ITP(Intelligent Tracking Prevention)対応について
ウェブ広告では、Cookieを活用して様々な情報を集めている事から、この制限に伴いリターゲティングやCV計測などに大きな影響が出ている状況です。
どのようなものであるか何となく分かっていても、具体的に説明をするのは難しいという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ITP対応について詳しく解説します。
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はじめに
スマートフォンやパソコンを使用していると「トラッキング」や「Cookie」というワードを見かける事があると思います。
ITPを理解する上で、「トラッキング」と「Cookie」は重要な要素となるため、まずは2つの用語について説明します。
トラッキングとは?
トラッキングとは、ユーザーの関心が高い広告を、効率よく配信するために、ユーザーの行動を継続的に追跡し、分析する事を指します。
具体的には、どのページ(検索エンジン、SNS、リスティング広告、ディスプレイ広告、メールなど)から流入してきた人が、どのようなページを見て、どのような形で成果に結びつくのか、もしくは成果に至らなかったのかというようなサイト内の動きを追跡し、分析を行います。
Cookieとは?
Cookieとは、ウェブサイトにアクセスしたユーザーの情報を一時的に保存する仕組みで、閲覧情報やログイン情報などを記録するものです。
FacebookやTwitterなどに、一定時間経過した後に再度ログインすると、IDやパスワードを入力しなくてもログイン済みになっていたり、ショッピングサイトで以前カートに入れた商品が残っていたりするのは、Cookieの働きによるものです。
Cookieにはいくつかの種類があります。
ユーザー自身が閲覧しているサイトのドメインから発行されているCookieをファーストパーティCookieと呼びます。
一方で、ユーザーが閲覧しているウェブサイト以外のドメインから発行されるCookieをサードパーティCookieと呼びます。
サードパーティCookieは、複数のサイトを横断して閲覧した履歴を追跡していくために使われおり、その情報はさまざまなデータと紐付けられています。
例えば、あるウェブサイトを閲覧した場合、閲覧したドメインからファーストパーティCookieが発行されます。
その際、サイト上に広告が設置されていて、仮にユーザーがその広告をクリックした場合には、広告の配信元のサーバーからサードパーティCookieが発行されます。
ウェブ広告では、Cookieを活用して、リターゲティングやCV計測が行われており、非常に重要な役割を果たしています。
ITPについて
「トラッキング」と「Cookie」を理解したところで、本題のITPについて触れていきます。
ITP(Intelligent Tracking Prevention)とは、Apple社のWebブラウザである「Safari」に搭載されたトラッキング防止機能で、機械学習を用いてCookieを判別し、ユーザーが望まないトラッキングを防止するものです。
具体的には、決められた一定期間を過ぎた後、サードパーティCookieを削除することで、クロスサイトトラッキング(複数の異なるサイトを経由し、ユーザーが移動する動きを追跡・分析すること)を抑制する働きがあります。
ITP対応に伴い、サードパーティCookieを活用しているウェブ広告では様々な影響が出ると考えられます。
例えば、トラッキングコードをサイトに設置して、訪問したユーザーに、再度広告配信を行うリターゲティング広告においては、サードパーティCookieが抑制される事で、限られた時間しかリターゲティングが出来なくなります。
また、ユーザーがCVに至る過程として、最初の訪問ではCVに至らなかったものの、次の訪問でCVとなるケースもある事から、ある一定期間の経過後にサードパーティCookieが削除された場合、CVの計測がなされず、結果としてCV数は減少する事になります。
まとめ
ITPの背景には、Cookieを活用したユーザーデータの蓄積を防止する事で、個人情報のトラッキングを防ぎ、プライバシーを保護する目的があります。
そのため、引き続きITPのアップデートは継続される見込みであり、今以上にリターゲティング制限やCVの欠損が出る事が考えられます。
またGoogleは、2022年1月までにchromeのサードパーティCookieのサポートを段階的に廃止すると発表しています。Apple社だけではなく、その他のブラウザでも今後サードパーティCookie制限の動きはさらに強まる事が想定されます。
各広告媒体のアップデートを随時確認しながら、CV計測においては外部計測ツールを取り入れるなど、正確な効果計測を行っていく工夫が必要となるでしょう。
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