ABテストツールとは?活用方法とおすすめツール5選を比較して徹底解説

しかし、具体的にABテストのやり方がわからない、どのABテストツールを使えばよいかわからない、という方も多いと思います。
この記事では、「ABテストツールの具体的な活用方法」「おすすめのABテストツール5選」「ABテストのコツ」についてご紹介していきます。
ぜひこの記事を参考にして、効果的なABテストを実施し、サイトの成果改善へ活かしてください。
ABテストツールとは?
ABテストツールとは、主にLPOを目的としたABテストに必要なページの作成や設定、成果の分析まで、一連の機能を搭載したツールです。
ABテストを手動で行う場合、サイトデザインやURLの変更、テスト結果の分析など、専門的な知識が必要になります。
例えば、LPのボタンデザインを変更するにしても、手動で行うにはCSSやJavascriptなどのプログラミング知識が必要になるケースもあります。
また、手動で設定を行うとエラーが発生し、正確にテストできない場合もあるかもしれません。
しかし、ABテストツールを活用することで、専門的な知識を持たなくてもテストができます。
またツールによっては、単純なAパターンBパターンの比較といった簡素なテスト以外にも、さまざまな方法を用いたテストが実施可能です。
ABテストとは?実施するメリットやツールの選び方・おすすめのツールも紹介
ABテストツールの活用方法
ABテストツールには、どのツールにも共通する基本的な機能から、ツール毎の特徴的な機能など、さまざまな機能が存在します。
この章では、よくあるABテストツールの機能、特徴として以下の3つを紹介していきます。
- オリジナルページを元にボタンや文言のカスタマイズが簡単にできる
- 多変量テスト・リダイレクトテストなど高度なABテストが可能
- ヒートマップなどサイト改善機能が付属しているサービスも多い
上記を押さえておくことで、ABテストツールの使い方をイメージできたり、自社に合うツールを見つけられたりとメリットがあるはずです。
オリジナルページを元にボタンや文言のカスタマイズが簡単にできる
基本的なABテストツールの機能は次の2つです。
- オリジナルページを元にボタンデザインやタイトルなどを変更した複製ページの作成
- オリジナルと変更後の両ページの比較
オリジナルページと、タイトルや記事内のテキスト、画像や配色などを変更した複製ページ、2つのページを同時に公開することで、それぞれの滞在率やクリック率などを比較してユーザーの反応を検証します。
一般的に、Web上で複製ページを作成するには、専門的な知識が必要です。画像の配置や配色といった簡単なレイアウトの変更にも、HTMLやCSSなどのプログラミングを必要とする場合が多いからです。
そこで、ABテストツールを利用すれば、専門知識やスキルがなくとも簡単に複製ページの作成ができます。
自分で取り組めるため、素早くPDCAサイクルを回せるでしょう。
多変量テスト・リダイレクトテストなど高度なABテストが可能
ABテストツールでは、多変量テストやリダイレクトテストなど高度なテスト方法も可能です。
多変量テストとは、オリジナルページの複数箇所を変更し、それぞれのパターンを検証するテストです。
タイトルで2パターン、ボタンデザインで2パターンがあるとすれば、合わせて計4パターンのテストを行い、効果を測定します。
多変量テストは、ABテストよりもさらに複数のパターンを同時に検証できるというメリットがあります。
ただし、一度のアクセスが複数に分散されるため、一定期間テストを行ってある程度のアクセス数を集めることが必要です。
リダイレクトテストとは、アクセスしてきたユーザーをURLの異なる複数のページへ転送させ、それぞれの反応を比較するテストです。
リダイレクトテストもABテストの一種ですが、大きな違いはURLを変更するという点です。そのため、手動で行う場合はソースコードを変更して、それぞれのファイルを作成する必要があります。しかしABテストツールを利用すれば、これも簡単に行えます。
多変量テストとは?
リダイレクトとは?種類や設定方法、警告の対処法を解説
ヒートマップなどサイト改善機能が付属しているサービスも多い
ABテストツールの中には、サイト改善機能が付属しているツールもあります。
ABテストのみではなく、ページ内でのユーザー行動を可視化できるヒートマップ機能や、CVR改善に欠かせないエントリーフォームの最適化など、サイトの成果改善へ繋げられる機能が搭載されています。
ABテストのみの機能の場合、テスト前の仮説やテスト後の改善方法など、自身で分析して導き出す必要があります。
ところがABテストツールを利用すれば、サイト改善に役立つサポート機能を上手く使って、経験の浅い方でもサイト改善が可能です。
中には、担当者によるコンサルティングサポートが付帯しているツールもあるため、初めてABテストを行うことになった場合は、ツールの利用を検討してみてください。
ABテストツール厳選5種を徹底比較
ツール名 | 月額料金 | 無料お試し | 機能 |
---|---|---|---|
SiTest |
|
あり(※機能制限あり) |
|
DLPO | 要問合せ | 要問合せ |
|
Ptengine(Experience) |
|
あり(機能制限あり) |
|
Optimizely | 要問合せ | あり |
|
Google Optimize (サービス終了) |
無料 | 無料 |
|
どのツールも、一般的なABテストなどの共通機能の他に、マーケティング施策に活かせるさまざまな機能が付いています。
無料で使えるツールから課金することで充実したサービスを受けられる有料ツールまで、多くのツールの中から自社のコストを考慮して選びましょう。
具体的なツールの機能を紹介しますので、費用・機能ともに自社に合うツールがどれか比較してみてください。
おすすめのABテストツール5つを紹介
今回紹介するABテストツールは以下の5つです。
- SiTest
- DLPO
- Ptengine
- Optimizely
- Google Optimize(サービス終了)
それぞれ順番に見ていきましょう。
1.SiTest
SiTestは、株式会社ブラッドキューブが提供している、有料のサイト改善ツールです。
高機能なヒートマップ機能を搭載していることが大きな特徴で、付属の機能としてABテストも付帯しています。
ABテストはコーディング不要の簡単な操作で完了するため、HTMLやCSSの知識は必要ありません。
また、SiTestの特徴であるヒートマップを活用しながらABテストを行うことで、可視化されたユーザー行動に基づきながら、よりユーザーに寄り添ったデザイン、レイアウトのページへ最適化することができます。
エントリーフォーム最適化機能も付いているので、CVR改善にも役立てられます。
解析したレポートは自動で作成してくれるため、社内でのプレゼンやチームメンバーとの共有にも活用できます。
月額は50,000円からとなっていますが、無料期間もあるため、お試しで要録してみるとよいでしょう。
2.DLPO
DLPOは、DLPO株式会社が提供する有料のLPOツールです。
LPOとはランディングページ最適化のことであり、DLPO はLPOに特化していることが大きな特徴です。
ユーザーが最初に訪問するランディングページの印象は、その後のCVRやサイト全体の印象に大きく関係するため、ランディングページの最適化はサイトの成果改善に欠かせない施策の1つと言えます。
その中でもDLPOは、オウンドメディアやECサイトなど、外部のツールやサイトと連携しながら、より詳細なユーザー属性を元にランディングページの最適化が可能です。
その他、ABテストや多変量テスト、パーソナライズ機能など豊富なサイト改善機能を搭載しています。
DLPOを利用すれば、広告出稿した企業サイトやランディングページの成果を最大限高められるでしょう。
複数ページの数字を改善するというよりは、ランディングページの効果を最大限にしたい場合におすすめのツールと言えます。なお、価格は問い合わせる必要があります。
3.Ptengine
Ptengineは、株式会社Ptmindが提供している有料のアクセス解析ツールです。
Ptengineには、サイトのユーザー行動を可視化するPtengine Insight、ABテストが行えるPtengine experience、外部の顧客データと連携し、詳細なターゲティングが可能なPtengine Datedeckの3種類があります。
Ptengine experienceでは、ABテストの他、パーソナライズ機能によってユーザーに適したページを表示するなど、ユーザー体験の向上に特化した機能が搭載されています。
ヒートマップ機能もあるため、既存のユーザー行動を元に仮説を立て、効率の良いABテストをすることが可能です。
また、操作方法もシンプルで、誰でも簡単にコード不要でテストページを作成することができます。
なお、Datedeckへ利用登録すれば、InsightとExperienceの両方が利用できます。
4.Optimizely
Optimizelyは、アメリカの会社であるOptimizelyが提供する有料のABテストツールです。国内の正規代理店としては、株式会社ギャプライズが有名です。
Optimizelyとは、「効率化、最適化する」という意味の「optimize」を副詞化したもので、「効率よく〜」という意味になります。
その名の通り、ABテストとパーソナライズ機能を活用した、ユーザーの属性に適したさまざまな条件でのABテストが可能です。
また、スマホアプリのABテストや、新リリース時に段階的にリリースされるロールアップ機能など、効果検証しながら最大限の成果を導き出せます。
Web版のみではなくアプリ版も公開している大型のサイトにおすすめと言えます。
5.Google Optimize(サービス終了しました)
Google Optimizeは、Googleが提供している無料のABテストツールです。Googleアカウントで登録が可能なため、誰でも手軽に利用できます。
大きな特徴は、Googleが提供していることもあり、GoogleAnalystやGoogleタグマネージャーなど関連ツールとの連携が可能という点です。
GooleAnalystの指標であるユーザーの行動や属性などを絞ってターゲティングできるため、ABテストを実施しながらより詳細な仮説検証ができます。
またGoogle広告とも連携が可能なため、Google広告におけるABテストで必要なページの設定や広告の出稿、結果の集計も全てGoogle Optimize上で可能です。
複雑な設定がない分、CV数を検証するといったシンプルなABテストを行いたいのであれば、Google Optimizeがおすすめと言えます。
また、多変量テストやリダイレクトテストなど、様々なテスト方法が可能であり、実際の使い方もドラック&ドロップでページデザインの変更が完了するため、難しい操作方法が必要ありません。
費用もかからないため、初めてABテストツールを利用する人にもおすすめのツールと言えます。
なお、Google Optimizeでは最大5サイトまで登録が可能で、有料版のGoogle Optimize 360では登録制限なく利用可能です。
そもそもABテストとは?やり方や注意点を解説
ABテストは、ただ2つのパターンを比較してテストすれば良いというものではありません。
基本のやり方や押さえておきたいポイントを理解していないと、全く成果の得られないABテストになってしまいます。
この章では、ABテストを行う上で押さえておきたい、やり方とポイントに関して紹介していきます。
- ABテストとは、2つの比較対象を用意してCV率を検証するもの
- ABテストの際は比較する箇所を絞り、要因を特定しやすくする
- PV数は1,000以上を目安にする
上記を押さえておくことで、初めての方でも一定の効果を得られるABテストができますので、ぜひ参考にしてみてください。
ABテストのやり方
ABテストとは、Aパターン・Bパターンの2種類のページを比較し、どちらのパターンがより大きな効果を生んだのか検証する施策です。AパターンとBパターンを比較するため、ABテストと言われています。
例えば、Aパターンではボタンの色を赤、Bパターンではボタンの色を青にしてそれぞれ同時公開し、どちらのページがよりボタンをクリックされたかを検証、といった施策です。
有名な活用事例として、オバマ大統領が選挙資金を集めるために作成した公式サイトのABテストが挙げられます。
ABテストによって画像やキャッチコピーの異なる数パターンのページを公開し、最も反応が良かったパターンを見つけます。
すると、そのABテストによって効果検証されたページで、その後60億円もの選挙資金を集めることに成功したのです。
現在ではさまざまな場面で活用され、Webサイトの成果改善を目指すのに効果的な施策の1つとなっています。
ABテストを行うときのコツ
ABテストを行う際は、効果の違いの要因となる箇所を特定できるようにしておく必要があります。
つまり、Aパターンではボタンの色が赤、Bパターンではボタンの色が青というように、変更箇所をなるべく絞るということです。もし一度のテストで複数箇所を変更した場合、どの変更箇所が成果の違いを生んだのか、特定することができません。
ボタンの色のみでなく、同時にタイトルや画像も変更していた場合、ボタンの色の違いが成果へ繋がったのか、画像の変更が成果へ繋がったのか把握できなくなります。
そのため、ABテストを行う際はなるべく変更箇所を絞って、数回にわたって検証する必要があるのです。
複数箇所を変更して検証したい場合は、多変量テストを行います。ボタンで2パターン、画像で2パターン、タイトルで2パターンの変更を加える場合、それぞれの組み合わせで計8パターンを比較することになります。
多変量テストの場合は、アクセスが分散されるため、通常のABテストよりも長いテスト期間を必要とする場合が多いので注意してください。
PV数は1,000以上を目安にする
ABテストを行う際は、PV数にも注意を払う必要があります。極端にアクセスが少ないページでABテストを行っても、ユーザーに偏りがある場合は正確な効果を測定できません。
例えば、100PVしか無いサイトでABテストを行い、AパターンよりもBパターンのほうが成果を生んだとします。
しかし、100PVの中に偏りが多ければ、1,000PVなど閲覧数が大きくなるにつれてユーザー属性が変化し、成果へ繋がらなくなる場合があります。
100PVのうち、半分が一人のユーザーで残りの50PVが新規のユーザーであれば、正確な測定値は得られません。
そのため、ABテストを行う際は少なくとも1,000PV以上を目安にして、効果測定をする必要があります。言い換えれば、PV数が極端に少ないページではABテストは有効な施策とは言えないでしょう。
あくまで、「現在のアクセスをより効率よくCVへつなげるための施策である」ということを理解しておきましょう。また、目安となるPV数はサイトの規模により異なることがあります。
まとめ
ABテストはサイト改善へと繋がる効果的な施策の1つです。
高度なWeb、ITの知識がなくても、ABテストツールを利用することで誰でも簡単に有効なABテストが可能です。ぜひ今回の記事で紹介したABテストツールを参考にして、自身のサイト改善へ繋げてください。
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