Cookie(クッキー)とは?仕組み・種類・目的・設定方法を解説
サイト閲覧を便利にするための仕組み、「クッキー」を知っていますか?ネットサーフィン中など、サイトを閲覧しているときに「Cookieの取得と同意をお願いします」という表示を見たことがある人は多いと思います。
クッキーは、サイト閲覧やSNSの利用時に毎回ユーザーIDやパスワードといった情報を入力なしでログインできるなど便利なものですが、使い方を知らないと思わぬ被害を受けてしまう可能性もあります。
ここでは、クッキーとはどのようなもので、何をすることができるのか?設定方法や安全対策などと併せて解説していきます。
- Cookie(クッキー)とは?
- Cookie(クッキー)の種類
- ファーストパーティ
- サードパーティ
- Cookie(クッキー)とキャッシュの違い
- Cookie(クッキー)の目的は?
- Cookie(クッキー)を使用するメリット
- 1.何度もログインする手間がかからない
- 2.カートの中身が保存されているのでスムーズに買い物ができる
- 3.企業側はマーケティング施策に役立てることができる
- Cookie(クッキー)を使用するデメリット
- 1.個人情報の流出・不正利用などのリスクがある
- 2.プライバシーの侵害が問題になっている
- 3.過剰なリターゲティング広告が不快に感じることも
- Cookie(クッキー)を有効・無効・削除する設定方法
- 1.Google ChromeでのCookie(クッキー)の設定方法
- 2.スマホでのCookie(クッキー)の設定方法
- Cookie(クッキー)を利用する際に押さえておきたい2つのポイント
- 共用のパソコンを使用した場合は必ずCookie(クッキー)を削除する
- 盗難時に備えてスマホにロックをかけておく
- まとめ
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Cookie(クッキー)とは?
Cookieとは、WEBサイトを閲覧したときに、訪問者が訪れたサイトや入力したデータ、利用環境などの情報が記録されたファイル(仕組み)を指します。
情報を記録することで、ユーザーは2度目にサイトを訪れた際に情報の再入力なしでログインできる、商品を購入する際に住所などの入力を省くことができるといった利点があります。
Cookieはユーザーのみだけでなく、サイト側やマーケター側においても重要なものです。ユーザーがサイトに訪れた情報や履歴を判別することで、ユーザーそれぞれに合わせた情報を提供することができ、またユーザーに合わせた広告を出すことも可能となってきます。
Cookie(クッキー)の種類
WEBサイトを利用しやすいものにするCookieには、「ファーストパーティ」と「サードパーティ」の2種類があります。
どちらも同じようにサイトを訪れた際に訪問者の情報を記録するものですが、それぞれの違いは「どこ」がCookieを発行するかです。
個人情報を扱うCookieにおいて、情報漏えいの観点から「どこ」がCookieを発行して利用しているのかは注意を向ける必要があります。
ファーストパーティ
ファーストパーティCookieとは、WEBサイトの訪問先ドメインから直接発行されるCookieです。
ファーストパーティのCookieは訪問したサイトが発行したものであるため、訪れたサイトのみでしか機能しません。
ファーストパーティは、精度高くユーザー行動の追跡を行える一方で、異なるデバイスやブラウザを利用すると別ユーザーと認識されてしまうマイナス面が特徴です。
また、サイト側がCookieを発行するために負荷がかかってしまうので、導入時に気をつけなければなりません。
サードパーティ
ファーストパーティCookieが訪れたサイトから直接発行されるCookieであるのに対して、サードパーティCookieは第三者のドメインから発行されるものです。
第三者の具体的な例として挙げられるのは、訪れたサイトに掲載されている広告代理店などで、ファーストパーティとは異なりユーザーの追跡を横断して行うことができます。
例えば「自動車関係のサイトを訪れた後、他サイトを閲覧しているときに自動車の広告が表示された」というような経験のある方も多いと思いますが、これはサードパーティCookieの機能によるものです。
サードパーティCookieは発行するのがサイト側ではないため、サイトに負荷がかからないという点が特徴です。サードパーティCookieは、第三者がユーザーの行動を横断的に追跡するという点と、サードパーティCookieを利用することで多くのデータを紐付けることができるという点で、プライバシーの観点から問題視されていました。
これらの理由から、多くのブラウザがサードパーティCookieのサポートを廃止する方向で動いています。
Cookie(クッキー)とキャッシュの違い
仕組み | 備考 | |
---|---|---|
Cookie | ・IDやパスワードなどの個人情報やサイトの閲覧情報を保存。 | ・削除するとログインする時に再入力する必要がある。 ・個人情報などが漏洩する危険性がある。 |
キャッシュ | ・サイトのHTMLや画像データを保存。 ・データはスマホやPC内に保存される。 |
・削除しても、再入力なしでログインできる。 ・キャッシュのデータが増えることで、メモリの空き容量がなくなり、動作不良の原因になる。 |
ユーザーが訪れたサイトに情報を記録するCookieと混同されやすいのが、キャッシュです。キャッシュは、ユーザーが訪れたサイトのデータを一時的に保存する機能です。
Cookieとの大きな違いは、キャッシュは保存するデータがHTMLや画像などであるという点です。キャッシュによってHTMLや画像を保存することで、再びサイトに訪れた時に画像などの大容量のデータを読み込む必要がなくなり、サイト表示の高速化が図れます。
Cookieがユーザーの個人情報を記録するのに対し、キャッシュは画像などサイトのデータを記録するというのが大きな違いです。
Cookie(クッキー)の目的は?
Cookieの目的は大きく2つあり、ユーザー側とサイト運営側によって異なります。
ユーザー側にとってCookieを利用する目的は、サイト閲覧の利便性を向上させることです。Cookieによってログイン情報が保存されていれば、何度も訪れるサイトで毎回IDとパスワードを入力する必要がなくなります。
サイト運営側にとっては、最適なコンテンツを発信することやユーザーに合った広告を提供することがCookieを使用する目的となります。サイト側がユーザーに適切な情報を提供できることは、ユーザー側にとっても利便性の向上につながるため、ユーザー側とサイト運営側の両者にとってメリットが多い仕組みといえます。
Cookie(クッキー)を使用するメリット
Cookieを使用する主なメリットは、「何度もログインする手間がかからない」「カートの中身が保存されているのでスムーズに買い物ができる」「企業側はマーケティング施策に役立てることができる」という3点が挙げられます。
Cookieを使用することによってどのようなメリットがあるのかを知っておくことで、個人情報漏洩などのデメリット対策の意識も高まっていきます。そのためにも、Cookieのメリットをしっかり理解しましょう。
1.何度もログインする手間がかからない
ユーザーが一番Cookieのメリットを実感するのが、ログイン時にIDやパスワードの入力が不要になることです。
何度も訪れるサイトや、TwitterやInstagramなどのSNSも、一度ログインしていればそのあとはアクセスしてすぐに利用することができます。
また、Cookieを使用することで、パスワードやID忘れにも対応することができます。加えて、Cookieに情報を保存することで訪れるサイトやSNSごとにIDやパスワードを変えることも簡単になり、セキュリティ的にも強化されます。
注意すべき点は、Cookieはブラウザごとに保存されるため、異なるブラウザでアクセスする場合は再入力が必要となることです。
2.カートの中身が保存されているのでスムーズに買い物ができる
Amazonや楽天市場といったECサイトで商品を購入する際、興味のある商品やオススメ商品を紹介された経験はありませんか?気に入った商品を見つけた場合、後日、購入履歴を確認して同じ商品を再購入したという方もいるでしょう。
カートに商品を入れたものの購入を迷って一旦サイトを離れたとしても、「やっぱり買おう」となったタイミングで再びサイトを訪問した際にカートに商品が入ったままなので探す手間が省けます。
これらもCookieに記録された情報の恩恵によるものです。ネットで商品を購入する機会が多くなった昨今、実際に商品を手にとることができないため、ユーザーはおすすめの商品情報を提供してもらうことで新しい発見があり購買意欲が高まるでしょう。
3.企業側はマーケティング施策に役立てることができる
Cookieによって、サイトに訪れたユーザーのさまざまな情報を記録できるのは、企業側にとっても大きなメリットとなります。
Cookieによって、ユーザーがどのようなページを見て、どのような行動を起こしたのか経緯がわかるため、この情報を元にサイト運営の改善を行えることはもちろん、今後の事業展開にも役立てることができます。
また、ユーザーの情報を元に、リターゲティング広告と呼ばれる自社商品とマッチ度が高いユーザーに対して広告配信ができる仕組みを利用できるといったメリットもあります。
Cookie(クッキー)を使用するデメリット
利便性向上に大きな役割を果たしているCookieですが、取り扱う情報がプライベートなものであるため、デメリットもあります。
「個人情報の流出や不正利用のリスク」「プライバシーの侵害」「過剰なリターゲティング広告」などのデメリットがあるということを理解し、個人情報の漏えい対策や利用の制限などの選択も考えていきましょう。
1.個人情報の流出・不正利用などのリスクがある
Cookieが保存している情報は、サイトに訪れた記録だけではなく、紐付けられた個人情報にも及びます。
PCやスマホ紛失によって他人にSNSを閲覧されたり、AmazonなどのECサイトで商品を購入されたりするなどのリスクもあり、IDやパスワードをさまざまなサービスで共有していると芋づる式に不正アクセスへつながる危険性が考えられます。
また、閲覧したサイトや広告配信業者などCookieを発行した事業者にも情報は保存されるため、不正利用や不正アクセスのリスクもあることは頭に入れておきましょう。
2.プライバシーの侵害が問題になっている
閲覧履歴などの情報によってユーザーにメリットになるケースが多いCookieですが、第三者の使用方法によってはユーザーの意図しないものとなり、プライバシーの侵害にあたると指摘されています。
これまで、就職情報サイトを利用した学生のCookieをもとにデータ化し、その情報を採用検討企業に販売していたという問題もありました。知らないうちにサイトから自分の個人情報が抜き取られて利用されていたと考えると、怖いですよね。
欧州では、Cookieなどの個人情報を収集する事業者には、ユーザーにその意図を伝えて同意を得る必要があると義務づけられました。
今後、プライバシー保護の観点から、より一層厳しい対策が講じられていくとも言われています。
3.過剰なリターゲティング広告が不快に感じることも
Cookieのデータから特定の個人に最適な広告を配信するリターゲティング広告は、事業者側にとってはマーケティングの観点でいうと非常に有効な方法です。一方で、ユーザー側も自分の興味があるものに対しての情報が得られるため、メリットがあります。
しかしながら、人によっては特定の広告ばかりが配信されることで鬱陶しく思ったり、不快に感じたりするユーザーもいます。
リターゲティング広告は事業者側にとっては有効な方法であったとしても、ユーザー側がどのような感情を持つのかしっかり理解して適切に使用すべきです。
Cookie(クッキー)を有効・無効・削除する設定方法
Cookieは適切に利用することでWEBサイトやSNSの閲覧の利便性を高める一方で、Cookieによる個人情報漏洩やプライバシーの侵害という問題もあるため、Cookieを全て受け入れる必要はありません。
受動的にCookieを使うのではなく、個人で判断してCookieを利用していくためにも、Cookieの有効化や無効化、削除の方法を理解しておきましょう。
1.Google ChromeでのCookie(クッキー)の設定方法
現在、最も利用されているブラウザであるGoogle Chromeを例に、Cookieの設定方法を解説します。
Chromeが開いている状態で、右上のその他アイコン ⋮ > [設定]をクリックします。
[プライバシーとセキュリティ]の中の[Cookieと他のサイトデータ]をクリックします。
「Cookieをすべて受け入れる」「すべてのCookieをブロックする」「シークレットモードでサードパーティのCookieをブロックする」「サードパーティのCookieをブロックする」のいずれかのオプションを選択し、Cookieの許可またはブロックを行います。
Cookieを削除する場合、[すべてのCookieとサイトデータを表示]をクリックし、全てのサイトのCookieを削除する場合は[すべて削除]を選択します。
特定のサイトのCookieを削除する場合は、ウェブサイトの名前を検索し、右にある削除ボタンをクリックします。
2.スマホでのCookie(クッキー)の設定方法
スマホでのCookieの設定方法は、機種によって選択肢の名前など仕様が若干異なるかもしれませんが、それほど難しいものではありませんのでゆっくりと操作・選択して下さい。
Android版のChromeを立ち上げ、右上の「その他アイコン ⋮ > [設定]」をクリックします。
[サイトの設定] > [Cookie] に進み、オプションを選択します。
Cookieの削除は、[プライバシーとセキュリティ] > [閲覧履歴データの削除]に進み、[Cookieとサイトデータ]を選択して削除を実行します。
Cookie(クッキー)を利用する際に押さえておきたい2つのポイント
サイト閲覧の利便性を高めるCookieですが、情報漏えいなどの危険性があるのも事実です。
ここではCookieの危険性を減らし、メリットを享受するためにすぐにできる、Cookieの利用時に押さえるべき2つのポイントを紹介します。
非常に重要なポイントですので、しっかりとチェックしていきましょう。
共用のパソコンを使用した場合は必ずCookie(クッキー)を削除する
共用のパソコンを使用した際には、忘れずにCookieの削除を行いましょう。
ログアウトさえすれば安心だと思ってしまうかもしれませんが、CookieにはIDやパスワードの個人情報が残っています。
不特定多数のユーザーが使う共用パソコンでGoogleなどにログインし、Cookieの削除を忘れると、他の使用者から簡単にログインされてしまいます。悪質な場合、不正アクセス・不正利用される可能性もありますので注意しなければなりません。
共用パソコンで作業をする場合は、作業終了後にログアウトするのはもちろん、Cookieの削除も必ず忘れないようにしましょう。さらに情報漏えいを防ぐために、ブラウザのシークレットモードを利用するなども対策としては有効です。
盗難時に備えてスマホにロックをかけておく
Cookieの不正利用・不正アクセス対策として、スマホにロックをかけておくというのも非常に大切です。
他の人が触る機会が少ないスマホですから、Cookieに登録されているIDやパスワードの情報はもちろん、電話番号や住所、交友関係などの個人情報が多く記録されています。加えて、電子マネーなどの情報を登録していた場合には、財布や現金を落とした場合と同じ状態になってしまいます。
スマホの紛失や盗難時、これらの情報が抜き取られて悪用されてしまった場合、思わぬ大きな被害を受けてしまうかもしれません。
被害を最小限に抑えるため、スマホにロックをかけて情報漏えいの対策を行うようにしましょう。
まとめ
サイト閲覧をする上で、Cookieを利用することはユーザーにとっても、サイト運営側にとっても大きなメリットがあります。
しかしながらCookieは個人情報を扱うため、ユーザー側は情報漏えいの危険性があり対策を行わなければならないことを忘れてはいけません。
対するサイト運営側も、個人情報の取扱方法にはより一層注意し、ユーザーによってはプライバシーの侵害につながる不快感を持たれることもあると念頭に置かなければなりません。
Cookieを正しく使用・運用して、サイトを快適に利用しましょう。
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