CVR(コンバージョン率)とは?重要性と4つの改善方法を解説!
今回はCVRの改善に頭を抱えているWeb担当者のために、CVRの意味や重要性を解説していくと同時に、具体的な改善方法を4つご紹介します。すぐに実践できる方法も紹介しているため、自社サイトの改善に役立つ情報がないか探してみてください。
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CVRとは
CVR(Conversion Rate)とは、サイトへの訪問者がコンバージョンに至った数をサイトセッション数で割った値です。CVRを定期的に計測して改善することで、サイトやページのコンバージョンに対するパフォーマンスを端的に知ることができます。
また、サイトとページのCVRは、対比させることで改善が必要なページの判断材料にもなります。例えば、サイト全体のCVRが3%だった場合、各ページのCVRが3%の平均値をクリアしているかどうかを概観するだけで、コンバージョンに対するパフォーマンスが低いページを知ることができるのです。
CVRは「コンバージョン率」ともよばれ、サイトの運用・改善において重要な指標となります。CVRを中心に、他の定量データとの関係からページ改善を図っていくことは「アクセス解析の基本」ともいえるでしょう。
CTRとの違い
CVRと似た用語に「CTR」があります。CTR(Click Through Rate)とは、広告や検索エンジンに表示された自社コンテンツが「何回クリックされたのか」を割合で示した値です。CTRを計測することで、どのコンテンツがターゲットユーザーの興味・関心に訴求できているのかを知ることができます。
CTRはページ単位の訴求度合いを測る値のため、ページCVRと合わせて改善有無を判断していきます。
例えば、サイト内の他コンテンツに比べてCTRが高く、CVRが著しく低い「A」というページがあった場合は、ページのコンテンツがターゲットユーザーのニーズにマッチしていない可能性が推測されます。もちろん、「A」というページがコンバージョンを目的としていない場合も想定されるため一概にはいえませんが、ページコンテンツの修正・リライトによってCVRが向上する可能性があります。
ちなみにCTRは以下の計算式で求めることができます。
CTRの計算式に使用するインプレッション数は「ページ・広告が視認された数」に当たるため、サイトに訪問した数(クリックしたこと)を意味する「セッション数」とは異なることを覚えておきましょう。
CVRはCV数÷サイトセッション数×100
サイトの運用・改善で重要指標となるCVRは、「コンバージョン数」を「サイトセッション数」で割り、100をかけることで算出できます。
ここで注意したいのは、サイトセッション数をインプレッション数やPV数と混同させないことです。セッションやインプレッション、PVを端的に説明すると、以下のようになります。
- セッション:ユーザーがサイト・ページに訪問した数。30分以内の出入りは1セッションでカウント
- インプレッション:広告やコンテンツが表示された回数。セッション発生とは関係がない
- PV:ページが見られた回数。特定ユーザーが再度ページを読み込んだ場合、1PVが追加される
CVRは実際にサイト・ページに流入したユーザーを対象として、何ユーザーがコンバージョンに至ったのかを計測していきます。したがって、CVRの改善は主に「サイト内の改善」に重きが置かれます。
なぜCVRが重要なのか?
CVRがサイト・ページの改善に重要な指標であることは理解できたと思いますが、具体的にどのような状況下でCVRの値をみて、善し悪しを判断すれば良いのかが分からない方も多いのではないでしょうか。
以下では、データの集計期間を「30日」とした某サイトの例を紹介します(分かりやすく説明するために、各値は最適化しています)
対象 | コンバージョン数 | セッション数 |
---|---|---|
自社サイト全体 | 600 | 20,000 |
Aページ | 100 | 2,500 |
Bページ | 100 | 4,000 |
Cページ | 30 | 500 |
某サイトでは月間20000セッションが発生し、コンバージョン数が600となりました。このデータから改善すべきページに優先順位を付けていくのですが、コンバージョン数とセッション数だけを見た場合、いずれの値も大きいAページとBページの改善が必要に思えてきます。
しかし、各ページにCVRを追加して表を見直してみると、Cページがサイトの運用目的であるコンバージョンを最も達成しているページであることが分かってくるのです。
対象 | コンバージョン数 | セッション数 | CVR (コンバージョン率) |
---|---|---|---|
自社サイト全体 | 600 | 20,000 | 3.0% |
Aページ | 100 | 2,500 | 4.5% |
Bページ | 100 | 4,000 | 2.5% |
Cページ | 30 | 500 | 6.0% |
CVRが高いということは、サイトの訪問したユーザーの多くがコンバージョンに至っているということです。
ページ改善を行う際は、限られた時間を効果的に活用するために、最も少ない労力で利益の最大化を目指す必要があります。
例として出した某サイトのページ改善を行う場合は、効率的にコンバージョンを増やすために「Cページ」→「Aページ」→「Bページ」の順で優先順位を付けて、施策を展開していきます。
CVRはCV設定に大きく左右される
CVRの重要性が理解できたところで、CVRには目安があるのかを知っておきましょう。結論からいうと、CVRには目安がありません。
調査の結果、各業種・業態ごとで平均値は算出できるかもしれませんが、それぞれのサイトで達成すべきコンバージョンが異なることを想定すると、目安や平均値を知ろうとして時間をかけるのは効率が悪いといえます。
ポイントは、CVRがサイトのコンバージョン設定に大きく左右されるということです。
同じ業種のサイトでも、サイトで設定したコンバージョンが「資料請求」or「サービス契約」では、コンバージョン数に大きな違いが出ます。1つの企業が複数のサイトを運用している場合なども同じで、CVRの値はサイトの運用目的に依存すると考えて良いでしょう。
Googleアナリティクスでの設定方法
[お問い合わせ]がコンバージョンの際の設定方法をご紹介します。
- 管理画面の左下の[管理]をクリック
- ビューの[目標]をクリックし、[+新しい目標]をクリック
- WEBサイトの目的に応じて目標を設定
- 目標の名前、スロットID、タイプを設定 > 保存
- 到達ページ(thanksページなど)のURLを設定 > 保存
Googleアナリティクスでの確認方法
GoogleアナリティクスでCVRを確認する方法は管理画面の左側のメニュー[コンバージョン > 目標 > 概要]で確認することができます。
複数目標を設定している場合は、[目標のオプション]から各目標ごとに確認することができます。
CVRが低い原因
CVRはコンバージョン設定に左右されることを説明しましたが、「コラム記事」といった同じ性質を持つページが複数あった場合、CVRが著しく低いページが見つかることがあります。
もちろん、コラム記事の目的は「ユーザーニーズにマッチしたコンテンツを届けること」にあるため、サイトのコンバージョン設定によってはそもそもCV発生がないパターンもあるでしょう。
したがって、以下で挙げる原因は、コンバージョンが発生しているページ・カテゴリーでCVRが低くなっていると考えられるケースになります。
- コンテンツがユーザーニーズにマッチしていない
- 広告イメージ・広告文とコンテンツ内容に乖離がある
- CTAなどの行動喚起をしていない
CVRが低い原因は、大きく分けて「コンテンツ内容に問題ある場合」と「ページの導線設計に問題がある場合」の2つに分けられます。
コンテンツがユーザーニーズにマッチしていない
コンテンツの内容がユーザーニーズにマッチしていない場合、ページCVRは低くなります。また、そもそもユーザーニーズに応えられないコンテンツは自然検索流入が見込めないため、母数であるセッション数が少なくなる傾向にあります。
セッション数が月間10以下のページなど、ほとんどセッションが発生していないページでは、コンバージョンがたまたま1回達成されるだけでCTRが10%となってしまうため、値だけに惑わされないようにしましょう。
ページの改善は、対象ページが十分にコンバージョン増加の見込みがあると判断した場合に限り行います。
広告イメージ・広告文とコンテンツ内容に乖離がある
作成したコンテンツが検索エンジンなどで上位表示されない場合、コンバージョン獲得のために「リスティング広告」を出稿することがあります。
しかし、CTRの向上を狙って、誇張した広告文を書いてしまった場合、ページに流入したユーザーをがっかりさせてしまう可能性があります。
ユーザーニーズに沿わないコンテンツは、ユーザーが読むのを中断し、サイト外へ離脱してしまうため、改良を加えなければなりません。
ユーザーニーズを満たすコンテンツを作成せず、自社サービスの販売だけを意識してコンテンツを作成した結果、サイトそのものをユーザーが嫌うこともあるでしょう。魅力的な広告イメージ・広告文を作成するスキルがある場合は、コンテンツの改良に注力しましょう。
CTAなどの行動喚起をしていない
CTA(Call To Action)とは、ページ内に「次のサイト内行動を喚起するリンクを設置すること」を意味しています。
具体的な方法としては、コラム記事の下部などに設置し、あるコンテンツを読み終えた後のユーザーに「期間限定でサイト改善の無料相談をしてみる!」といったボタン・画像を表示します。
CTAを設置することで、コラム記事の閲覧ユーザーなど、「コンバージョンから遠いユーザー」へCV喚起することが可能となります。CVRの改善のみならず、サイト内回遊率の向上にも寄与するのが特徴です。
CVRの改善方法
CVRが低い原因を知った後は、具体的な改善方法を覚えていきましょう。
- CV設定を見直す
- ページコンテンツの改良
- サイトの導線設計を見直す
- 問い合わせフォームの改善
1つの施策を加えただけではCVRが改善しないページも出てきます。効果が出ない場合は1つの施策に固執せず、あらゆる手段を試してみることが重要です。
CV設定を見直す
少し意外に思われた方もいるかもしれませんが、コンバージョンそのものを見直すこともCVR改善の1つの手段となります。
例えば、コンバージョンを「サービス契約数」から「資料請求・問い合わせ」に変更するだけでも、CVRは大幅に改善されることが予想されます。
ページコンテンツの改良
SEOでコンテンツを上位表示させるかどうかよりも、ページコンテンツそのものを改良していくことがCVR向上では効果的です。
CVRはセッション数に依存する値のため、流入したユーザーを「いかにコンバージョンさせられるか」を考えてコンテンツの改良を行いましょう。
サイトの導線設計を見直す
流入ページはもちろんのこと、サイト全体で流入したユーザーが何らかの形でコンバージョンに至ることができる経路(導線)を設計しましょう。
まずは現状把握を行うため、サイト内のユーザーがどのように行動しているかを調べる必要があります。このとき活躍するのが、サイト内のユーザー行動を可視化する「ヒートマップツール」です。
ヒートマップツールでは、サイトのページに訪れたユーザーの「マウスの動き」や「クリック箇所」、「スクロールの深度」などをヒートマップ(色のグラデーション)として可視化できます。
「サイトの導線設計はこうあるべき」といった信ぴょう性の低い情報に振り回されることなく、自社サイトに訪れるユーザーベースの導線設計を実施していきましょう。
また、先述したような「CTAの設置」もCVR改善に効果があります。導線設計と合わせて、CTAをどこに配置するのかを考えてみると良いでしょう。
問い合わせフォームの改善
ほとんどの場合、コンバージョンに至る前には「問い合わせフォーム・ページ」が表示されますが、この問い合わせフォームの質が悪いことにより、コンバージョン直前のユーザーを取りこぼしてしまうケースがあります。
サービスに魅力を感じて問い合わせフォームに来てくれたユーザーに不快感を与えないためにも、問い合わせフォームの最適化は必ず行いましょう。
問い合わせフォームの最適化では、試験的にいくつかのパターンを作成することがおすすめです。
サイト構造はCVRに影響を与える
CVRの改善には、導線設計やページコンテンツの改良が必要とお伝えしてきましたが、実はサイトの内部構造がCVRに影響を与えることもあるのです。
例えば、理想的なサイトの階層構造は「3クリック階層」とよばれ、ホームページを起点とし、各ページまで3クリック以内で到達できることがポイントとなります。
3クリックで各ページにアクセスできるサイトは、検索エンジンのクローラーがページを発見しやすく、SEOに良い影響があるといわれています。
SEOによって自社コンテンツの上位表示が続けば、CVR改善のために必要なセッション数が多く集まるため、継続的な改善施策の実行が可能となります。
サイト構造の改善はCVRに直接影響するものではありませんが、施策の効果を最大化するために重要な対策であることを覚えておきましょう。
サイト構造の最適化にはLumar(旧:DeepCrawl)がおすすめ
まずは今回紹介した4つの改善方法を実施し、サイト・ページのCVRが改善されるかどうかを1~3ヶ月かけて計測しましょう。
その後、「効果が見られないページ」や、「よりCVRを向上させたいが改善方法が分からないページ」などが発生した場合は、Lumar(旧:DeepCrawl)のホームページからツールの活用方法について問い合わせていただければと思います。
簡単なヒアリングをさせていただいた後に、サイトの健康状態を管理・施策提案するツールのデモ版をご提供させていただきます。
そこでサイト改善のために必要な問題が新たに発見される可能性もあるため、この機会に活用してみてはいかがでしょうか。
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