CVR(コンバージョン率)とは?計算式と平均値、改善方法を詳細に解説!

本記事ではCVRの基礎から改善方法までをわかりやすく解説し、自社の成果向上に活かすための実践的な知識をお届けします。
◉本記事でわかること
・CVRの定義と重要性
・CVRの計算式
・CVRの平均値
・CVRが低い原因と改善方法
・「広告」と「SEO」それぞれのCVR改善策
記事を読み進めることで、CVRがなぜ重要であり、何を改善すべきなのか明確になるでしょう。Web施策の成果を最大化するためのヒントとして、ぜひ最後までご覧ください。
CVR(コンバージョン率)とは何か?CVRの定義とその重要性
CVR(コンバージョン率)とは「Conversion Rate」の略で、サイトを訪れたユーザーのうち、実際にCVに至った割合を示す数値です。たとえば、100人がサイトを訪れて5人が問い合わせをした場合、CVRは5%になります。
そもそも、CVはサイトの最終的な成果地点を指し、その内容はサイトの目的によって異なります。たとえばECサイトであれば「購入」、サービスサイトであれば「問い合わせ」や「資料請求」などがコンバージョンにあたります。そのためCVRは「コンバージョン率」だけでなく、「顧客転換率」や「獲得率」と呼ばれることもあります。
CVRは、売上やビジネス成果に直結する重要な評価基準です。ユーザーがどれだけ行動に移ったかを数値で把握できるため、ページやサイト全体のパフォーマンスを評価する際にも役立ちます。
さらに、CVRは広告運用においても大切な指標です。広告にどれだけ費用をかけても、CVRが低ければ費用対効果は悪化します。限られた予算で成果を最大化するには、CVRの最適化が不可欠なのです。
CVRの計算式
サイトの運用・改善で重要な指標となるCVRは、以下の計算式で算出できます。
CVR = CV数 ÷ サイト訪問数 × 100
たとえば、A社の「資料請求ページ」に月間で以下の数値が出ていたとしましょう。
この場合、CVRは以下の通りに算出します。
CVR = 60(CV) ÷ 2,000(セッション) × 100 = 3%
ポイントは、インプレッション数やPV数ではなく、セッション数を基準に計算すること。なぜなら、CVRは「何人の訪問者が成果に至ったか」を測るための指標だからです。
セッション数、インプレッション数、PV数の違いを以下にまとめておきます。
セッション数 | ユーザーがサイト/ページに訪問した回数。30分以内の出入りは1セッションでカウント |
---|---|
インプレッション数 | 広告やコンテンツが表示された回数。セッションの発生とは無関係 |
PV数 | ページが見られた回数。1人が同じページを複数回見れば、その分カウントされる |
どの数値を分母にするかを正しく理解することで、より精度の高い分析と改善が可能になります。
CVRの平均値は?業種別の平均CVRと注意点
CVRの平均値は、一概に「これが正解」と言える明確な目安がありません。なぜなら、CVRは各サイトの目的やCV設定、ユーザー層によって大きく異なるためです。
たとえば、ECサイトの場合「購入」がメインのCVとなりますが、BtoBサイトでは「問い合わせ」や「資料請求」を重視するケースもあります。CVのハードルや導線設計、訪問者の意図によって結果は大きく左右されるため、他社との比較だけで一喜一憂するのは避けるべきでしょう。
そのため、CVRの評価は「自社サイトの過去データや目標値」との比較を基準にすることが重要です。自社の中で改善傾向があるかどうかを見るほうが、確実な成長につながります。
とはいえ、おおまかな目安として、業種別の平均CVRを参考にすることは可能です。以下は、Google広告を活用した際の業界別CVRの平均値です。
【業界別】平均CVR(Google広告経由)
業種 | 平均CVR(検索広告) |
---|---|
法律サービス | 6.98% |
消費者向けサービス | 6.64% |
自動車 | 6.03% |
金融 | 5.10% |
教育 | 3.39% |
ヘルスケア&医療 | 3.36% |
Eコマース | 2.81% |
テクノロジー | 2.92% |
旅行・観光 | 3.55% |
不動産 | 2.47% |
参照元:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry
このように、業界によってCVRの水準に差があります。自社が属する業界の傾向を把握しつつ、自社データとの比較で改善を進めることがCVR最適化の近道です。
CVRが低い原因
CVRはCV設定に左右されます。CVが発生しているページ・カテゴリーにおいて、CVRの低下を促すと考えられる原因は以下の3つです。
原因 | 詳細 |
---|---|
ユーザーニーズとミスマッチしたコンテンツ | 内容がユーザーの求める情報とズレているため、CVRが低下する。検索流入も見込めずセッション数が少ないこともある |
コンテンツ内容と乖離した広告イメージ・広告文 | 誇張された広告文で流入したユーザーが、内容にがっかりして離脱する |
行動を喚起させるCTAなどの設定がない | 次の行動を促す導線がないため、離脱されやすい |
とりわけ弊社のSEOコンサルティング経験の中でも、CTA(Call To Action)の適切な設定は重要です。以下の章で詳しく解説します。
CVRを改善するには?CV数を上げる方法
CVRを改善して、CV数を上げる方法は主に4つあります。
- CV設定を見直す
- ページコンテンツの改良
- サイトの導線設計を見直す
- 問い合わせフォームの改善
それぞれ詳しく解説します。
CV設定を見直す
CVRを改善するには、CV設定を見直すことが重要です。
たとえば「資料請求」や「問い合わせ」などハードルの高いCVばかりだと、ユーザーが行動に移りづらいため、CVRが低くなる可能性があります。情報収集段階のユーザーに向けて「無料ダウンロード」や「メルマガ登録」など、ライトなCVを設けることで改善が見込めます。
ページの目的やユーザーの検討段階に応じて、CVの内容を調整することがCV数増加の第一歩です。
コンテンツ内容を見直す
CVRを高めるためには、コンテンツ自体の質を見直すことも重要です。ユーザーが求めている情報に対して最適な回答を出せていない、もしくは情報内容が薄い場合、ページからの離脱やCVの未達につながります。
特に注意したいケースは、ユーザーが期待していた内容と、実際のページ内容にギャップがあることです。ユーザーの期待に沿った内容でなければ、すぐに離脱してしまいます。
改善のポイントは、ユーザーニーズに沿って情報を深掘りすること、そして見やすく・わかりやすい構成に整えることの2つです。さらに近年では、筆者による専門性・独自の経験がコンテンツの質を高めます。コンテンツの精度が上がれば、自然とCVRも向上していくでしょう。
サイトの導線設計を見直す
ユーザーがスムーズにCVへたどり着ける導線設計も、CVRの改善に欠かせません。どんなに良質なコンテンツでも、次に何をすればよいか分からないページ構成であれば、ユーザーは迷い、離脱の原因になります。
たとえば、「お問い合わせ」や「申し込み」などのリンク・ボタン(CTA)が目立たない場所にあったり、複雑な導線のためCVページにたどり着くまでに手間がかかったりすると、CVRは大きく低下します。
重要なのは、ユーザーの視線の流れや行動導線を意識して、自然な流れでCVに誘導できる設計にすることです。必要に応じて、ページ下部やサイドバーなど、視認性の高い場所にCTAを設置しましょう。
コンサルティングの経験上、記事中にCTAを一つしか設定していない、というケースに出会うことも少なくありません。そこでヒートマップ等を用いて、適切な位置に3つ〜4つのCTAを設定するだけでも、CVRはだいぶ変わります。
問い合わせフォームの改善
CVRが伸び悩む原因の一つに、問い合わせフォームの使いにくさがあります。フォームの項目が多すぎたり、入力に手間がかかったりすると、ユーザーの途中離脱につながりがちです。
入力フォームの不備を整えることを「EFO(入力フォーム最適化)」といいます。改善のポイントは、入力項目を最小限に絞り、操作のストレスを減らすことです。たとえば、必須項目を見直したり、選択式の項目を取り入れたりすることで、入力の負担を軽減できます。
また、スマホ対応が不十分なフォームもCVRを下げる要因になります。スマホでも快適に操作できる設計かどうか、あらためて確認しましょう。
実際、過去に不動産系サイトにコンサルティングで関わった際、資料請求のCVRを高めるために、入力フォームを修正していただいたことがあります。
その結果、入力フォームからの離脱率が80%から30%に下がり、大幅なCVRの改善につながりました。
EFOの基本的な内容や実践方法は以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
関連記事:EFO(入力フォーム最適化)とは?重要性や改善のポイントや注意点を解説
なお、上記の施策を一つ実施しただけでは、CVRの改善に至らないケースもあります。効果が出ないときは一つの施策に執着せず、他の手段を試してみることが重要です。
「広告」と「SEO」におけるCVR改善策の違い
SEOと広告を比較すると、CVR改善のアプローチポイントが異なります。CTRの低下要因とその詳細、改善策を整理しました。
【広告】
CVRの低下要因 | 要因の詳細 | 改善策 |
---|---|---|
ターゲット設定のミスマッチ |
|
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広告クリエイティブの最適化不足 |
|
|
LPの最適化不足 |
|
|
広告チャネルの選定ミス |
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|
リマーケティング戦略の不足 |
|
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【SEO】
CVRの低下要因 | 要因の詳細 | 改善策 |
---|---|---|
ターゲットキーワードとコンテンツのミスマッチ |
|
|
LPの最適化不足 | ※広告と同様 | ※広告と同様 |
E-E-A-Tの不足 |
|
|
サイト構造とUI/UXの悪さ |
|
|
なお、「効果が見られないページ」や「よりCVRを向上させたいページ」が発生した場合、SEO内部分析ツールのLumar(旧:DeepCrawl)を利用してもよいでしょう。サイト内部の問題発見に役立ちます。ホームページから活用方法について問い合わせてみてください。
【目的別】CVR改善チェックリスト
ここまでの内容を踏まえつつ、弊社でも利用している「目的別CVR改善チェックリスト」の基礎的な部分を抜粋して掲載します。ご自身の業務と関連するリストを参考に、施策を進めてください。
【広告クリエイティブ】
チェック項目 | チェック内容 | 具体例 |
---|---|---|
ターゲットユーザーの明確化 | 年齢・性別・地域・購買履歴を考慮しているか | 30代女性・都内在住・美容への関心など |
ターゲティング設定の適正化 | 広告プラットフォームの機能を活用しているか | Facebookの詳細ターゲティング機能など |
広告クリエイティブの訴求力 | ニーズに合った内容で関心を引いているか | 使用シーンを想起させるビジュアル |
わかりやすく魅力的な広告文 | メリット・独自性・行動喚起が明確か | 「今だけ50%OFF!今すぐ申し込み」など |
広告とLPの一貫性 | 訴求内容が一致しているか | 広告で「無料診断」を訴求 → LPでも詳細説明 |
【ランディングページ(LP)】
チェック項目 | チェック内容 | 具体例 |
---|---|---|
広告との連動性 | クリエイティブやメッセージをLPでも活用しているか | 同じビジュアル・文言を使用 |
目的の整理 | コンバージョン目的に最適化されているか | フォーム配置・動線が目的に合致 |
ユーザー期待への対応 | 広告からの流入後に必要な情報があるか | Q&A、メリット一覧、証拠データなど |
CTAの明確さ | 誘導ボタンが目立ち、分かりやすいか | 「無料で試す」「3分で登録完了」など |
フォームの最適化 | 入力が簡単でストレスがないか | 項目を最小限に、入力補助あり |
【広告チャネル】
チェック項目 | チェック内容 | 具体例 |
---|---|---|
チャネル選定の適正 | ターゲットに合った媒体を選んでいるか |
|
チャネル特性の理解 | 媒体ごとの強みを活かしているか |
|
広告予算の配分 | 成果の高いチャネルに予算を寄せているか | LP経由CVが多い媒体に投資集中 |
効果測定と改善 | 指標をもとにPDCAを回しているか | CVRやROASを計測し調整 |
A/Bテストの実施 | クリエイティブ・LPなど比較検証しているか | ボタン色、コピー、構成のパターンテスト |
【リマーケティング】
チェック項目 | チェック内容 | 具体例 |
---|---|---|
リスト設定の適正化 | 行動ベースで分類されているか | サイト訪問、カート放棄、閲覧商品別など |
パーソナライズ対応 | 行動履歴を活かした内容になっているか | 閲覧済み商品を再提案 |
クリエイティブの最適化 | 関心を持ったユーザー向けに構成されているか | 類似商品や限定オファーの訴求 |
配信期間・頻度の適正化 | ユーザーに嫌悪感を与えない設計か | 週1〜2回まで、期間は30日以内など |
除外設定の有無 | すでにCVしたユーザーは除外しているか | 成約済みユーザーに広告が出ないよう設定 |
まとめ
CVRは、サイトや広告の成果を可視化する重要な指標であり、ユーザーがどれだけ行動を起こしたかを示します。CVの内容はサイトの目的によって異なり、購入や問い合わせ、資料請求など多岐にわたります。
平均CVRは業種によって差があるものの、自社サイトの目標や過去データと比較することが最も重要です。改善の際には、ユーザーニーズとのズレ、広告との不一致、導線やCTAの不備といった基本的な要因から確認しましょう。
また、SEOと広告では改善のアプローチが異なります。ターゲティングや広告クリエイティブの最適化、LP改善、リマーケティング活用など、目的に応じた施策が求められます。
CVRの向上は、同じ広告費やアクセス数でも、より多くの問い合わせや売上獲得につながります。限られたリソースで成果を最大化したい場合こそ、CVR改善に取り組む価値があるのです。
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