Google AIモードの日本への導入は?SEOへの影響と新戦略も徹底解説
しかし、日本語ヘルプページが既に公開されていることから、日本での本格導入は目前と言えるでしょう。
このAIモードの登場は、検索のあり方に大きな変化をもたらすはずです。
私たちウェブサイト運営者は、本格導入によるトラフィック減少の可能性に備え、AIに「引用・推奨」されるための新しいSEO戦略(Generative Engine Optimization, GEO)の導入を検討しはじめる時期に差し掛かっていると考えています。
この記事では、AIモードという大きな変化に直面しても、WEB担当者のみなさんが迷わないよう、以下の3点をわかりやすく解説します。
AIモードの日本での最新提供状況と今後の見通し
ウェブサイトへのトラフィック影響に関するデータと、SEOの新たな評価基準
明日から実践できる、AIに選ばれるための具体的なコンテンツ戦略
Google AIモードは日本で使える?最新の提供状況 (2025年9月)
- 👉このパートをまとめると!
日本は対象国だが、現在は英語利用に限定。一部制限もあるが、日本語ヘルプページも存在し、本格導入は間近と見られる。
多くの人が最も知りたい結論からお伝えします。
2025年8月21日(現地時間)のGoogleの公式発表により、日本はAIモードのグローバル展開(180カ国以上)の対象国に含まれました。
その結果、日本国内からでもAIモードを利用すること自体は可能です。
ただし、以下の重要な注意点があります。
●英語での利用に限定
現時点では、日本語で質問してもAIモードは機能せず、英語での利用に限定されています。
たとえば「SEO」で検索すると、以下のように表示されます。

●一部アカウントでの利用制限
国内メディアの検証によれば、対象国であるにもかかわらず「お使いのアカウントでは利用できない」といったメッセージが表示されるケースも報告されており、実質的な利用にはまだ制限があるようです。
しかし、すでに日本語の公式ヘルプページは公開されています。
この事実は日本語への完全対応が技術的な最終調整段階にあることを強く示唆しており、本格導入は時間の問題と言えるでしょう。
そもそもGoogle AIモードとは?AI Overviewsとの違いを理解する
- 👉このパートをまとめると!
AIモードは、ユーザーが能動的に選ぶ対話型の専用検索モード。従来の検索や自動表示されるAI Overviewsとは目的と機能が根本的に異なる。
日本での状況を理解した上で、次に「AIモード」について正確に把握しましょう。
AIモードを理解する上で最も重要なのは、それが従来の検索体験や、しばしば混同されがちな「AI Overviews」とは全く別の目的を持つ機能であるという点です。
従来の検索や「AI Overviews」との決定的な違い
AIモードは「複雑な調査やタスク実行のための「対話型AIパートナー」です。
一方で、AI Overviews(旧称: SGE)は、従来の検索結果の上部に自動で表示されるAI生成の要約であり、迅速な答えの提示を目的としています。
つまり、ユーザーが能動的に「AIと対話する」ことを選ぶのがAIモード、Googleが自動的に「答えの要約を見せる」のがAI Overviewsです。この違いを理解することが、すべての基本となります。
▼Google AI検索の3つのモード:機能と目的の比較
| 比較 | 従来検索 (Classic Search) | AI Overviews (AIによる概要) | AIモード (AI Mode) |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 情報源(ウェブサイト)へのナビゲーション | 迅速な答えの要約提示 | 複雑な問いに対する調査・探求・タスク実行 |
| ユーザー体験 | 10本の青いリンクのリスト形式 | 検索結果上部に自動で表示される要約 | ユーザーが能動的に選択する専用の対話型モード |
| 技術基盤 | PageRank, Ranking Systems | Gemini, Ranking Systems | Custom Gemini, Query Fan-out, Agentic tech |
| リンクの役割 | 主要なナビゲーション要素 | 要約の根拠としての引用 | 探求を深めるための深掘りリンク、タスク実行の終着点 |
| Search Consoleの計測 | 「ウェブ」検索タイプとして計測 | 「ウェブ」検索タイプに合算(Overview全体で単一ポジション扱い) | 「ウェブ」検索タイプに合算(分離しての分析は不可) |
SGEからAIモードへ:Googleが目指す検索体験の進化
AIモードは、決して突発的に登場したものではありません。これは、Googleが周到に計画してきた、検索を「情報の入り口」から「タスク実行と意思決定のパートナー」へと進化させるためのロードマップの一部といえます。
その変遷は2023年の実験機能「SGE」に始まり、一般ユーザーをAI要約に慣れさせる「AI Overviews」を経て、最終的に能動的な対話モードである「AIモード」の導入へと至ります。
この流れは、Googleが検索体験を大きく進化させようとしている意志の表れと言えるでしょう。
以下に、AI検索機能がどのように展開してきたのか、表でわかりやすく整理しました。
▼Google AI検索機能の展開タイムライン(2023年~2025年)
| 日付(JST) | トピック |
|---|---|
| 2023-05-11 | Google I/Oにて「Search Generative Experience (SGE)」がSearch Labsの実験機能として米国で発表される。 |
| 2024-05-15 | Google I/Oにて、SGEが「AI Overviews」として正式にブランド変更され、米国で一般ユーザー向けに展開が開始される。 |
| 2025-03-06 | 複雑な質問への対応を強化するため、パワーユーザー向けに独立した検索モード「AIモード」がLabsで実験的に導入される。 |
| 2025-05-21 | Google I/OにてAIモードの本格展開が発表。将来的に搭載されるDeep Search、Search Live、Agenticモード、Personal contextなどの高度な機能が紹介される。 |
| 2025-08-22 | AIモードが英語で日本を含む180以上の国と地域に拡大。米国ではAgentic機能(レストラン予約)、Personalization、リンク共有機能の実装が開始される。 |
あなたのビジネスにどう影響する?トラフィックとSEOへの衝撃
- 👉このパートをまとめると!
AIによる回答生成でサイトへのトラフィックは量的に減少する一方、質は向上する可能性。SEOはキーワードから「意味」の評価へ移行。
この変化があなたのビジネス、特にウェブサイトのトラフィックとSEOにどのような影響を与えるのか、漠然とした不安を抱えている方も多いでしょう。
ここでは、具体的なデータと専門的な見地から、私たちが向き合うべき課題を解説します。
「トラフィック半減」は本当か?データで見るウェブサイトへの影響
「AI検索はサイトへのトラフィックを奪う」という懸念に対し、複数の第三者機関がトラフィック減少を示すデータを報告しています。
▼各社調査によるAI検索のトラフィックへの影響
| 調査機関 | 発表時期 | 主要な調査結果 |
|---|---|---|
| Pew Research Center | 2025年7月 | ・AI要約表示時、リンククリック率が15%→8%に半減。 ・ゼロクリックセッションの割合が16%→26%に増加。 |
| Amsive | 2025年4月 | ・AI Overviews表示により、クリック率は平均で15.49%減少する。 |
| Digital Content Next (DCN) | 2025年5月~6月データ | ・大手メディアサイトの参照トラフィックが前年比1%~25%減少。 |
これらのデータは、簡単な情報収集であれば、ユーザーが検索結果ページ上で自己完結してしまい、ウェブサイトへ遷移する必要がなくなる可能性を示唆しています。
一方で、これらの外部調査データとは裏腹に、弊社のSEO情報ブログ「WEB集客ラボ」のトラフィックは、現時点で目立った減少を見せていません。
むしろ、AI Overviewsでの表示により、流入は微増とはいえ2.2%と増えています。
このことは、AI検索による影響が全てのウェブサイトで一様ではなく、専門性の高い情報やBtoB領域といったジャンルによっては、影響の度合いに大きな差が見られる可能性を示唆しています。
SEOのルールが変わる:AIが評価するコンテンツの3つの新基準
トラフィック減少が課題となる一方で、SEOの基準自体も大きく変わっています。大切なのは、その変化の中に新しいチャンスがあることです。
これからのAI検索時代で評価されるコンテンツの基準は、大きく3つに集約されると考えられます。
- 1.網羅性から「専門性」へ: これまで評価されてきた、広く浅い情報をまとめただけのコンテンツは、AI自身が最も得意とする領域です。これからは、AIには生成できない、独自の調査や経験に基づく「専門性」が問われます。
- 2.ページ単位から「パッセージ単位」へ: AIは、ページ全体を評価するだけでなく、ユーザーの特定の質問に直接答える「パッセージ(一節)」を抜き出して引用します。つまり、コンテンツ内の個々の情報ブロックが持つ価値が、直接評価の対象となるのです。
- 3.キーワードから「エンティティ」へ: Googleは単なるキーワードの一致を見ているわけではありません。その単語が指し示す概念と、その関係性を理解しています。自社のブランドや製品が、信頼できるエンティティとしてGoogleに認識されているかがこれまで以上に重要となります。
AIに選ばれるための次世代SEO戦略「GEO」入門
- 👉このパートをまとめると!
特別な対策は不要だが、AIの特性を理解した上で、パッセージ最適化やE-E-A-Tの再定義といった従来施策の先鋭化が有効。
ここでまず押さえるべき最も重要な点は、Googleの公式見解です。
Googleは、AIによる検索機能のために「特別な最適化を行う必要はない」と明確に述べています。
従来通りのSEOベストプラクティス、すなわちユーザーを第一に考えた、有用で信頼性の高いコンテンツを作成することが、引き続き全ての基本となります。
しかしながら、AIが情報を処理し回答を生成する仕組みを深く理解することで、自社コンテンツが「引用・推奨」される確率を最大化することは可能だと考えています。
これからの時代に求められるのは、このAIの特性を踏まえて従来のベストプラクティスをさらに磨き上げた、次世代のSEO戦略「Generative Engine Optimization (GEO)」です。
これは全く新しい技術対策ではなく、AIという「新しい読者」にいかに情報を分かりやすく、かつ信頼できる形で届けるかという、コンテンツ戦略の進化形だと考えています。
ここでは、明日から実践できる3つの具体的なステップをご紹介します。
ステップ1:パッセージレベル最適化 – AIに「引用」されるコンテンツを書く
AIは、ユーザーの特定の質問に対し、ページ全体から最も的確な答えとなる「パッセージ(一節)」を探し出して回答を生成します。この特性を踏まえAIに「この一節こそが完璧な答えだ」と認識させることが、パッセージレベル最適化のゴールです。
これは決して難しいことではありません。 以下の3点を意識するだけで、皆さんのコンテンツがAIフレンドリーになります。
- 見出しで「問い」を立て、直後で「結論」を述べる: H2やH3の見出しを具体的な質問形式(例:「〇〇の費用は?」)にし、その直後の最初の段落で、その答えを簡潔に記述します。
- 情報を構造化する: 手順は番号付きリスト、要素は箇条書き、スペック比較はテーブル(表)形式で整理するなど、情報を機械が理解しやすい形に構造化することが極めて重要です。
- 構造化データを活用する: HowToスキーマやFAQPageスキーマといった構造化データを適切に実装することで、ページの内容をAIに正確に伝えることができます。
ステップ2:E-E-A-Tの再定義 – AIに「専門性」を客観的に証明する
Googleが重視するE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の概念は、AI時代において、その重要性をさらに増します。
なぜなら、AIは誤情報(ハルシネーション)を避けるため、その情報の信頼性を担保する客観的なシグナルを強く求めるからです。
AIは人間のように行間を読むことはできません。 したがって、客観的な事実に基づいて専門性を証明することが求められます。
- 著者情報を明確にする: 誰がこの記事を書いたのか、その人物がどのような専門家なのかを明確に示し、詳細なプロフィールページへリンクします。
- 監修者情報を明記する: 特に専門性が高いトピックでは、第三者の専門家による監修を受けていることを示すのが有効です。
- 一次情報源へリンクする: 記事内でデータや統計を引用する際は、その出所である公的機関や研究機関のウェブサイトへ必ずリンクし、主張の信頼性を担保します。
ステップ3:エンティティベース最適化 – Googleに「自社の強み」を正しく認識させる
AIは単語の文字列ではなく、それが指し示す「エンティティ(人、場所、物、概念)」とその関係性を理解しています。
エンティティベース最適化とは、自社のブランド・製品・サービスをGoogleのナレッジグラフに「信頼できる明確な概念」として登録させるための活動です。
AIが「〇〇でおすすめのサービスは?」と尋ねられた際に、自社を候補として挙げてもらうための、いわばAIへの自己紹介と言えるでしょう。
- Googleビジネスプロフィールを整備する: 所在地、サービス内容、営業時間といった基本情報を正確かつ最新の状態に保ちます。
- 構造化データでマークアップする: 製品やサービス、企業情報などを構造化データを用いてマークアップし、それが何であるかを機械に明確に伝えます。
- 権威あるサイトからの言及を獲得する: 業界団体や信頼性の高いディレクトリ、権威あるメディアに、自社が正確な情報で掲載されるよう働きかけます。
より詳細な実践手順を知りたい方向けに、GEOに対応した「SEOチェックリスト」を無料で配布しています。ご興味のある方はこちらからダウンロードしてください。
AIモードに関するよくある質問
ここでは、AIモードに関してよく聞かれる質問に回答します。
Q1.AIモードの利用に料金はかかりますか?
2025年8月現在、AIモードの基本的な利用は無料です。ただし、将来的にはレストランの予約代行など、より高度な「エージェント機能」の一部が、Google AI Ultraといった有料プランの加入者向けに提供される可能性があります。
Q2.AIモードが表示されないのですが、なぜですか?
いくつかの理由が考えられます。まず、お住まいの国や地域が提供対象外である可能性があります。また、特定の種類のGoogleアカウント(例:Workspaceアカウントの一部)では利用が制限されている場合があります。最新の提供状況はGoogleの公式発表をご確認ください。
Q3. SGE(Search Generative Experience)とは何が違うのですか?
SGEは、現在「AI Overviews」と呼ばれている機能の、実験段階での名称です。AI Overviewsが検索結果に自動で表示される「要約」であるのに対し、AIモードはユーザーが能動的に選択する「対話モード」であるという点で、両者は明確に異なります。
Q4. AIに自社サイトのコンテンツを使われないようにブロックできますか?
はい、可能です。Google Search Centralの公式ドキュメントによれば、nosnippetといったメタタグを使用することで、AIによるコンテンツの引用を制御できます。ただし、これはAI検索結果での表示機会を失うことと引き換えになるため、慎重な判断が求められます。
来るべき「AI検索時代」に向けて、今から準備しておくべき3つのこと
- 👉このパートをまとめると!
焦る必要はないが、本格導入に備えデータ監視、既存・新規コンテンツの見直しといった準備を今のうちに進めておくと安心。
ここまで解説してきた通り、Google AIモードはまだ日本で本格導入されているわけではありません。したがって、基本的には今すぐ焦って何かを変える必要はありません。
しかし、このタイムラグは私たちウェブサイト運営者にとって「来たるべき日に向けた、貴重な準備期間」と捉えることもできます。余裕のある今のうちに来るべき変化に備えて、賢明な準備を始めておけると良いと思います。
では、具体的に何をすべきか。
ここでは今から着手しておきたい3つの準備について提案します。
- 1. データの定点観測を始める
まず、自社の「現在地」を正確に把握することから始めましょう。AIモードが本格導入される前の、主要ページのパフォーマンスを記録しておくのです。これが、導入後の影響を正確に測定するための極めて重要な基準値(ベースライン)となります。Google Search Consoleを開き、主要ページのクリック数や表示回数の推移を週次または月次で記録する習慣をつけてください。
- 2. 既存コンテンツの専門性(E-E-A-T)を見直す
自社の最も重要な資産である既存コンテンツを改めて整理しましょう。特にアクセスの多いページや、ビジネスに直結するページをリストアップし、この記事で解説した「E-E-A-Tの再定義」の観点から、AIやユーザーに対して客観的な専門性・信頼性を示せているかを確認してください。
AIには模倣できない、独自の経験や深い知見が盛り込まれているか。その価値を今のうちに高めておくことが、将来の競争優位性に繋がります。
- 3. 新規コンテンツの作成プロセスを更新する
これからのコンテンツ制作の「型」をアップデートしましょう。次に作成する記事からで構いませんので、「パッセージレベル最適化」を意識し、見出しで問いを立て、リストや表で情報を整理するプロセスをチームの標準とすることを目指しましょう。
これは、将来的にAIから「引用・推奨」されやすい、質の高いコンテンツを効率的に生み出し続けるための効果的な投資になると考えられます。
この記事が、これから訪れる変化に対応するためのヒントとなり、次の一歩を踏み出す支えになれば幸いです。
- 【無料のおすすめ資料】2024年版・絶対押さえるべきWEBマーケティング用語169選
-

AI時代のWEBマーケティングを制する!
基礎から最新トレンドまで、169の必須用語を完全網羅。
「生成AI」「LLM」など注目キーワードも満載!
今すぐ無料ダウンロードして、知識とスキルをアップデートしよう!



シェア




