ペルソナの具体的な作成方法・コツをわかりやすく解説
これからは、コンテンツを作成する際にはユーザーをリアルに想像して、ペルソナという仮想の人物像を作り、そのペルソナに向けてコンテンツを作ることが大切です。
本記事ではペルソナの作成方法や手順、そしてSEOに活かす方法について解説していきます。
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ペルソナとは?
ターゲット:概要や属性 | ペルソナ:仮想の人物像 |
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ペルソナとはラテン語のpersonaという単語が語源で、「仮面」や「人格」という意味があります。
しかし、マーケティング分野やSEO分野においてのペルソナは、商品やサービスを提供するユーザーの「イメージ像」を指します。
そう聞くと「ターゲット」と同じように感じるかもしれませんが、「ターゲット」はユーザーを属性や概要で定義したものに対して、「ペルソナ」はそのユーザーの人格や生活スタイルを設定して、1人の人間であるかのように仮想の人物像を作りあげます。
簡単に言い換えると、「ターゲット」をより細かく設定したものが、「ペルソナ」になります。
ペルソナを作成することで、ユーザーに寄り添った商品やサービスを、ユーザーに最も響く方法で提供することができます。
ペルソナを作成する目的
SEOにおけるペルソナを作成するメリットは、以下の3つです。
- 商品・サービスの訴求力を向上させられる
- 思わぬニーズや切り口が見つかることもある
- チームでサイトを運営する際にユーザーの認識を統一出来る
SEOにおいてペルソナを作成する目的は、なんといっても商品やサービスの訴求力を向上させられることです。
例えばあなたが女性向けのエステを紹介するWebサイトを運営していたとします。
ターゲットレベルのユーザー像では【女性/30代/会社員】であっても、この属性の女性はごまんといます。
そこで、ペルソナを作ってターゲットを深堀りしてみましょう。
①31歳のA子さん:そろそろ結婚したいけど彼氏がいないから焦っている。
②36歳のB子さん:子どもが大きくなってきたので会社員に復職。家事と仕事の両立で多忙。
③38歳のC子さん:女性の少ないシステムエンジニアの業界でバリバリ働いていてプライベートも充実。
このように、色々な人物像が想定できます。そして、同じエステを訴求する場合もペルソナによって魅力に感じる内容(ニーズ)が異なるため、訴求の切り口が異なってきます。
①のA子さんへの訴求「理想のお肌やスタイルを手に入れて素敵な男性と出会いましょう!」
②のB子さんへの訴求「たまには家族に秘密で癒やしの時間はいかがですか?」
③のC子さんへの訴求「頑張っている自分にご褒美を!」
今回はペルソナを軽めに設定していますが、①〜③の女性像を更に細かく設定して年収や性格、住んでいる場所や世帯情報、趣味なども加味すると、もっとニーズに寄り添った訴求が可能となります。
ユーザーのニーズに寄り添うと「このユーザーはこんな悩みを持っているかもしれない」「この切り口が意外と響くかもしれない」という新しい発見につながることがあります。
その発見により、キーワードツールを使っても出てこないようなキーワードが見つかることもあります。
そうなるとニーズに合わせて他のサービスを追加で提案することも可能ですし、ユーザーから見ても「この記事は私のような人に向けて書いてある!」と強い共感を獲得して、購入や申込みに進みやすくなります。
また、チームでWebサイトを運営している場合は、ペルソナを共有することでユーザー像を統一することができます。
ユーザー像が統一できているとプロジェクトを進める途中で意見のすれ違いが起きにくいので、時間短縮にもつながります。
ペルソナを作成するうえでの3つのコツ
ペルソナはコンテンツ作りに欠かせないものですが、ただ作成するだけでは意味がありません。
誤ったやり方でのペルソナ作成は、逆に訴求力を低下させてしまいますし、現実に存在しないような人物像を設定してしまっては元も子もありません。
ここでは、ペルソナを作成する際のコツや注意事項を項目ごとにご紹介します。
ペルソナをイメージや先入観で作成しない
ペルソナ設定に慣れていない方は、ペルソナ設定時にどうしても先入観や主観が入りやすいです。
しかし、先入観でペルソナを作成すると本来のユーザー像からかけ離れてしまい、誰にも響かない訴求となってしまいます。
また、訴求するサービス・商品からイメージしてしまうと、「この商品を使うのはこんな人だろう」という思い込みが生まれ、偏った訴求になってしまいます。
偏った訴求ではニーズが合致しないユーザーを獲得できず、運良くニーズが合致しても共感が浅い場合は心に響かないので、購買につながりにくいというデメリットがあります。
偏った訴求の例:エステに通ってスリムな身体を手に入れましょう!という訴求の場合
ニーズが一致しない | 例:疲れた身体を癒したいからエステに行きたい
例:お肌が乾燥しているのでエステでお手入れをしたい →このようなユーザーは獲得が難しい |
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ニーズは一致しても、理由が一致しない | 例:2週間後の合コンに向けて、エステで身体を引き締めたい
例:結婚式で着るドレスが似合うように腕やデコルテラインをすっきりさせたい →このようなユーザーには抽象的な訴求が響きにくい |
あまり詳しくない分野に関するWebページを作成する場合は、周りで実際に使っている人から話を聞いたり、SNSや口コミサイトでどのような人が使っているのかを調べたりして、見解を広げることをおすすめします。
エステを例にすると、通っている人が周りにいたら「どんな目的で通っているの?」「どうしてこのお店に決めたの?」「通ってよかったことはどんなこと?」などを質問することで、自分一人では思いつかないようなニーズやきっかけを知ることができるかもしれません。
具体的でわかりやすいペルソナを設定する
ペルソナを設定するときに大切なのが、実在しそうな人物をリアルに想像して作成することです。
コツとしては、友人や同僚にペルソナと一致する人がいたら、コンテンツを作成するときにその人をイメージしながら進めることで、軸のぶれないコンテンツを作ることができます。
もしも周りにペルソナに近い人物がいない場合やイメージが難しいテーマの場合は、クラウドソーシングサービス(クラウドワークスやランサーズなど)を活用してアンケートを集めることで、ペルソナを具体化するようにしましょう。
逆に抽象的であいまいなペルソナ作成をしてしまうと、コンテンツ作成時に軸と呼べるものが無く、中途半端なコンテンツができ上がってしまうので危険です。
また、自分の理想のユーザー像でペルソナ設定をしないように気をつけましょう。
訴求するものが決まっていると、どうしても自分に都合の良い人物像を設定しやすくなります。結果的に「そんな人いないよ…」というような、現実離れしたペルソナが完成してしまうことも。
あくまで客観的に、リアリティのある人物像を設定することが大切です。
定期的にペルソナを見直す
ペルソナは「一度作成したら終わり」ではありません。
消費者のニーズや動向は常に変化します。
例えば20代女性向けの化粧品が、韓流ブームにより30代女性にも受け入れられるようになることもあります。
もちろん、年代だけではありません。
今まで休みの日はカフェや映画館に出かけていた消費者が、コロナの影響により家で快適に過ごすためのグッズの消費者に変わることも多々あります。
以前設定したペルソナは不自然ではないか、今の社会や市場に合っているかなどを定期的に見直すようにしましょう。
ペルソナ作成のための具体的な3つの手順
それでは、実際にペルソナを設定する流れを順番にご紹介します。
この手順に沿って作成すればペルソナの設定が自然とできるように説明しますので、慣れるまでは順番にクリアにしていくようにしましょう。
①ターゲットとなる人物のデータ収集
まずは訴求したいサービス・商品のターゲットを調査します。
この段階ではペルソナではなくターゲットなので、そのサービス・商品の消費傾向のデータを集めてベースにします。
元々存在していたサービス・商品であれば、販売元やASPに既存ユーザーのデータを求めましょう。
- 性別
- 年齢
- 居住地(分かれば)
- 職業(分かれば)
上記のような項目について、最も多いユーザー層を絞ります。
例:女性/30代/東京都/会社員
ターゲットが決まったら、ペルソナ作成に必要な、より深い情報をリサーチします。
- ニーズ(申し込み・購入の動機)
- どうやって商品・サービスを知ったか(検索キーワードなど)
- サービスの決め手や商品の魅力
メインユーザーにおけるこれらの情報が手に入ると、ペルソナ作成がかなりスムーズで正確にできます。
データ収集の方法としては、以下のようなものがあります。
- 販売元やASPに聞く
- ターゲット層の知人に聞く
- ユーザーにアンケートを取る(クラウドソーシングサービスを利用)
- SNSや口コミサイトのユーザーの意見を探す
色々なリサーチ方法があるので、できる限りの方法を試してデータを集めましょう。
また、すでに訴求用のWebページを公開済みで、記事のリライトをしている段階であれば、既存記事のGoogleアナリティクスからそのWebページを訪れている人の解析も可能です。
②ペルソナ作成に必要な項目やストーリーの設定
ペルソナ作成に必要な項目は以下の通りです。
- 氏名
- 年齢
- 性別
- 居住地
- 学歴
- 職業
- 給料や毎月自由に使える金額
- 趣味/価値観
- ライフスタイル
- 家族構成
- 交際関係・交友関係
- 性格
- 消費傾向
- 悩み
①で集めた情報から、どんなターゲットが、どのようなニーズときっかけでサービス・商品を購入したかがわかったと思います。
集めた情報の中でも重複するものや共通点を抽出して、ペルソナの骨組みを考えていきます。
そして、その骨組みに肉付けをして、上記リスト(ペルソナ作成に必要な項目)を埋めていきます。
リストが埋まると人物像が明確になるので、その人物像をイメージしながらペルソナがサービス・商品を購入するまでのストーリーを描きましょう。
ストーリー例:エステの場合
都内在住の女性、山田花子(31歳)。大学卒業後に入社した会社も勤続8年を超え、後輩も増えてきた。
学生の頃は30までには結婚するんだろうとぼんやりとイメージしていたけど、結婚どころか彼氏もいない。
29歳のときに女友達の結婚ラッシュがあり、それが終わったと思ったら最近一番の親友から婚約したとの報告があった。
焦ってばかりなのに、なかなか出会いも無い。マッチングアプリを勧めてもらったので登録しようと思うけど、自分の容姿やスタイルに自信が持てないので何か変えなきゃと感じてはいる。20代の頃のような肌のハリやツヤがなくなっているので、まずはエステでも行って自分を磨いたら先に進めそう・・・でもエステって高いのかな、クロージングとか断れるのかな?と不安に思っている。
③作成したペルソナを確認する
ペルソナが完成したら、その設定に不自然なところはないか、違和感がないかを一度チェックしましょう。
ペルソナを一人で設定したのであれば、チェックは第三者にお願いしたほうが安心です。
自分で作成した場合、思い込みによる作成があったとしてもなかなか気付けないからです。
ちゃんとしたデータを取り込んでいても、思い込みで作り込んだペルソナでは偏ったコンテンツになってしまいます。
できれば販売元やASPに確認してもらったほうが良いですが、難しい場合は知人や家族に相談して、おかしい部分がないか確認してもらうようにしましょう。
ペルソナ作成を効果的にSEOへ活かす2つの方法
ペルソナが完成したら、そのペルソナをイメージしながらコンテンツを作成していきます。
コンテンツ作成時、SEOに効果的なペルソナの活用方法をご紹介します。
ペルソナのニーズ・悩みから必要なキーワードを抽出する
作成したペルソナのライフスタイルや消費傾向から、どんな悩みやニーズがあるのか見えてきます。
ペルソナの悩みやニーズがわかったら、その人はどのようなキーワードを入力して検索するのかをイメージします。
例えば、肌(顔)のハリやツヤが気になっているという人はどうやってエステサロンを探すのかを考えて、具体的なキーワードを抽出します。
- エステ 肌 種類
- エステ 肌 ハリ ケア
- フェイシャルエステ おすすめ
- エステ 人気 吉祥寺
- フェイシャルエステ ランキング
更に性格が慎重派なのか、勢いで動くタイプなのかでも、検索キーワードは変わってきます。
手順の②で作成したストーリーで、ペルソナは「エステって高いのかな、クロージングとか断れるのかな?と不安に思っている」という設定になっています。
このタイプの人は「適当でいいや」とお店を決めるよりも、慎重にお店のことを調べるタイプでしょう。
その場合
- 吉祥寺 エステ 料金(or 価格)
- 吉祥寺 エステ 安い(or お得)
- 吉祥寺 フェイシャルエステ 料金プラン
- 吉祥寺 フェイシャルエステ 初回割引
というような金額に関することを事前に調査するかもしれません。
または、ネガティブな情報を先に調べる可能性もあります。
- エステ 2回目 断り方
- エステ クーリングオフ
- フェイシャルエステ 短期集中
- フェイシャルエステ ダウンタイム 期間
このように、ペルソナを明確にイメージして「この人ならこういうことを気にして検索しそう」「この人はこのキーワードで色々調べそう」と検討しながらキーワードをどんどん抽出していきます。
この細かなキーワードは、不特定多数を対象にしたキーワードツールでは拾えないものばかりです。
これこそがSEOにおいてペルソナ作成をする一番のメリットなので、しっかりとキーワードを引き出しましょう。
抽出したキーワードをもとにニーズを満たすコンテンツを作成する
続いて、①で抽出したキーワードをコンテンツに反映していきます。
抽出したキーワードをキーワードプランナーにかけて、各キーワードの検索ボリュームを確認します。
そして、そのボリュームを元にキーワードの優先順位を決めて、優先順位の高いものから順にコンテンツを作成していきましょう。
ペルソナは、ペルソナ作成やストーリー作成までで終わりではなく、コンテンツを作成するときにも常に意識します。
「どんな情報を入れたらペルソナのニーズは満たされるかな?」「この切り口だとペルソナに響きそうだな」などと常に意識して、コンテンツの作成を進めて下さい。
どう書くかに悩んだり、どう訴求するべきか迷ったりしたときは、自分なりの答えを出すのではなく、ペルソナをイメージして答えを導くようにしましょう。
その結果、あなたが作成するコンテンツはユーザー(ペルソナ)ファーストの良質な記事になるのです。
まとめ
今回は、SEOにおけるペルソナの作成方法や、コンテンツ作成時にペルソナを効果的に活かす方法についてご紹介しました。
どんな商品・サービスが、どんな人にどうやって響いて購入につながるのかは、千差万別です。
それでも、ペルソナを設定してその人に寄り添うように心がけると、「売れる」コンテンツが作成できるようになります。
ペルソナは一朝一夕で作れるものではありませんが、日頃から考える癖をつけておくとスムーズにできるようになるでしょう。
例えば自分が行く美容室を選んだり、インターネットで何か商品を購入したりするときに、「なぜこのお店にしたのか」「どんなキーワードでWebサイトに辿り着いたのか」「何が決め手でこの商品にしたのか」などを意識するだけで、かなり変わってきます。
より良いコンテンツをユーザーに届けられるように、コンテンツ作成時には必ずペルソナ設定をしておくことが大切です。
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