マーケティング心理学とは?11のテクニックと活用方法を紹介
人の深層心理にアプローチをする心理学を学べば、消費者が求めるニーズがわかってきます。
今回は、多岐にわたる心理学のテクニックを11個ご紹介します。
すぐに実践できるテクニックですので、参考にしてぜひ最後までご覧ください。
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マーケティング心理学とは?
顧客が本当に求めている物やサービスを作り、それを求める顧客に適切な情報を届けるといった、開発から販売まで一連の売る仕組みを考えることが、マーケティング戦略です。
しかし、ただ仕組みを考えるのみで消費者側の心理を理解していないと、ビジネスでの成功は難しいでしょう。
人の心を知るためには、人間の行動メカニズムのパターンを理解する必要があります。行動から読み取る心理学のことを、行動心理学といいます。
マーケティングをする際に、消費者が望むものをコントロールすることで、商品の販売に良い影響を与えてくれます。
マーケティング心理学の使えるテクニック11選
それでは、マーケティング心理学の手法の説明と、効果について見ていきましょう。
カリギュラ効果
人が行動を起こすとき、その物事を禁止すると逆にやりたくなってしまう現象のことをいいます。
「ここから先は立ち入り禁止」や「興味がないなら見てはいけません」など、行動や物事に禁止、制限をかけると、人は自由を奪われストレスを感じます。
そのストレスへの反発から、禁止されたことを破りたくなるのです。
例えば、美容系の商品の紹介ページで「乾燥肌が気になる方以外は見ないでください」と記載されているのを見て、逆に興味を惹かれたことはないでしょうか。
禁止するだけでなく、限定することでも、カリギュラ効果が期待できます。
例えば、「期間限定商品です」、「売り切れごめん」などと記載することで、制限されたことに対して反発する行動を取りたくなる効果があります。
ウィンザー効果
当事者より第三者が与える評価の方が信頼されやすい、という心理効果を「ウィンザー効果」といいます。
自社のセールスをおこなっている人間から「私は嘘をつきませんのでどうぞご安心ください」、「この商品はあなたの役に立つ」などと聞いても、その言葉に納得できないどころか、疑ってしまうこともあるかと思います。
ですが、当事者と利害関係のない第三者からの「あの人は誠実な人なので安心して良いと思う」や「この商品のおかげですごく助かっている」といった評価は、信頼されやすいです。
商品の販売ページに「お客様の声」を記載しているケースも多いですが、これもウィンザー効果を期待しての施策といえるでしょう。
アフォーダンス効果
過去に経験した行動や考え方が、そのときの本人の行動につながる心理効果を「アフォーダンス効果」といいます。
英語のaffordの意味で「提供する、与える」から来ています。
例えば、スライド式のドアに、飾りのドアノブを設置してみましょう。
多くの人は「ドアノブは押す、もしくは引くことでドアを開閉できる」という認識があるので、ドアノブを見たら押し引きしてしまうでしょう。
もちろん、スライド式のドアなので、実際には開閉できません。先入観に囚われて行動してしまうのです。
実用例を挙げると、よくあるのはWebサイト上での青色下線の文字です。
特に説明もされていないのに、青色の下線が引いてある=クリックするとリンク先に飛べる、と認識している方も多いかと思います。
それは、有名サイト等で使われているアイデアなどが、記憶の一部となり、行動するうえでの判断の材料となっているのです。
Webサイト上のコンテンツにおいても、利用する人のためのアフォードを引き出せるようなヒントがあれば、本来の意図した使い方に導くことができます。
返報性の原則
人から親切にしてもらったり、恩を感じたりすると「お返ししなきゃ」と感じる行動を、返報性の原則と呼びます。
「自分の行いは回りまわって自分のもとへ帰ってくる」という昔からの言い伝えが、この原則をいい表しています。
身近な例として、買い物中に売り場コーナーで店員さんから試食を勧められ、食べた後に「無償で食べた以上は買わないと」という気持ちになって購入してしまうことが、「返報性の原則」の効果です。
返報性の原則は、「あなただけのために」という特別感を演出することで、さらに効果的に使えます。
例えばクーポンの場合、特別感のあるメッセージを加えると、客は「利用したい」という気持ちが高まり、クーポンを使用してショッピングしてくれることを期待できるでしょう。
バーナム効果
誰にでも当てはまるような内容でも「自分のことを本当にいい当てている」と感じる心理効果を、「バーナム効果」といいます。
極端な例ですが、「あなたは今悩んでいますね」という曖昧なフレーズは、多くの人の状況に当てはまる言葉でしょう。
どんな人でも悩みごとの1つや2つはあるかと思います。
ですが、その言葉をかけられた人は「自分の状況を分かってくれている」と感じてしまい、自分だけに当てはまる内容だと認識してしまうのです。
バーナム効果を活かすには「前提条件」が大切です。
見知らぬ人から前触れもなく「あなたは今悩んでいますね」といわれたら、誰でも困惑してしまうかと思いますが、これが星座占いの先生の発言だとしたらどうでしょうか。
「自分の心を見抜かれている」と少しは感じてしまうかと思います。
さらに条件を付け足してみましょう。星座占いの先生から「12月生まれ・いて座・A型・30歳の方は悩みやすい時期です」と個人を絞るような情報を付け加えられると、さらに自分のことだと信じやすくなるでしょう。
例で提示した通り、バーナム効果は占いでよく使われている手法ですが、ビジネスの場では営業で使われることが多いといえます。
営業先の人に対して、誰もが思っているであろう悩みごとをあらかじめ考えておき、先に提示することで信用を得やすくするというテクニックが効果的です。
アンカリング効果
最初に得た印象的な情報がその後の意思決定に影響を与え、その最初に得た情報に近しい結論を出してしまうことを「アンカリング効果」といいます。
よくあるケースとして、ショッピングの値段表記が挙げられます。
相場を把握していない商品が「通常価格10,000円の70%OFFで3,000円!」と表記されていたとします。
すると、10,000円もするのに3,000円で買えるのはお得だ、と考える方もいるかと思います。
この場合は「70%OFF」という数値に、実際の判断が引っ張られてしまっています。
仮にその商品の相場が3,000円だったとしても、その事実を知らないと値引きされたこと自体をお得に感じてしまうのです。
上記は極端な例で、値引き前の値段を不当に引き上げる行為は、景品表示法に違反する恐れがあるので注意してください。
ディドロ効果
自分の生活環境に新しく理想的な商品が入って来たときに、その商品に合った商品や関連商品を揃えたくなるような心理効果を「ディドロ効果」といいます。
ディドロ効果がよく使われているのは、家具です。
例えば、新しくテーブルを1台購入したとします。
このテーブルが気に入れば、そのデザインをベースにして、インテリアの統一感を出したいと考える方もいるのではないしょうか。
このようにして、テーブル以外にもイス、ソファ、ベッドなどを次々と買い揃えたくなってしまうのは、「ディドロ効果」によるものです。
他にも、スマホゲームの「ガチャ」などが、ディドロ効果を活用している代表例です。
ある程度の時間を費やして遊んだゲームで、魅力的な新キャラを逃したくなくなるのは、ディドロ効果が発揮されているといえます。
ヴェブレン効果
商品の価格が高いものほど購入者の満足度の向上につながることを、「ヴェブレン効果」といいます。
高額で知名度のあるブランド品などは、「人に見せびらかしたい」「凄い人だと思われたい」といった自己顕示欲を刺激し、需要の増加が期待できるのです。
例えば、同じような機能性・デザインの腕時計でも、安物の商品より高級ブランド品のほうが人気があります。
しかし、ヴェブレン効果はただ価格を高く設定すればいいという訳ではありません。
「自慢したい」という顕示欲を掻き立てる必要があるため、見せびらかして効果的なもの、つまり社会的に価値が認められている必要があるのです。
ザイオンス効果
人や物に何度も繰り返し接することで、好感度や評価が高まる効果を、「ザイオンス効果」といいます。
人や物以外にも、音楽、美術、味、匂いなど、五感に訴えかけるものに対しても起こります。
今まで関心や興味がなかったことでも、何度もその情報に触れることで親近感を持つようになり、好感度が高まるというケースもあります。
身近な例としては、「広告」が顕著です。テレビCMやネット広告は、何度も同じものを見ることで自然と興味が湧いてくることがあるでしょう。
ただし、最初に得た情報がネガティブなものだった場合、繰り返し接触をすることで負の感情が強まり、避けられてしまうこともあります。
広告でザイオンス効果を発揮するためには、最初に好印象を与えられるかが重要なポイントです。
スノップ効果
大多数の人が所有している物ほど魅力的に映らず、需要が減少し、逆に少数の人しか所有していない物ほど魅力的に映り、需要が増すことを、「スノップ効果」といいます。
日常的に見られるシーンとして、自分と同じ服を着ている人に出くわして以来、どんなに気に入っていたとしてもその服を着る機会が減ってしまった、という事例が挙げられます。
スノップ効果を活かしたマーケティング手法としては、「数量限定」といった広告を打ち出す方法が代表的です。
入手できる人が限られていることをアピールし、希少価値を高め、購買意欲を掻き立てることができます。
松竹梅の法則
1つのサービスに対して3つのプランがあった場合、たいていの人が中間のプランを選んでしまうことを、「松竹梅の法則」といいます。
中間プランを選ぶ方が多い理由は、人は極端で不安な選択よりも、安定した選択を取りたいという心理が備わっているからです。
最安のプラン(梅)を選ぶと、価格に見合った安いサービスしか受けられないのだろうと考え、高いプラン(松)は適正価格かどうか疑ったり、価格分の満足感を得られないかもしれないという心理が働きます。
そこで、大きなリターンは期待できないもののローリスクで済む、中間プラン「竹」を選んでしまうというわけです。
まとめ
今回は、実際に使われているマーケティング心理学のテクニックを紹介しました。
マーケティング心理学は、シーンに合わせて的確に利用することで、顧客の心理に影響を及ぼし自分が望むような行動に自然と導くことができます。
それぞれの手法を学び、実践で活用していきながら、商品やサービスの売り上げアップなど目標の達成を目指しましょう。
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