に動作しない場合の対処法
動作確認をしたところ、「フィルタが正常に機能していなかった」という場合もあるでしょう。そんなときは、まずフィルタの設定を見直してみます。
次に、対象としているデータの期間が間違っていないか確認しましょう。フィルタを設定したタイミング以前のデータは含まれないので、期間設定を間違えていると正しいデータが抽出されません。
また、フィルタが適用されている順番を確認するのもひとつです。フィルタは上から順に適用されていくので、順序を間違えていると意図したデータにならないこともあります。
GA4(Google Analytics 4)への変更は必要?
結論から言うと、GA4への変更は必要になります。なぜなら、現行のアナリティクスは、無料版では2023年7月1日でデータ収集の停止、有料版では2023年10月1日に計測終了が決まっているからです。
ただし、焦って移行する必要はありません。アナリティクスとGA4は別物なので、同時に利用することが可能です。アナリティクスを活用しつつ、移行に向けてGA4もしくは他の解析ツールでのデータ解析の準備を進めていくことをおすすめします。
まとめ
Googleアナリティクスのフィルタ機能を使うことで、正確なデータ解析を行うことができます。アクセスデータは企業やサイト運営者にとって、重要な情報です。
間違った設定をしてしまっては、せっかくの情報が役に立たなくなってしまいます。正しくデータを活用することで、サイト運営や方針にしっかり活かしていきましょう。
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