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キーワードマップとは?作り方とSEOに効果的な活用方法を解説

キーワードマップとは?作り方とSEOに効果的な活用方法を解説
WebサイトのSEOに取り組んでいるけれど、「なんとなくキーワードを選んでいる」「どんなコンテンツを作ればいいか分からない」「サイト構造がバラバラになっている気がする」――そんなお悩みはありませんか? これらの課題を解決し、検索エンジンからもユーザーからも評価されるサイトを作るために不可欠なのが「キーワードマップ」です。

キーワードマップとは、ターゲットユーザーの検索意図を深く理解し、関連キーワードを体系的に整理し、それらをサイト内の最適なページに紐づけた「Webサイトの設計図」とも呼べるものです。

本記事では、SEOのプロフェッショナルが実践するキーワードマップの重要性から、無料・有料ツールを使った具体的な作成手順、そして作成したマップを新規コンテンツ企画、既存ページ改善、サイト構造最適化、内部リンク戦略にどう活用していくかまで、徹底的に解説します。この記事を読めば、あなたのサイトに最適なキーワードマップを作成し、戦略的にSEO効果を最大化するための道筋が見えてくるはずです。

キーワードマップとは?

コンテンツ作りを進めるうえで、キーワードを整理できていないと、どの記事を内部リンクでつなぐのか混乱してしまう可能性もあります。そして、関連記事同士を上手くつなげずサイト構成が複雑になってしまうことで、Googleからの評価も低くなってしまいます。

また、検索意図ごとにキーワードをまとめておかないと、内容が重複した記事を作成してしまう恐れもあるでしょう。

これらの問題を解決するのが、キーワードマップです。

キーワードマップとは、SEO戦略の基盤として、ターゲットとするキーワード群を体系的に整理し、それらをWebサイト内の最適なページ(URL)に紐づけた一覧や図のことです。これは単にキーワードを並べたものではなく、「どのキーワードで、サイトのどのページへユーザーを誘導し、どのような情報を提供すべきか」を明確にするための「コンテンツとサイト構造の設計図」として機能します。このマップを作成し、新規コンテンツの企画立案、既存ページの改善、サイト全体の構造設計や内部リンク戦略の策定などに活用することで、ユーザーと検索エンジンの双方にとって価値の高いサイト構築を目指します。

キーワードマップを作成して視覚的にわかりやすくキーワードを整理しておけば、どの記事を内部リンクでつなげば良いかなど、サイト構成を考えるのにも役立ちます。加えて、検索意図ごとに関連キーワードをまとめておけば、作成する記事が重複するのを防止できます。

キーワードマップを可視化・作成する

キーワードマップを作成するには、キーワードを調査し、検索意図や関連性でグルーピングして、次にそれらを「マップ」として形にする作業に進みます。キーワードを可視化することで、キーワード間の関係性やサイト全体の構造がより明確になり、戦略を立てやすくなります。可視化の方法はいくつかありますが、特に視覚的な整理やアイデア発想に役立つのがマインドマップツールを使った方法です。

マインドマップを使ったキーワードマップ作成手順

  • 中心ノードの設定: マインドマップの中心に、サイト全体のテーマや最も重要なビッグキーワードを設定します。(例: 「デジタルマーケティング」)
  • 主要な枝(メインブランチ)の追加: 中心ノードから枝を伸ばし、サイトの主要なカテゴリやトピッククラスターとなるキーワードを追加します。(例: 「SEO」「SNS広告」「コンテンツマーケティング」)これらが、サイトのピラーページや主要なカテゴリーページに対応するイメージです。
  • さらに枝分かれ(サブブランチ): 各メインブランチからさらに枝を伸ばし、関連するミドルキーワード、スモールキーワード、ロングテールキーワード、そしてそれぞれの検索意図を紐付けていきます。(例: 「SEO」の枝から「キーワード選定 方法」「内部リンク 最適化」「SEOツール 比較」など)
  • ノードに情報を追記: 各キーワードノードに、調査した検索ボリューム、競合性、想定される検索意図(知りたい、買いたいなど)、そしてどの既存または新規のページURLでこのキーワードを狙うかといった情報をメモや注記として追記します。
  • 関連性の線を引く: 必要に応じて、異なるブランチ間でも関連性の高いキーワードやページ候補があれば、矢印や線で繋がりを示します。
  • 全体を見ながら整理・調整: マップ全体を俯瞰し、キーワードの漏れがないか、グルーピングは適切か、サイト構造として不自然な点はないかなどを確認しながら、ノードの配置や階層を調整します。

キーワードマップ作成に役立つマインドマップツール例

  • XMind
  • Cacoo (作図ツールですがマインドマップ作成にも利用可)
  • MindMeister
  • FreeMind (無料)

キーワードマップの活用方法

キーワードの調査、分類、そしてマップとしての可視化が完了したら、いよいよそのマップを日々のSEO施策やコンテンツマーケティングに活かしていく段階です。作成したキーワードマップは、単なる一覧表ではなく、サイト全体のSEOパフォーマンスを向上させるための強力な「羅針盤」となります。

具体的に、作成したキーワードマップをどのように活用できるのか、主な方法を見ていきましょう。

新規コンテンツの企画・作成

キーワードマップは、次にどのようなコンテンツを作るべきかを決定する上で最も基本的な指針となります。マップ上で特定のキーワードグループや検索意図に紐づけられた、まだサイトに存在しないページ候補は、そのまま新規コンテンツの企画テーマとなります。

  • ターゲットとするキーワードグループに対して、ユーザーの検索意図(知りたい、買いたい、調べたいなど)を完全に満たすコンテンツの構成案を作成します。
  • 関連性の高いキーワードを同じページに含めることで、そのページが狙うトピックにおける網羅性を高めます。
  • マップ上の階層構造は、記事の構成(見出しの順序など)やサイト内でのそのページの適切な位置づけを考えるヒントになります。

既存コンテンツの改善・最適化

作成したキーワードマップは、既存のページが担当すべきキーワードを明確にします。これにより、現在のページが狙ったキーワードで十分に評価されているか、検索意図に応えられているかを確認し、必要に応じて改善・最適化を行うことができます。

  • 特定のキーワードで流入が少ない、または順位が低いページについて、そのページにマップで紐づけられているキーワードが適切に含まれているか、検索意図に沿った内容になっているかを確認し、加筆・修正を行います。
  • 関連性の高いロングテールキーワードを既存ページに追加することで、より多くの流入経路を確保できる可能性があります。
  • 情報が古くなっているページは、マップ上のキーワードや検索意図の変化に合わせて内容をアップデートします。

サイト構造・ナビゲーションの設計や改善

キーワードマップの階層構造やグルーピングは、サイト全体の構造設計やナビゲーション(カテゴリー、メニューなど)を検討する上で役立ちます。論理的に関連性の高いキーワード群が、サイト上の分かりやすい場所にまとまっているかを確認し、必要に応じてサイト構造自体を見直します。

  • マップ上の主要なトピッククラスターが、サイトの主要なカテゴリーとして設定されているかを確認します。
  • ユーザーが関連情報にたどり着きやすいように、ナビゲーションやパンくずリストがマップ構造と整合性が取れているかを確認します。
  • URL構造をキーワードマップの階層に合わせて設計することで、ユーザーにも検索エンジンにも理解しやすいサイトになります。

効果的な内部リンク戦略の策定

キーワードマップは、サイト内のどのページとどのページが関連性が高いかを明確に示しています。この関連性に基づいて内部リンクを設置することで、ユーザーの回遊性を高めると同時に、検索エンジンにサイト構造と重要なページを伝えることができます。

  • マップ上で同じトピッククラスターに属するページや、関連性の高い異なるトピックのページ間を積極的に内部リンクで繋ぎます。
  • 特に、中心となるピラーページから、関連する詳細記事(クラスターコンテンツ)へリンクを張り、詳細記事からピラーページへリンクを戻すといった構造(トピッククラスターモデル)をマップ上で確認・設計します。
  • アンカーテキストには、リンク先のページが関連するキーワードを含めるように意識します。

コンテンツの不足(ギャップ)発見

キーワードマップを俯瞰することで、調査した重要なキーワードグループや検索意図に対して、まだ対応するコンテンツ(ページ)が存在しない「コンテンツギャップ」を発見することができます。

  • マップ上で、ビジネスにとって重要度が高いにも関わらず、どの既存ページにもマッピングされていないキーワードクラスターがないかを確認します。
  • 競合サイトのコンテンツと比較し、自社サイトでカバーできていないトピックや検索意図がないか、マップ上で抜け漏れがないかチェックします。
  • 発見したギャップは、優先的に新規コンテンツとして企画・作成すべき候補となります。

コンテンツ制作・最適化の優先順位付け

調査したキーワードの検索ボリューム、競合性、そしてビジネスへの貢献度(コンバージョンに繋がりやすいかなど)といった情報をマップに追記しておけば、どのキーワードグループやページにリソースを投入すべきか、優先順位を決定する際の判断材料となります。

  • 検索ボリュームは大きいが競合がそれほど強くないキーワードグループや、コンバージョンに直結しやすい検索意図を持つキーワードグループなど、マップ上の情報を見て効果的な施策から着手します。
  • 限られたリソースを、最大限のSEO効果が得られる場所に集中投下するために、マップを活用して意思決定を行います。

チーム間の共通認識・コミュニケーション促進

作成したキーワードマップをチーム全体で共有することで、マーケティング担当者、コンテンツライター、Webデザイナー、エンジニアなど、サイト制作・運用に関わる全ての関係者が、共通の目標キーワードとサイト構造、コンテンツ計画を理解することができます。これにより、認識のズレを防ぎ、プロジェクトを円滑に進めることができます。

SEOに効果的なキーワードマップの使い方

近年では大手企業もSEO対策に注力しているため、中小企業のサイトや個人サイトではビッグキーワードで上位表示を狙うのが難しくなってきました。

そのため、ビッグキーワードの記事だけで勝負するのではなく、関連性の高いキーワードを網羅したサイトを作ることが重要です。関連性の高いキーワードを網羅したサイトを作れば、Googleからサイトが評価され、サイトの記事が上位表示されやすくなります。

また、ユーザー目線で考えると、今後は長文の記事がSEOで不利になることも考えられます。1つのキーワードで1記事書くのではなく、関連性の高い記事を複数作って必要な内容を網羅するのも有効です。

関連性の高いキーワードを網羅したサイトを作るには、キーワードマップを活用して、自分のサイトにどのキーワードが必要なのか整理しておく必要があります。

また、近年ではビッグキーワードだけでなく、収益性の高いキーワードでも上位表示を狙うのが難しくなってきています。そのため、競合の少ないロングテールキーワードで上位表示させ、ロングテールキーワードの記事から収益記事(商品ページや申し込みページ)へのアクセス流入を図るのも有効な戦略です。

そのためには、キーワードマップで関連キーワードを整理し、どのキーワードからアクセスを集めるのか戦略を考えるのも重要です。

ビッグキーワードについては、下記の記事で詳しく紹介しています。
ビッグキーワードとは?スモールキーワード・ミドルキーワードとの違い、上位表示の施策について
GMO TECHにSEOを相談する

キーワードマップを作成できるツールを紹介

キーワードマップは、エクセルやマインドマップ作成ツールを使用して、手作業で作成することが可能です。しかし、膨大な数のキーワードを扱うので、手作業では膨大な時間を要します。

キーワードマップ作成の作業時間を短縮するためには、キーワードマップを自動で作成できるツールの活用がおすすめです。ここからはキーワードマップを作成できる人気のツールを紹介していきます。
キーワードマップを作成できるツールには、主に以下の3つがあります。

  • OMUSUBI
  • Answer The Public
  • キーワードファインダー(KEYWORD FINDER)

無料で使用できるものもありますが、有料プランに切り替えることで、さらに効率的にキーワードマップを作成できるツールもあります。

それぞれの特徴を詳しく解説していきます。

OMUSUBI【無料】

OMUSUBIは、無料で使用できる関連キーワード検索ツールです。

特定のキーワードを検索窓に入力するだけで、関連キーワードが表示されます。

表示はマインドマップの形式なので、視覚的に分かりやすくて見やすいです。また、操作もシンプルで簡単なので、初心者の方にもおすすめです。

その他の特徴としては、Googleだけでなく、YouTubeやAmazonで検索されているキーワードの関連キーワードも検索できる点が挙げられます。違った角度からユーザーのニーズを把握できるので、競合が少なく収益性の高いキーワードの抽出につながります。

ちなみに、OMUSUBIにはグレードアップのプランはなく、完全無料で使用できます。

Answer The Public(1日1回無料)


Answer The Publicは、ユーザーが検索エンジンに入力する疑問文・前置詞句・比較などの検索意図を、マインドマップ形式で可視化してくれる無料ツールです。

特定のキーワードに対する「ユーザーの疑問・ニーズ・関心」を探るのに非常に役立ちます。
SEOやコンテンツマーケティング、ブログのネタ探しなどに活用されます。

Answer The Publicは、特定のキーワードと一緒に検索されている「疑問」「前置詞」「比較」「アルファベット順」「関連」などのキーワードを、視覚的に分かりやすい形で提示してくれるユニークなツールです。ユーザーがどのような疑問や関心を持って検索しているのかを知ることに特化しています。

特に「疑問形(例: ~とは?、~する方法?、なぜ?)」や「前置詞(例: ~と、~なしで、~向け)」を含むキーワードを網羅的に取得できるため、ユーザーの具体的な悩みや知りたいことを深く理解するのに非常に役立ちます。これは、マップ上で各キーワードに紐づける「検索意図」を判断する上で強力なヒントとなります。

Googleキーワードプランナーやラッコキーワードと組み合わせて活用することで、キーワードの「量」だけでなく、ユーザーの「意図」という質的な側面からも深く掘り下げたキーワード調査が可能になり、よりユーザーニーズに合致したキーワードマップを作成することができます。

無料版でも1日に1回の検索が可能で、基本的な機能を利用できます。

キーワードファインダー(KEYWORD FINDER)(無料デモあり)

キーワードファインダー(KEYWORD FINDER)は、株式会社ディーボが提供するSEOキーワード調査・分析ツールです。キーワードの検索ボリューム、競合性、関連キーワード、検索順位などを詳細に分析できる機能を持ち、効率的なキーワード戦略立案を支援します。ツール内にキーワードマップを作成できる機能が搭載されており、対象となるキーワードのサジェストからマップ化できます。無料で使えるデモバージョンがあります。
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まとめ

本記事では、SEO戦略の羅針盤となる「キーワードマップ」について、その重要性から、具体的な作成手順、無料・有料ツールの活用法、そして新規コンテンツ企画やサイト改善といった実践的な活用方法までを詳しく解説しました。

キーワードマップは、単なるキーワードのリストではなく、ユーザーの検索意図とサイトのコンテンツ・構造を結びつけ、戦略的なSEO施策を可能にするための強力なツールです。マップを作成することで、闇雲なコンテンツ制作から脱却し、ユーザーと検索エンジンの双方にとって価値の高いサイトを効率的に構築・運用することができます。

たしかに、キーワード調査やマップ作成には時間と労力がかかるかもしれません。しかし、一度しっかりとキーワードマップを作り上げ、継続的に活用・更新していくことで、サイト全体のSEO効果は飛躍的に向上し、ビジネスの成長へと繋がるはずです。

さあ、この記事で得た知識を活かして、あなたのサイトのキーワードマップ作成にぜひ挑戦してみてください。まずは簡単なマップからでも構いません。一歩踏み出すことが、成功への第一歩となります。

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プロフィール
大澤 健人(おおさわ けんと)
GMO TECH株式会社 大澤 健人(おおさわ けんと) 大澤 健人(おおさわ けんと)のウェブサイト 大澤 健人(おおさわ けんと)のFacebook
2012年より一貫して検索エンジン領域のコンサルティング業務に従事。 2017年にGMO TECH社に参画。営業組織の構築、新商材開発、マーケティング部門立ち上げをおこなう。 現在、MEOコンサルティング、SEOコンサルティング、運用型広告などSEM領域全体を統括し、 お客様の期待を超える価値提供を行うため日々、組織運営・グロースに奔走している。
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