SNS広告とは?運用するメリットや主な種類も紹介
SNS広告とは、SNSプラットフォームを利用して広告を配信する手法です。低予算でも高い費用対効果を狙えるメリットがあり、SNSごとに広告形式も異なるためさまざまな広告バリエーションを試せます。
今回は、SNS広告の基礎知識と、各SNS広告の種類や成功事例、注意点について解説します。
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SNS広告とは
SNS広告とはFacebook・Instagram・TwitterなどのSNSプラットフォームを活用した広告配信のことです。テキストだけでなく、バナーや動画など多様な広告形式があるのが特徴です。また、SNS広告はSNSのタイムラインやストーリーズなどで配信され、細かくターゲティングしたユーザーに配信できます。
SNS広告は商品の購入までは考えていないが興味はあるというような潜在層が多く、購入を促すよりも、認知拡大やブランディングを目的とした方が向いている広告手法です。
また、各SNSでアクティブユーザーの年齢も異なります。
たとえば、TikTokやInstagramは若年層向け、Facebookは30〜50代向けなど各SNSの特徴を活かして最適なプラットフォームを選定することが重要です。
Web広告との違い
Web広告は、リスティング広告とアドネットワーク広告に分類される広告手法です。
アドネットワーク広告は、Webサイトにバナーを表示させて認知拡大を狙う広告手法で、リスティング広告はGoogleやYahooの検索結果に連動して表示させて集客を狙う広告を指します。
SNS広告はSNSをプラットフォームとしていますが、Web広告は検索エンジンをプラットフォームとしているという違いがあります。また、SNS広告の方がSNSに登録しているアカウント情報からターゲティングできるため、狙ったユーザー層へのアプローチがしやすいです。
リスティング広告との違い
リスティング広告は検索連動型広告とも呼ばれ、GoogleやYahooなどの検索エンジンでユーザーが検索したキーワードをもとに広告を表示させる手法です。ユーザーが抱える悩みや課題に関連する広告を表示するため、自社サイトやLPへの誘導がしやすいのが特徴です。
SNS広告とは扱うプラットフォームが違い、目的や狙うユーザー層も異なります。SNS広告は潜在層向けのため、認知拡大やブランディングが目的となるケースが多いです。
一方、リスティング広告は顕在層向けの広告で自社サイトやLPなどへの直接的な集客を目的としています。
SNS広告を運用するメリット
SNS広告を運用する主なメリットは以下の3つです。
- 詳細にターゲティングできる
- 拡散されやすい
- 費用対効果を上げやすい
SNS広告のメリットを把握しておけば、効果的な広告配信も可能です。
それぞれのメリットを解説します。
詳細にターゲティングできる
SNS広告の最大のメリットはターゲティングの精度が高いことです。
SNSによって情報量は異なりますが、アカウント情報には、年齢・性別・勤め先・趣味・学歴などの個人情報が登録されているからです。また、ユーザーがSNS上で行動したデータも蓄積されているため、より詳細なターゲティングもできます。
たとえば、「都内在住の30代男性」で「人材系の企業に勤務している人」というように絞り込むことで、ピンポイントにサービスを訴求できるなどがSNS広告の魅力といえるでしょう。
拡散されやすい
SNS広告は、広告主からの配信だけでなくユーザー同士で拡散されやすいのもメリットです。ユーザーから拡散されると、広告主の配信だけでは届かない層にもアプローチが可能になります。
TwitterのリツイートやFacebookのシェアなどで拡散されれば、より多くのユーザーに広告をリーチできるのもSNS広告の魅力です。
費用対効果を上げやすい
SNS広告は少額からでも広告配信を始められるため、費用対効果を上げやすいというメリットがあります。Twitterなどの拡散力の高いSNSプラットフォームを選定して効果的に広告配信を行えば、ユーザーの拡散によって費用対効果はさらに高められるでしょう。特にCPAを用いることで、特定の成果を上げた際の費用を効率的に測定し、広告戦略を最適化することが可能です。
特にSNSでは「バズ」と呼ばれる大規模な拡散が起きる可能性があります。バズが起きると、1回の広告配信でも費用対効果が膨大な成果となってかえってくる可能性があるため、拡散をされやすいようなSNS広告の配信を考えるのも重要です。
SNS広告の種類
主なSNS広告の種類は、以下の5つが挙げられます。
- LINE
- YouTube
それぞれのプラットフォームで特徴やユーザー層、活用方法なども異なるため、各SNS広告の特徴を把握して効果的な配信を行いましょう。
それぞれのSNS広告を解説します。
LINE
LINEは国内の月間アクティブユーザー数が8,600万人もいる国内最大のSNSプラットフォームです。国民の約71%が使用しているため、広告のリーチ数も最大であるのが大きなメリットといえます。
また、LINEだけでなく、LINE NEWSやLINEショッピングなど、LINEの他サービスにも配信可能な点もメリットです。
アクティブユーザーの年齢層も幅広いので、商材によって不利になるという可能性も他のSNS広告と比べても低いのも特徴です。
広告の課金形式は以下の3つです。
- クリック課金:広告がクリックされるごとに課金
- インプレッション課金:広告が1,000回表示ごとに課金
- 友達追加課金:友達追加されるごとに課金
YouTube
YouTubeは18〜64歳までの月間アクティブユーザー数が6,500万人以上いる動画SNSプラットフォームです。世界だと20億人の月間アクティブユーザー数を誇ります。
YouTube広告はユーザーが動画再生をする際や、動画視聴中、動画視聴後などさまざまなタイミングで広告を配信できるSNS広告です。動画広告の形式が豊富なだけでなく、静止画のバナー広告も配信できるため、自社の目的や狙いに合わせて最適な動画広告配信もできます。
YouTube広告の課金形式は以下の6パターンです。
- CPV:動画を 30 秒間(30 秒未満の広告の場合は最後まで)視聴、もしくは30 秒経つ前に動画をクリックされた場合に課金
- CPM:広告が表示されるごとに課金
- CPC:広告がクリックされるごとに課金
- CPD:固定の日別単価で課金
- vCPM:広告の50%以上が画面に1秒以上表示されるごとに課金
- 目標コンバージョン単価:コンバージョン単価が目標に数字に合うように、入札価格を自動調整して課金
Facebook広告は全世界の月間アクティブユーザーが29億人、そのうち国内は2,600万人いるSNSプラットフォームです。ユーザーのボリュームゾーンが20代後半から50代までと、他のSNSと比べて年齢層がやや高めなのが特徴といえます。
アカウント登録が実名制のため、ターゲティングの精度が高いため、信頼関係を構築しやすく、ビジネスでの活用も盛んです。SNS広告の特徴として、テキストやバナー広告だけでなく、動画での投稿も可能です。
しかし、現在は個人情報保護を目的とした広告規制により、Facebook以外のアプリやサービスをまたいだリターゲティング広告の実施が難しくなっています。
Facebook広告の課金形式は以下の4つです。
- CPC:広告がクリックされるごとに課金
- CPM:広告が1,000回表示されるごとに課金
- CPI:アプリ広告でアプリがインストールされるごとに課金
- CPV:動画広告が最後まで再生された、もしくは15秒以上再生されるごとに課金
Instagramは月間アクティブユーザー数が世界で10億人、国内でも3,300万人を誇るSNSプラットフォームです。10代から20代のユーザーが多く若者向けのSNSといえます。
Facebookが運営しているSNSプラットフォームのため、高いターゲティング精度が特徴です。Instagram広告はビジュアルでの投稿がメインなため、言語による障壁も低く、世界観やブランディングの訴求が効果的です。
また、Instagram広告ではアンケート広告やECサイトへの誘導を促すショッピング広告など、他のSNS広告にはない広告バリエーションも魅力のひとつでしょう。
Instagram広告の課金形式は以下の4つです。
- CPC:広告がクリックされるごとに課金
- CPM:広告が1,000回表示されるごとに課金
- CPI:アプリ広告でアプリがインストールされるごとに課金
- CPV:動画広告が最後まで再生された、もしくは15秒以上再生されるごとに課金
Twitterは月間アクティブユーザー数が世界で3億3,500万人、国内は4,500万人以上いるSNSプラットフォームです。
Twitter広告はユーザーの興味関心をもとにアカウントのカテゴリが分類されるため、ユーザーの興味関心に合わせてターゲティングができるのがメリットです。そのため、自社の商品やサービスに興味関心のあるユーザーに直接広告を配信できます。
また、他のSNS広告と比べてもリツイートやコメント機能による拡散力があるため、高い費用対効果も期待できるでしょう。
Twitter広告の課金形式は以下の8つです。
- CPF:フォロワーを獲得するごとに課金
- CPC:広告がクリックされるごとに課金
- CPM:広告が1,000回表示されるごとに課金
- CPE:ツイートのエンゲージメントに応じて課金
- CPAC:アプリへのクリックごとに課金
- CPI:アプリ広告でアプリがインストールされるごとに課金
- OAB:各種アプリ内での行動によって課金
- CPV:動画広告が最後まで再生された、もしくは15秒以上再生されるごとに課金
SNS広告の成功事例
以下では、SNS広告での成功事例を3つ紹介します。どちらもInstagram広告を活用しており、ブランドの認知拡大と売上の向上に役立てているSNS広告の活用事例です。
成功事例①
株式会社ワンダーマークは雑貨や文具製品を取り扱う会社です。ワンダーマークは2020年に小物撮影用の背景紙の販売をきっかけにInstagram広告を使ってブランドの認知拡大とオンライン販売の売上向上を目指しました。
まずFacebookとマーケティングパートナーであるECサイトプラットフォームの「BASE」を利用してECサイトを構築します。ECサイトはFacebookと連携して、Instagram広告のショップ機能や、写真広告、動画広告なども組み合わせた結果、売上が前月比の5倍と高い効果を得られました。
日本在住の24〜55歳の女性をメインターゲットにして、過去30日間に購入履歴のある人にセグメントした広告を配信したことで、商品を的確な層にリーチできたのです。
成功事例②
「Dear,Klairs」は、ビーガン向け敏感肌用のスキンケア化粧品が人気の韓国の美容ブランドです。Dear,Klairs では20代後半のミレニアル世代をメインターゲットにしているため、Instagram広告はアクティブユーザー層において相性の良いツールでした。
Instagram広告では動画広告やショッピング広告を活用してキャンペーンを実施。A/Bテストを行い、効果の高いキャンペーン広告を見つけるため全て比較しました。その結果、最適なキャンペーン広告によりリーチした人数が41%増加し、広告の費用対効果も1.8倍まで向上したのです。
成功事例③
日本航空はラグビー日本代表を応援するキャンペーンを始めました。キャンペーンはコアファンだけでなく、ライト層も楽しめるように、Instagram広告のストーリーズ広告を展開。その結果、合計1,000万人以上に訴求できました。
日本航空のブランドメッセージである「挑戦」を、ラグビーとInstagram広告を通して伝えることで、ブランドを身近に感じてもらえた事例です。
SNS広告を運用する際の注意点
SNS広告を運用する際の注意点は、以下の2つです。
- 不適切な表現がないか確認する
- SNSの規約を確認する
広告配信が手軽にでき費用対効果が高いSNS広告ですが、運用方法を間違えると期待した効果が得られない可能性があるため注意しましょう。
2つの注意点をそれぞれ解説します。
不適切な表現がないか確認する
SNS広告で不適切な表現があると、非難を浴びて炎上してしまう可能性があります。炎上してしまうと、自社へのマイナスイメージとなってしまうため注意が必要です。
特に不謹慎な発言や生死に関わる内容などは炎上しやすいため、広告配信の際はダブルチェックを徹底するなどの対策を取り、少しでも炎上するリスクを軽減させておきましょう。
万が一炎上してしまった場合は、誠意を持った謝罪と再発防止に努めることをユーザーに発信するなどの対応が必要です。
SNSの規約を確認する
SNSの規約は細かく、各プラットフォームでも若干の違いがあります。どのような規約があるのかを事前に確認して、規約違反を起こさないようにしましょう。
またSNS広告では、テキストであれば文字数、画像や動画などの広告であれば配信画面の比率が広告形式ごとに決まっています。
たとえば、Facebook広告のニュースフィード広告であれば、メインテキストが125文字以内、アスペクト比が1:1または4:5などです。SNS広告の規約を把握しておかなければ、広告クリエイティブの効果を半減させてしまう可能性もあるため、事前に確認しておきましょう。
まとめ
SNS広告は各SNSプラットフォームを利用した広告配信手法です。顕在層向けのリスティング広告とは違い、潜在層向けの広告であり、認知拡大とブランディングを主な目的として活用されます。
SNS広告といっても、各SNSで広告の特徴やアクティブユーザー層が異なるため、自社の商品やサービスに適したユーザーがいるSNSを選ぶようにしましょう。
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