コホート分析とは?Googleアナリティクスでのやり方をわかりやすく解説
この記事では、「コホート分析のいろは」を初心者にもわかりやすいようにかみ砕いて解説していきます。
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コホート分析とは
コホート分析の方法を覚える前に、まずはその定義やWebマーケティングにおける役割、分析によってわかるユーザー維持率の重要性を理解する必要があるでしょう。
ここから具体例を挙げながら解説していきます。
コホート分析の意味・定義
まず、「コホート」の定義をご存知でしょうか。
コホートとは、「似たような時間帯(時期)に似たような経験をしている集団」のような意味だと理解しておいて下さい。その名前の表すとおり、「コホート分析」は対象者を条件や属性等のグループに分け、それぞれのグループの動向から傾向を探る分析方法です。
昨今では、インターネット上での商品の売買が盛んに行われています。こうしたECサイトでは、広告戦略や販売のための重要な指標の獲得を目的として、このコホート分析が重宝されています。
具体的な例としては、自社が過去に出したキャンペーンの効果を測るために用いることが可能です。
自社サイトの利用ユーザーを対象にして、ユーザーが利用したキャンペーンごとにグループ分けをすることで、各グループの月ごとの購入金額などの動向を追跡してキャンペーンの有効性を定量的に評価・計算することができます。
コホート分析の重要性
最近のビジネス形態として、サブスクリプションモデルが主流となりつつあります。こうしたビジネスモデルでは、ユーザー数の確保とともに、そのユーザーの維持率が非常に重要です。
なぜなら、ユーザーに継続して利用してもらえなければ求める利益が得られないからです。こうした場面で「コホート分析」を用いると、利用者の動向を正確に捉えることができるようになります。
例えば、「新規獲得した顧客のうち、〇%が入会後〇日以内に解約する」といった内容をデータから読み取ることができるので、それまでにユーザーが継続したくなるようなキャンペーンやお得に感じてもらえる情報を思案することができます。
また、売上目標の達成や計画を立てる場面のほか、これから解約する顧客を見込んだうえで新規顧客の必要数、そのために必要な広告費などを算出する際にも利用できます。
Googleアナリティクスでのコホート分析の方法
コホート分析の意味や重要性についてご理解いただけたら 、次は実際の作成方法を見ていきましょう。
その第一歩として、ここでは「Googleアナリティクス」を使った方法を解説していきます。
まずは、Googleアナリティクスの「ホーム画面」の左ウィンドウにある「ユーザー」タブ、「コホート分析」タブを順にクリックします。そして、「コホートの種類」、「コホートのサイズ」、「期間」、「指標」、「セグメント」を設定することで分析ができるようになります。
Googleアナリティクスの使い方|GA4の登録方法やレポートの見方も解説
コホートの種類を設定する
上の画像のGoogleアナリティクスはベータ版であり、ここでは「集客の日付」のみしか選択できません。
この「集客の日付」とは、集客を開始した日を意味します。
コホートのサイズ・期間を設定する
「コホートのサイズ」は、コホートの大きさの単位を表すものであり、選択肢としては「日別」、「週別」、「月別」の3種類があります。また、選択した「コホートサイズ」に応じて、「期間」を選択することができます。
コホートのサイズの種類ごとの期間の選択肢は、以下のとおりです。
コホートのサイズ | 期間 |
---|---|
日別 |
|
週別 |
|
月別 |
|
いずれの場合も、選択した「コホートのサイズ」によって選択できる「期間」が変わることに留意して下さい。
指標を設定する
コホート分析を行うにあたって、「1ユーザーあたりのページビュー数」や「ユーザーの維持率」を知りたいなど、それぞれの目的があると思います。「指標」では、その目的に応じた項目を選択します。
選択肢は下記のとおりです。選択できる指標は1つだけであることにも留意してください。
【ユーザー】
- ユーザーあたりのセッション
- ユーザーあたりのセッション継続時間
- ユーザーあたりのトランザクション
- ユーザーあたりのページビュー
- ユーザーあたりの収益
- ユーザーあたりの目標の完了数
【合計】
- セッション
- セッション時間
- トランザクション数
- ページビュー数
- ユーザー数
- 収益
- 目標の完了数
【定着率】
- ユーザーの維持率
セグメントを設定する
「セグメント」を追加することで、意図した分析を行うことが可能です。例えば、「対象とするユーザーの範囲を指定」する場面を考えてみましょう。
この場合は、まず「コホート分析」欄の「+新しいセグメントを追加」タブにチェックをいれます。
すると、上の画像のようにユーザーの条件の選択肢が「セグメント名」として上下に羅列されますので、そこから自分の意図する条件に合ったものを選択し、チェックをいれます。その後は、画面左下の「適用(青色表示)」をクリックして完了です。
Googleアナリティクスでのコホート分析の見方
次はコホート分析の見方を解説していきます。
一例として、下の画像のような「コホート分析」の表が作成できたとします。
例えば、色の濃いセルの「6.25%」に注目してください。12月22日のユーザー32人のうち「6.25%」(2人)が1日後(第1日)にもサイトを訪れていることがわかります。
また、「第3日」の列を見ると全て「0」になっているので、ユーザーがリピートするのであれば翌日や翌々日までであることもわかります。
このように、「キャンペーンの結果、対象の日から◯日経過後もユーザーがリピートしてくれるか?」「リピートするとしたら、そのリピート率(定着率)はどれくらいなのか」ということを知ることができます。
エクセルでのコホート分析の方法
先程まではGoogleアナリティクスを使った分析方法を見てきましたが、ここからはエクセルを使った方法について簡単に紹介します。
エクセルでコホート分析を行う場合は、「ピボットテーブル」を使います。例えば、「顧客のうち、何割が何日目で解約したのか」をコホート分析する場合を例に挙げてみます。
この場合、必要なデータは「ユーザーの登録日」「ユーザーの解約日」「ユーザーが登録中だった日数」などです。
それらの必要なデータを事前に集計し、ピボットテーブルを組み、1日単位のセグメントでデータを入力することで分析できます。
ただし、この場合はデータ数が多くなれば当然、データ集積やピボットテーブル構築に多くの時間を要してしまいます。
そのため、特に膨大なデータを処理する場合は、先に紹介したGoogleアナリティクスなどのツールを使った方法がおすすめです。
コホート分析の具体的な活用方法
コホート分析は、作成するだけでは意味がありません。実用の場面で、手段として活用することで初めて意味のあるものになります。
コホート分析をマーケティングに生かすための具体的な活用法は、以下の3つです。
- ユーザー維持率を保つ
- 売上予測を出す
- 複数のキャンペーンの効果を比較する
それぞれ詳しく見ていきます。
ユーザー維持率を保つ
コホート分析の結果、「このスマホアプリは初登録から1~2週間目に解約されることが多い」ということがわかったと仮定しましょう。
この場合、「1~2週間の間にアプリ内で使えるクーポンの発行やセール・特典の情報の発表」などを講じることで、ユーザーの定着率の維持を図れるかもしれません。
このように、ユーザーの維持率を保つためにコホート分析を活用できることがわかります。
売上予測を出す
「新規ユーザー1人がコンバージョンに至るまでに100人中99人が解約した」というコホート分析結果が出たと仮定しましょう。
売上目標を達成するために必要なコンバージョン数が1,000だった場合、「新規ユーザー100,000人を獲得」すればいいことが予想できます。
このように、売上予測にもコホート分析を活用できると言えるでしょう。
複数のキャンペーンの効果を比較する
複数のキャンペーン施策の有効性を比較するには、それらのキャンペーンを同時に行うのが得策です。
コホート分析の結果から「キャンペーン後に一定期間で解約した新規ユーザー数」を比較することで、ユーザー維持率が高いのはどれかといった判断を簡単にできるようになります。
このように、コホート分析はキャンペーンの効果分析にも活用できるのです。
まとめ
コホート分析について、有用性や実際の活用方法をご理解いただけたでしょうか。
一見難しそうに思えるかもしれませんが、設定する項目や見るべきポイントさえ外さなければ、誰でも簡単に必要なデータを導き出せるようになります。
この記事を参考にしながら、Webマーケティングのなかでコホート分析を積極的に活用していきましょう。
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