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AIDMAとは?期待される効果や活用方法、成功事例、AISASとの違いも紹介

AIDMAとは?期待される効果や活用方法、成功事例、AISASとの違いも紹介

消費者が商品を認知し、購買に至るまでの行動を分析・モデル化した購買行動モデル。その最も代表的で、行動購買モデルの始まりともいえるモデルがAIDMAです。1920年代に提唱された歴史の「古い」行動モデルであるため、一部では「もう通用しない」と考えられていますが、それは間違いです。

AIDMAはすべての購買行動モデルのベースとなっていると言っても過言ではないため、最新の行動モデルを学ぶ前にまずは基礎となるAIDMAを把握しておくと良いでしょう。今回は購買行動モデルの始祖であるAIDMAについて徹底解説していきます。

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AIDMAとは

AIDMAとは?

AIDMAとは1920年代にアメリカの販売・広告分野の実務書の著者、サミュエル・ローランド・ホールが自著のなかで提唱した購買行動のフレームワークです。読み方は「アイドマ」で、AIDMAの法則とも呼ばれることがあります。AIDMAの由来は、上記のような標準的なカスタマージャーニーにおける各行動の頭文字から来ています。

AIDMAを活用して購買プロセスを分解し、消費者がどのフェーズにいるのかを見極めれば、消費者と適切なタイミングで適切なコミュニケーションを取れるようになります。それでは次項から、AIDMAの各段階での行動を具体的に解説していきます。

Attention(注意)

Attention(注意)では、消費者はまだ商品・サービスを知らない状態です。認知や注意を引くために、企業はCMやインターネット広告などを用いて消費者にアプローチしていきます。

これらを通して消費者は商品・サービスの存在に気付けます。

Interest(関心)

Interest(関心)は、Attentionで認知した商品・サービスに興味・関心を持ち始める段階です。

ただし、すべての消費者が商品・サービスに興味を持つわけではありません。当然ですが、消費者の趣味嗜好等によって、好き嫌いが分かれるので、興味を持ってもらえないこともあります。

Desire (欲求)

Desire (欲求)では Interestで興味・関心を持ってくれた消費者が「欲しい・使ってみたい」と思う段階です。

商品・サービスの特徴を知り、購入したらメリットがありそうだと感じた場合に、手に入れたい欲求が生まれます。反対に商品をよく知った結果、欲しくないと思う消費者も出てきます。

Memory(記憶)

欲しいという欲求が生まれても、消費者はすぐに行動に移すわけではありません。期間が空いた結果、商品の存在を忘れる可能性もあります。

そこでキャンペーンや広告などで再度接触して、消費者に商品の存在を思い出してもらう段階がMemoryです。

Action(購買)

Action(購買)にたどり着いても、「緊急性がない」「後悔したくない」「購入方法が分からない」といった理由で消費者はまだ足踏みすることもあります。

そのまま離脱することも考えられるので、期間限定で値引きを行ったり、数量限定にしたりして、消費者に購入の動機付けを行ってあげます。

AIDMAとAISASの違い

AIDMAとAISASの違い

AISAS(アイサス)は2004年に電通が提唱したマーケティング理論の1つで、AIDMAをベースにインターネット時代に即したモデルに作り替えた新しい購買行動モデルです。インターネットやSNSの普及により消費者の消費行動にも変化が見られました。それを象徴するのがAISASの2つの「S」です。

AIDMAでは、「Interest(興味・関心)」ののちに「Desire(欲求)」が見られますが、AISASではどういった商品なのか、評判はどうなのかインターネットで調べます(Search)。また、AIDMAはAction(購買)でその購買行動を終えますが、AISASではその後に「Share(共有)」を行います。すべての消費者が行うとは限りませんが、写真映えするような商品では特にSNSで共有されます。

この特性を上手く活用できれば、企業はほとんど広告費をかけずに集客することも夢ではありません。

AIDMAとAISAS、AISCEASの違い

AISASと似たような言葉でAISCEAS(アイシーズ・アイセアス)があります。AISCESは2005年にアンヴィコミュニケーションズが提唱した購買行動モデルで、AISASをより細分化したモデルになります。

AISASのプロセスをベースにcomparison(比較)とExamination(検討)が追加されており、AISASよりも消費者の慎重さを表す購買モデルになっています。AISCEASの行動の具体例は下記のとおりです。

  • Attention(注意・認知): ニュースや広告・SNS等のメディアを通じて、商品・サービスについて知る
  • Interest(興味・関心):役に立つかもしれない等、商品・サービスに興味を持つ
  • Search(検索):使用感や値段、口コミなどを検索エンジンやSNSで調べて購入するかどうかを検討する
  • Comparison(比較):同類商品の比較を行う
  • Examination(検討):どれにするか、または購入するか否かの検討を行う
  • Action(購買):自分にとって価値があると判断した場合に購入・申込をする
  • Share(共有):期待以上の価値があったと感じた場合、SNSなどでシェア・拡散する

AIDMAを活用して期待される効果

AIDMAをはじめとする購買行動モデルで消費者の心理プロセスを分析すれば、適切なタイミングで適切なアプローチを取れるようになります。それにより戦略的な販売活動ができるようになるでしょう。インターネット・SNS全盛時代においてはAISASやAISCEASの方が購買行動モデルとして適していると言えますが、これらをはじめ、昨今提唱されている購買行動モデルの起源はAIDMAであることがほとんどです。

そのため、AISASなどの購買行動モデルを活用する際は、ベースであるAIDMAの理解が必要不可欠です。また、AISASなどに見られる「Share」は日用品にはあまり適していません。1920年に提唱されているモデルなので「古い」のは間違いありませんが、商品・サービスの特性によってはAIDMAでも十分通用すると言えるでしょう。

AIDMAの活用方法

AIDMAは以下の2つにおいて有効活用できます。

  • ペルソナの設定
  • マーケティング施策

AIDMAを活用してカスタマージャーニーを展開していくと、消費者の特性が見えてきます。その特性や特徴をペルソナ設定に活かすことができます。また、当然ですがマーケティング施策の一貫として活用可能です。

ペルソナの設定

AIDMAを活用して、消費者のカスタマージャーニーを細かく分析していくことで、ペルソナの設定がしやすくなります。

ペルソナとは、ライフスタイルや考え方まで細かく設定した人物像のことです。ターゲットは同じ属性を持った不特定多数の人たちを表すのに対して、ペルソナは1人の人物をイメージします。

AIDMAで消費行動を細かく分析していくことで、なんとなくでも「こういう感じの人かな」という人物像が浮かびます。そこからさらに掘り下げていけば、1からペルソナを創出するよりも楽に設定ができるでしょう。

マーケティング施策

AIDMAで消費者の行動分析を行っていれば、いつどこでなにをすれば良いのか、適切なタイミングで適切な施策を実施しやすくなります。

消費者の行動プロセスと施策を打つタイミングが合致すれば、Actionまで楽に誘導できるようになります。ただし、商品の特性との相性もあるので、その点を見極めながら最適な購買行動モデルを活用しましょう。

AIDMAを活用した成功事例

2020年にマーケターの熱視線を集めたのが、コカ・コーラシステムから販売されているレモンサワーの『檸檬堂』です。趣向を凝らしたデザインパッケージや「レモン」だけに特化する戦略で、競合ひしめく缶チューハイ市場において一線を画す存在となっています。

フェーズ 具体策
Attention(注意) 果汁を表現してフレッシュさを押し出す缶チューハイが多いなか、檸檬堂は酒屋の暖簾を意識したパッケージで勝負。差別化を図り、お酒コーナーで目を引く存在で消費者に認知された。
Interest(関心) レモンだけで数種類のアルコール飲料を展開。強気の勝負に消費者の興味・関心を惹きつけることに成功。また、アルコール飲料のイメージがないコカ・コーラ社からの販売といった点も消費者の関心を集めるきっかけに。
Desire(欲求) 発売当初は九州限定で展開されていた檸檬堂。その評判が九州以外の人にも伝わり、「欲しい」を誘発。出張先で購入する、九州在住の人に送ってもらうといったことをする人も出てくるほどに。
Memory(記憶) 世間の声を受け、全国発売を決定。パッケージデザインの雰囲気を壊さないようにテレビCMも和テイストの居酒屋さんという設定に。
Action(行動) 檸檬堂とおつまみを無料提供する期間限定のお店を恵比寿にオープン。試飲機会を設け、消費行動を促した。また、一部の飲食店に先行提供も実施。全国発売に向けて期待値を上げた。

AIDMAに則り、消費行動を促したことで、前評判どおり全国発売後は大ヒット商品となっています。

まとめ

時代遅れで通用しない行動モデルと言われることもあるAIDMAですが、すべての購買行動モデルの始まりでもあるため、根本的な考え方を理解するためにもどういった特性があり、どういった活用をされているのかを知っておくのも良いでしょう。

また事例としてあげた檸檬堂のように商品との親和性が高ければ、現代でも充分に通用するモデルです。マーケティングにおける選択肢を増やすためにも、理解を深めておくと良いでしょう。

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