広告指標とは?計算方法・効果が改善した事例を紹介
しかしながら、求人検索エンジンを活用して広告配信を始めたものの、管理画面に表示される様々なデータの理解ができない、実際の求人広告がどのような状態であるか分からないといった経験はないでしょうか。
そのような経験のある方へ、この記事では広告指標への理解を深めるため、改善事例を含めた解説をしていきます。
- 広告指標とは
- 【表示回数(impression)】キーワード追加で表示回数が増加
- 表示回数(impression)とは
- 表示回数の増減から考察できるポイント
- 【事例紹介】予算をかけずに表示回数を増加させる方法
- 【クリック単価(CPC)】機会損失を防ぐための適正なCPCの見極め方
- クリック単価(CPC)とは
- 平均CPCとクリック数の関係性から見えてくる広告の配信状況とは
- 【事例紹介】キャンペーン構成の変更により応募数が増加した方法
- 【クリック率(CTR)】 無駄クリックを防止するためのタイトルとは
- クリック率(CTR)とは
- 【事例紹介】応募数0件だった求人でも獲得できるようになった方法
- 【応募率(CVR)】Googleアナリティクスを使った求人の効率化
- 応募率(CVR)とは
- スピーディーにCVRを上げる方法とは
- CVRが低いユーザーを減らすGoogleアナリティクスを使った効率化の方法
- まとめ
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広告指標とは
広告指標とは広告の効果を定量的に判断・分析するデータのことを指します。
例えばどのくらい広告が見られたのか、クリックされたのか、応募率はどれくらいなのか、それらを総称して「広告指標」と言います。
【表示回数(impression)】キーワード追加で表示回数が増加
このパートではユーザーと広告との最初の接点になる表示回数(impression)※以下表示回数について解説します。
表示回数(impression)とは
表示回数とはその名の通り広告が表示された回数のことを言います。
ユーザーが検索してブラウザ上に表示された時点で1カウントとなり、一般的には携帯画面、PC画面に見えていなくても1カウントとして数えられます。(カウントの定義については、使用するサービスによって異なります。)
表示回数の増減から考察できるポイント
表示回数の増減により以下のことが考えられます。
表示回数が増えた |
|
---|---|
表示回数が減った |
|
広告の効果改善を行う上で、最初に考えることは「どれだけ広告を見られているか」という視点です。
なぜなら広告を見てもらわなければデータも取れないどころか、クリックも応募も”ゼロ”になるからです。
逆に表示回数が多くなるほど獲得効率も上がっていくとも言えるため、この広告指標を改善することはまさに獲得を増やすことへの第一歩となります。
【事例紹介】予算をかけずに表示回数を増加させる方法
応募数が伸び悩んでしまったとき、シンプルに予算を増やして露出強化することは有効な手段の一つですが、今回は予算を増やさずに応募数拡大に成功した事例を紹介します。
【A社】Indeedのスポンサー枠 軽作業系アルバイト
会社規模 | 求人数:5,000件~10,000件 応募件数:約50~3,000件/月 表示回数:約2,000,000回規模/月 |
---|---|
施策内容 | キーワードの追加 |
結果 | 表示回数:約170%の増加 応募件数:約165%の増加 |
まだ取り込んでいないターゲット層の流入を狙うため、「ピッキング」「軽作業」「工場」のような類似した職種、また「パート」「主婦パート」「短時間」といった雇用形態や勤務条件のようなキーワードを追加する施策を行った結果、求人検索の網羅性が向上し、表示回数が増加、それに伴い応募数の増加も確認できました。
このように、限られた予算内での効果改善を目的とする場合、特定のキーワードを追加することで流入数が改善されるケースがあります。
ただし、闇雲にキーワードを入れても良いわけではありません。
例えば、コロナウイルスの流行に伴い在宅ワークが普及してきましたが、在宅ワークが可能である求人の場合は「在宅勤務」や「在宅ワーク」「リモートワーク」などのキーワードを積極的に追加しておくと、より多くのユーザーに認識してもらえる確率も上がります。
一方で、在宅ワークを実施していない企業が求人原稿にこれらのキーワードを入れてもミスマッチが起こってしまうだけとなってしまいます。
アプローチ先を間違えると危険なので注意しましょう。
【クリック単価(CPC)】機会損失を防ぐための適正なCPCの見極め方
ここでは求人検索エンジンにおける広告費が発生するポイントとなるクリック単価(CPC)※以下CPCについて解説します。
クリック単価(CPC)とは
CPCとはCost Per Clickの略で、1クリック毎にいくら費用がかかったかを表す指標です。
平均CPCの動きを見ることで競合や自社の広告の状況を把握することができるため、今の広告は効率が良いのか、無駄な費用が発生していないか、などの判断材料にもなります。
平均CPCとクリック数の関係性から見えてくる広告の配信状況とは
平均CPCはクリック数や広告の品質、応募数などと密接な関係があり、その関係性によって様々な状況が考えられます。
一般的な動きとして以下の表を参考に実際の管理画面で確認してみましょう。
クリック数の変化 | 平均CPCの変化 | 応募数の変化 | 想定される状況 | 評価 |
---|---|---|---|---|
増加 | 安くなった | 増加 | 理想的な傾向。 ターゲットとなるユーザーに対して効果的な訴求が出来ているため、安価でクリックの獲得ができ、応募数も比例して増えている状況。 |
◎ |
減少 | 高くなった | 増加 | 改善傾向。 市況の激化に伴い入札は高騰しているものの求人自体のポテンシャルが高いため応募が増えている状況。 |
〇 |
増加 | 安くなった | 減少 | 要改善。 想定外のターゲット層が多く流入している状況。応募率が低く無駄クリックが発生しているため、タイトルの見直しなどを行いサイト流入をコントロールする必要がある。 |
△ |
減少 | 高くなった | 減少 | 悪化傾向。 市況の激化に伴い入札が高騰、広告が埋もれている可能性あり。キーワードの追加などユーザーの目につくような求人原稿を掲載し他社と差別化する必要がある。 |
× |
このように各指標の変化を察し、対策を講じることで効果改善が期待できます。
以下では「×」から「◎」に改善した事例を紹介します。
【事例紹介】キャンペーン構成の変更により応募数が増加した方法
【B社】スタンバイのスポンサー枠 大手ホテルチェーンアルバイト
会社規模 | 求人数:約500~1,000件 表示回数:約300,000回/月 応募件数:約30~50件/月 |
---|---|
施策内容 | 配信構成の変更(キャンペーンの統合) |
結果 | クリック数:約140%の増加 平均CPC:約40%削減 応募件数:約145%増加 |
B社は勤務地ごとに3つのキャンペーンに分けて効果検証を行っていたのですが、配信ボリュームの減少に伴い1キャンペーンに統合し配信を行いました。
これにより1キャンペーンあたりの求人数が増加した影響で検索ヒット率が向上し、平均CPCが低下、相対的にクリック数も増加し応募数の拡大に至りました。
このように無理してキャンペーンを細分化するよりもシンプルに一本化すると効果が良くなるケースもあります。
【クリック率(CTR)】 無駄クリックを防止するためのタイトルとは
ここではサイト集客における重要な指標であるクリック率(CTR)について解説します。
クリック率(CTR)とは
クリック率(CTR)※以下クリック率とは、表示回数に対してどれくらいの割合でクリックされたのかを示す指標のことで、クリック数÷表示回数で計算できます。
この指標が高ければ高いほどよりクリックがされやすい求人であることが言えます。
【事例紹介】応募数0件だった求人でも獲得できるようになった方法
こちらではタイトルを工夫したことでこれまで応募が0件だった求人でも獲得ができた事例を紹介します。
【C社】求人ボックスのスポンサー枠 製造・工場系派遣
会社規模 | 求人数:約100件 応募件数:約5~20件/月 |
---|---|
施策内容 | タイトル改修(タイトル冒頭に特徴キーワードを挿入) |
結果 | クリック率:約1.4倍の上昇 応募件数:0件⇒2件の獲得 |
C社は求人数が少なく1求人毎の”質”が重要だったのですが、応募が0件だったため、どのように効率化していくかが課題でした。
効果がすぐに検証できる施策の一つとしてタイトルの改修が挙げられますが、今までのタイトルは職種名だけのシンプルな記述であったため、幅広いユーザーを受け入れることができる一方、タイトルがユーザーの目に留まることがなく、数ある同様の求人情報の中に埋もれている可能性がありました。
そこで条件に合った求人のタイトルの冒頭には「未経験」や「新着」など、特徴的なキーワードを挿入したところわずか数日後に2件の獲得が出来ました。
タイトル変更後のクリック率は1.4倍となり、流入数が増えたことが今回の獲得に繋がったと考察できます。
しかしサービスによっては職種名のみを推奨としているケースもあり、ルール違反をすると掲載落ちするリスクもあるため、あらかじめ各サービスのガイドラインを確認してから実行したほうが良いでしょう。
タイトル改修は効果検証がしやすい施策なので是非試してみてくださいね。
【応募率(CVR)】Googleアナリティクスを使った求人の効率化
最後に広告配信を行う上で特に重要な指標である応募率(CVR)※以下CVRについて解説します。
応募率(CVR)とは
CVRとはクリックされた内、どのくらい応募に繋がったのかの割合の指標であり応募数÷クリック数で計算できます。
スピーディーにCVRを上げる方法とは
CVRを上げるためには求人原稿の改善や、コンバージョンポイント(成果地点)の見直しをする、など様々な方法がありますが、求人数が数千件~数万件あるような規模が大きいサイトだとすぐに対策が打てないという方も多くいらっしゃいます。
そこでおすすめするのはユーザーの流入数を限定するような対策です。大まかに、CVRが低いユーザー層を減らすのか、CVRが高いユーザー層を増やすのか、どちらのユーザーにアプローチするのかが基本的な戦略になります。
CVRが低いユーザーを減らすGoogleアナリティクスを使った効率化の方法
今回は流入数を限定する対策として、Googleアナリティクスを利用してCVRが低いユーザーを減らすことに焦点を当てて紹介します。
結論から言うと、クリック数が多い且つ応募が獲得できていない求人を除外していくという方法です。
やり方はとても簡単ですが、前提としてGoogleアナリティクスと求人サイト(採用ページ)を連携させておく必要があるため、連携していない場合、利用はできません。
以下ではGoogleアナリティクスで求人の絞り込みを行う手順について解説します。
- 集客>すべてのトラフィック>参照元/メディアを選択し、Indeed、スタンバイ、求人ボックスなどの媒体を選択します。
- 「求人応募」に相当する目標を選択します。
- プライマリディメンションを「ランディング ページ」にします。※セカンダリディメンションでも設定が可能です。その場合はランディングページの左側に「参照元」が出現します。
- セッションを降順にします。※グレーゾーンになっている「セッション」をクリックすれば降順になります。
これで「応募数が0件且つ、セッションが多い順」という条件で求人を1件ずつ抽出することができ、無駄クリックが発生している求人を判別することができるようになりました。
あとは各媒体の管理画面上で除外設定すればCVRが低くクリックが多かった求人を配信から外すことができます。
費用対効果が悪い求人を除外することで、応募が獲得できる求人に予算を割り振ることができるようになり効率化も進むことでしょう。
※Indeedには「Indeedアナリティクス」というツールがあり、それを使えばGoogleアナリティクスと同様にどの求人にクリックが集まっているのか、確認ができます。
まとめ
今回は求人検索エンジンを中心に運用型広告における様々な指標について解説しました。1つ1つの指標の動きを理解することで今の広告の状況を掴むことができるようになるはずです。是非参考にしてみてくださいね。
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