インバウンドMEO対策による集客方法とは？訪日外国人観光客を増やすためのポイント

訪日外客数

訪日外客数は、コロナ禍からの回復を示す重要な指標として注目されています。日本政府観光局（JNTO）のデータによると、訪日外客数の推移は以下のようになっています。

2024年5月の訪日外客数は3,040,100人となり、前年同月比で60.1%増加しました。さらに重要なのは、2019年同月比でも9.6%増加しており、パンデミック前の水準を上回っています。

特筆すべきは、5月として過去最高を記録した点です。2019年5月の2,773,091人を20万人以上上回り、3か月連続で300万人を突破しました。この数字は、インバウンド市場の力強い回復を示しています。

国・地域別に見ると、韓国、台湾、香港、シンガポール、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、豪州、米国、カナダ、メキシコ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、北欧地域、中東地域の19市場において、5月として過去最高を記録しました。特にインドは単月過去最高を更新し、急速な成長を見せています。

これらの数字は、日本の観光産業が着実に回復し、さらなる成長の可能性を秘めていることを示しています。しかし、この急速な回復に伴い、受け入れ体制の整備や持続可能な観光の推進など、新たな課題にも直面しています。

参考：日本政府観光局｜報道発表資料｜訪日外客数（2024 年 5 月推計値）

参考：日本政府観光局｜訪日外客統計

訪日外国人旅行消費額

訪日外国人旅行消費額も、観光客数の増加に伴い大幅な回復を見せています。観光庁による調査によると、訪日外国人旅行消費額の推移は、以下のようになっています。

※新型コロナウイルス感染症の影響のため、調査中止

2024年1-3月期の調査結果では、訪日外国人旅行消費額は1兆7,505億円と推計されています。これは、2023年同期比で73.3％増、さらに重要なことに、2019年同期比でも52.0%増となっています。

国籍・地域別に見ると、中国が3,526億円（構成比20.1%）と最も大きく、次いで台湾2,512億円（同14.4%）、韓国2,379億円（同13.6%）、米国1,716億円（同9.8%）、香港1,543億円（同8.8%）の順となっています。

特に注目すべきは、一人当たりの消費額の増加です。訪日外国人（一般客）1人当たり旅行支出は20万9千円と推計されており、これは質の高い観光体験を求める傾向が強まっていることを示しています。

費目別に見ると、宿泊費が32.1%と最も多く、次いで買物代（29.2%）、飲食費（21.7%）の順で多くなっています。2023年同期と比べると買物代の構成比が増加しており、消費行動の変化が見られます。

これらのデータは、インバウンド観光が日本経済に大きな貢献をしていることを示しています。同時に、高付加価値な観光サービスの提供や、地方への観光客誘致など、さらなる成長の余地があることも示唆しています。

参考：観光庁｜【訪日外国人消費動向調査】2024年1-3月期の調査結果（1次速報）の概要

参考：観光庁｜インバウンド消費動向調査（旧 訪日外国人消費動向調査）

宿泊施設や交通インフラが不足している

インバウンド観光の急増に伴い、特に人気の観光地では、宿泊施設や交通インフラの不足が顕著になっています。ピーク時には、有名観光地の宿泊施設がほぼ満室状態となり、予約が取りにくくなっているのです。

また、主要な観光ルートや観光地内の公共交通機関が過度に混雑し、観光客と地域住民の双方に不便を強いています。例えば、京都の桜・紅葉シーズンや東京のお正月期間中には、ホテルの予約が数ヶ月前から埋まってしまうことがあります。

さらに、観光バスの増加による交通渋滞や、地下鉄・バスの混雑も深刻化しています。これらの問題は、観光客の満足度を低下させるだけでなく、地域住民の日常生活にも影響を及ぼしています。長期的には、宿泊施設の拡充や公共交通機関の増強が必要ですが、短期的には予約システムの改善や観光客の分散化などの対策が求められているのです。

言語の壁がある

多言語対応の不足は、訪日外国人観光客にとって大きな障壁となっています。多くの観光地、飲食店、公共施設では、案内やメニューが日本語のみで表記されていることがあり、外国人観光客が必要な情報を得られないケースが発生しています。

例えば、駅の案内板や乗換情報が日本語のみの場合、外国人観光客が目的地にたどり着けない可能性があります。また、レストランでは、メニューの理解や注文の際のコミュニケーションに困難を感じる観光客もいるでしょう。緊急時や災害時には、重要な情報や指示が理解できないことで、適切な行動がとれない危険性もあります。さらに、言語の誤解から予約の混乱や料金のトラブルが発生することもあります。

これらの問題を解決するためには、多言語での案内表示の充実、翻訳アプリの活用、多言語対応可能なスタッフの育成など、総合的な取り組みが必要です。

都市部でオーバーツーリズムとなっている

訪日外国人旅行者の多くが東京、大阪、京都などの大都市に集中することで、いわゆるオーバーツーリズムの問題が顕在化しています。これらの都市では、有名観光地や文化施設での長時間の待ち行列、公共交通機関の過密、宿泊施設の不足と価格高騰などが日常的に発生しています。

例えば、京都の金閣寺や清水寺では、観光客の大群で身動きが取れないほどの混雑が見られることがあります。また、東京のような大都市では、観光客の増加により、地下鉄やバスが常に満員状態になり、地域住民の日常生活に支障をきたしています。さらに、観光客の急増に伴い、騒音、ゴミ問題、マナー違反なども地域住民の生活環境を脅かしています。

これらの問題に対処するためには、観光客の地方分散化、時期の分散、観光客数の管理、持続可能な観光の推進など、多角的なアプローチが必要です。

理由①Googleマップは世界中で利用されている

Googleマップは、世界220以上の国と地域でサービスを提供しており、グローバルな利用者数は10億人を超えています。特に、旅行者にとってGoogleマップは不可欠なツールとなっており、目的地の検索、ナビゲーション、周辺施設の探索など、さまざまな用途で利用されています。

例えば、訪日外国人観光客の多くは、日本滞在中にレストランや観光スポットを探す際にGoogleマップを利用するでしょう。また、公共交通機関の乗り換え案内や徒歩ルートの確認にも広く活用されています。

このような世界規模での普及により、Googleマップ上で自社ビジネスの情報を最適化することは、世界中の潜在的な訪日観光客にアプローチする効果的な方法となります。MEO対策を行うことで、訪日前の計画段階から現地での探索まで、観光客のさまざまな段階でビジネスの露出を増やすことが可能となります。

理由②多言語に対応できる

Googleマップの大きな強みの一つは、その優れた多言語対応能力です。Googleマップは現在、74以上の言語をサポートしており、ユーザーの設定言語に応じて自動的に情報を表示します。これにより、訪日外国人観光客は母国語で容易に情報を収集することができます。

例えば、中国語を設定している観光客がGoogleマップで東京のレストランを検索すると、店舗名や説明が中国語で表示されます。また、Googleマップには高度な機械翻訳機能が搭載されており、口コミや説明文などのテキスト情報も自動的に翻訳されます。

この多言語対応機能により、MEO対策を行った事業者は、様々な国からの観光客に向けて効果的に情報を発信することができます。言語の壁を取り除くことで、外国人観光客の情報アクセスを大幅に改善し、より多くの集客につなげることが可能となります。

理由③写真や口コミなど情報を発信できる

Googleマップでは、ビジネスオーナーや一般ユーザーが写真や口コミを投稿できる機能があり、これらは訪日外国人観光客に向けた強力な情報発信ツールとなります。高品質な写真は、言語を超えて施設やサービスの魅力を直接的に伝えることができるでしょう。

例えば、日本料理店が美しい料理の写真や店内の雰囲気が伝わる画像を掲載することで、言葉では伝えきれない日本食の魅力を視覚的に訴えかけることができます。また、外国語で書かれた口コミは、同じ言語を話す潜在的な訪問者に大きな影響を与えます。

さらに、Googleマップでは投稿機能を活用して、多言語でのメニュー情報や特別なイベントの告知なども可能。これらの情報発信機能を効果的に活用することで、訪日外国人観光客の興味を引き、来店や利用を促進することができるでしょう。また、実際の利用者からの口コミは、新たな訪日観光客の信頼獲得にもつながります。

Googleビジネスプロフィールを多言語で掲載する

Googleビジネスプロフィールを多言語で掲載することは、訪日外国人観光客向けのMEO対策の中でも最も重要なポイントの一つです。Googleは最大20言語で情報を掲載できるため、この機能を最大限に活用することが効果的です。

具体的には、英語、中国語（簡体字・繁体字）、韓国語を基本として、近年増加している東南アジア諸国の言語（タイ語、ベトナム語、インドネシア語など）にも対応することが望ましいです。例えば、レストランであれば店舗名、住所、営業時間、メニューの説明などを各言語で提供することで、より多くの外国人観光客にアピールできます。

また、Googleの自動翻訳機能でカバーされない情報（商品名、特殊なサービス名など）については、英語表記を併記しておくことが重要です。これにより、自動翻訳の精度が向上し、より正確な情報を提供することができます。多言語対応を充実させることで、言語の壁を越えて幅広い国籍の観光客にアプローチすることが可能となります。

適切なキーワードを設定する

MEO対策において適切なキーワードを設定することは、検索結果での表示順位を向上させる上で非常に重要です。訪日外国人観光客が使用しそうな検索キーワードを予測し、それらをビジネスプロフィールに効果的に組み込むことが求められます。

具体的には、業種や施設名、地域名、近隣の観光スポット名、提供する体験型サービス、対応言語などを考慮したキーワードを選定します。これらのキーワードを、ビジネス名、説明文、投稿内容などに自然な形で盛り込むことで、関連する検索クエリでの表示確率が高まります。

以下に、適切なキーワード例を示したので、参考にしてみてください。

これらのキーワードを適切に活用することで、訪日外国人観光客のニーズに合った検索結果に表示される可能性が高まり、効果的な集客につながるでしょう。

写真や動画を充実させる

Googleマップ上で写真や動画を充実させることは、訪日外国人観光客の興味を引き、来店や利用を促進する上で非常に効果的です。視覚的な情報は言語の壁を超えて直接的に魅力を伝えることができるため、MEO対策において重要な要素となります。具体的には、以下のような写真や動画を掲載することが重要です。

これらの視覚的コンテンツは定期的に更新し、季節ごとの魅力や新しいサービスを反映させることが大切です。高品質で魅力的な写真や動画を提供することで、訪日外国人観光客の関心を引き、実際の来訪につなげることができるでしょう。

決済情報を設定する

Googleビジネスプロフィール上で決済情報を適切に設定することは、訪日外国人観光客の利便性を高め、来店や利用を促進する要素です。特に、キャッシュレス決済の対応状況を明確に示すことが、近年のインバウンド対策において重要なポイントとなっています。具体的には、以下のような決済情報を設定することが効果的です。

これらの決済情報を明確に示すことで、訪日外国人観光客は事前に支払い方法を把握でき、安心して利用することができます。特に、Apple PayやGoogle Payなどのスマートフォン決済は世界中で広く利用されているため、これらに対応していることを強調するのは効果的です。

複数の地図プラットフォームへ登録する

Googleマップだけでなく、複数の地図プラットフォームやPlaceListに登録することは、訪日外国人観光客への露出を最大化するための重要なMEO対策です。各国や地域で人気の異なる地図サービスや旅行アプリに情報を掲載することで、より幅広い層の観光客にアプローチすることが可能となります。

以下のような主要なプラットフォームへの登録を検討することをおすすめします。

これらのプラットフォームに登録する際は、各サービスの特性に合わせて情報を最適化することが重要です。複数のプラットフォームに登録することで、様々な経路から訪日外国人観光客にリーチし、集客の機会を最大化することができます。

1.Googleビジネスプロフィールにログインする

まず、Googleビジネスプロフィールにログインします。ただし、ここで重要なのは、ビジネスプロフィールを管理していないGoogleアカウントでログインすることです。これは、管理者アカウントでログインすると、言語設定の編集ができない場合があるためです。

Googleアカウントにログインしたら、検索バーに自社のビジネス名とエリア名を入力して検索し、ビジネスの情報カードを表示させます。

2.Googleマップに切り替える

次に、Googleマップに切り替えます。これは、通常の検索結果画面では言語設定を行うことができないためです。情報カードの中にある「地図で見る」または「Googleマップで見る」というリンクをクリックします。これにより、Googleマップ上でビジネスの位置情報と詳細が表示されます。

3.対象言語を設定する

Googleマップに切り替わったら、画面左上にある三本線のメニューアイコン（ハンバーガーメニュー）をクリックします。メニューから「言語」を選択し、設定したい言語を選びます。

例えば、英語に設定する場合は「English」を選択します。この操作により、Googleマップの表示言語が変更され、ビジネス情報も選択した言語で表示されるようになります。

4.多言語設定の内容を確認する

言語設定後、ビジネス情報が正しく表示されているか確認します。もし日本語のままだったり、不適切な翻訳になっていたりする場合は、「変更を提案」または「Suggest an edit」をクリックし、正しい情報を入力します。

特に店舗名や住所など重要な情報は、正確に翻訳されているか注意深くチェックしましょう。必要に応じて他の言語でも同様の作業を行い、多言語対応を完了させます。