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YMYLとは?これからのSEO・サイト運営で気をつけるべきポイントを解説

YMYLとは?これからのSEO・サイト運営で気をつけるべきポイントを解説
YMYL(Your Money Your Life)はGoogleの品質評価ガイドラインに定められた項目です。

お金や健康、政治等、人々の生活に大きな影響を与えるジャンルを扱うページを指し、YMYL領域においてはその他の領域と比較して厳しい品質の基準を設けています。

この基準を知らないままサイトを運営していると、Googleの評価基準に満たないコンテンツを作成してしまい、ページ、ひいてはサイト全体の評価が下がってしまう恐れがあります。

結果として検索順位が下がり、ウェブ集客に大きな影響がでてしまいます。

YMYLに該当するジャンルを取り扱うサイトを運営しており、SEOに取り組みたいとお考えの方は、気を付けるべきポイントをご確認ください。

SEO施策の全体像を把握したい場合は、こちらの記事をご覧ください。
関連記事:SEOとは?8つの基本対策と上位表示のポイントを徹底解説
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YMYLとは

YMYLとは、Your Money Your Lifeの頭文字を取った言葉であり、人々のお金、健康、生活に大きな影響を与えるジャンルを指します。

Googleは特にYMYLジャンルにおける検索結果の品質向上に注力しており、アルゴリズムのアップデートや品質評価ガイドラインへの項目追加などの取り組みをしてきました。

YMYLジャンルについて、品質評価ガイドラインより一部抜粋した内容を紹介します。

Googleの品質評価ガイドラインにおける「YMYL」

Googleの品質評価ガイドラインでは、YMYLについて次のように定義しています。

ウェブページやトピックの中には人々の将来の幸福、健康、経済的な安定、安全などに影響を与える可能性のあるものがあります。
我々(Google)はこのようなページを「Your Money or Your Life」ページ(YMYL)と呼んでいます。

では、具体的にどんなジャンルがYMYLに該当するのでしょうか?
具体的な例について紹介いたします。

ニュース、時事問題

国際的なイベント、出来事やビジネス、政治、科学、テクノロジーにまつわる重要なニュースを扱うコンテンツ。ただし、全てのニュースが必ずしもYMYLに分類されるわけではないことに留意。(例:スポーツ、エンタメ、日常生活のトピック等は一般的にYMYLとはみなされません。)

公民、政府、法律

選挙、政府機関、公共機関、社会福祉、法律問題(離婚、子供の親権、養子縁組、遺言書の作成等)。市民がこのような情報を常に理解しているために重要となるコンテンツ。

金融

投資、税金、退職金、ローン、銀行、保険などに関するアドバイスや情報、特にオンラインでの購入や送金を可能にするウェブページ。

買い物

商品やサービスの調査や購入に関する情報やサービス。特にオンラインでの購入を可能にするページ。

健康と安全

医療問題、薬、病院、緊急時の備え、活動の危険性などに関するアドバイスや情報。

人々の集団、グループ

ある集団に関する情報や主張について。人種または民族的出身、宗教、障害、年齢、国籍、退役軍人の地位、性的指向、性別または性同一性に基づいてグループ化された人々。 性別または性同一性(※上記が全てではありません。)

その他

大きな決断や人々の生活の重要な側面に関するトピックス。フィットネス、住宅情報、栄養、大学選び、就職等。

これらのジャンルにおいては、Googleはページの評価基準をより厳格にし、検索結果の品質を向上を目指しています。

YMYLが品質評価基準の1つとなった背景

では、なぜこのような基準が求められるようになったのでしょうか。
そのヒントは、「Googleが掲げる10の真実」にも記載されています。

「Googleは、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。」

この一文からも分かるように、Googleは常にユーザーの利益を追求しています。

例えばユーザーが自身の健康状態について調べたいとき、真偽が定かでない、低品質なコンテンツが大量に検索結果に表示されてしまったら、人生の決定に悪影響を及ぼしかねません。
誤った薬の飲み方、適切ではない治療方法など、人々の命に関わるトピックも存在します。

そのような事態を未然に防ぐため、Googleは一部のジャンルを「YMYL」と定め、それらについてその他の領域よりも厳しい基準を設けているのです。

ただし、勘違いしないようにすべき点もあります。
Googleは特別厳しい基準をYMYL領域に定めていますが、その他の領域であっても質の高いコンテンツを作り、ユーザーに提供することに変わりはありません。

GoogleのアップデートとYMYL

「YMYL」の概念が提唱されるようになったのは2018年頃でした。
このことから、「YMYL」は比較的新しい概念と思われる方もいるかもしれません。

しかし、「YMYL」で重視される考え方は近年になって突然提唱されるようになったわけではありません。

Googleはサービスを開始した当初から、コンテンツの質に関してアップデートを重ねており、「YMYL」領域における評価基準の変化もその一環と考えることができます。

Googleはこれまで、「コアアルゴリズムアップデート」と呼ばれる大規模なアルゴリズム更新の他、「パンダアップデート」「ペンギンアップデート」など、ページやコンテンツの質に関わるアップデートを実施してきました。

Googleの目指すところを理解するにあたり、「YMYL」領域とも関わる代表的なアップデートを紹介いたします。

2011年2月 パンダアップデート

Googleが最初に実施したと言われるアップデートです。
日本では2012年7月に実装されています。

コンテンツの品質を評価するアルゴリズムが検索エンジンのシステムに組み込まれ、以後、2015年まで継続的に実施されました。

尚、現在は通常のアルゴリズムに組み込まれており、「パンダアップデート」という名称での更新はなくなりました。

このアップデートでペナルティの対象となったのは、主に下記のようなウェブサイトです。
・無断に複製されたコピーサイト
・誘導ページ
・自動生成された内容の薄いサイト(キーワードのみで意味をなさないサイト等)
・商品リンクのみで構成されたアフィリエイトサイト等、情報量の少ないサイト

低品質なコンテンツをできる限り検索結果から排除する、という取り組みは当初からおこなわれていたことが分かります。

2011年12月 フレッシュネスアップデート

フレッシュネスアップデートは文字通り”フレッシュネス=新鮮さ”に関するアルゴリズムアップデートです。
ユーザーが求める、より新しい情報を上位表示する「フレッシュネスアルゴリズム」を導入しました。

例えばユーザーが「今年の〇〇イベントの日程を知りたい」と思って検索した際、検索結果に5年前のイベント情報が出てきてしまったら、とても不便ですよね。

もっと深刻な場合だと、「ある病気の治療方法」が10年も前のものしか表示されなかったら、より安全で効果の高い治療法にユーザーがたどり着けない恐れもあるのです。

昨今、目まぐるしく変化するコロナ禍の情勢においても、検索結果は変化し続けています。
ニュースなどの時事問題、健康といったYMYLジャンルでも、情報の新しさは重要な要素となっています。

2017年2月 ”ウェルク”アップデート

“ウェルク”アップデートは日本限定で実施されたアップデートです。

ある大手企業が展開していた「ウェルク」というキュレーションサイト(=まとめサイト)において、問題のある記事を掲載しているにも関わらず、検索結果の上位を総嘗めにしているという状況がありました。

”ウェルク”アップデートの概要をお伝えする前に、なぜこのようなアップデートが必要になったのか、何が問題とされたのかを解説します。

「ウェルク」の問題点

「ウェルク」では美容、健康、医療に関する情報が扱われていましたが、かねてより

  • 「医学的に間違った情報が掲載されている」
  • 「専門性のないライターが執筆し、また専門家による記事監修もおこなわれていない記事がある」
  • 「他サイトから無断転載した記事を使用している」

といった指摘が寄せられていました。

時には命に関わるトピックスにおいても事実と異なる情報が拡散されており、「ウェルク」、そして「ウェルク」を運営している企業への非難が大きくなっていきました。

結果として、2016年12月、運営会社は「ウェルク」を含む全てのキュレーションサイトの全記事を非公開化するにいたりました。

「ウェルク」だけでなく、非難はGoogleへも

では、なぜこのような問題のあるサイトが検索結果の上位を占める状態になっていたのでしょうか。

当時のGoogleアルゴリズムでは「コンテンツの充実度」を「文字数」で測っていたと思われます。
その結果、真偽が定かでない低品質なコンテンツであっても、文字数が他より勝っていれば「情報が充実した優良なコンテンツ」であると認識されてしまい、検索結果の上位に表示されていたのです。

かつて「ウェルク」には1万文字を超える記事が多数存在していました。
ただし、それは充実したオリジナルコンテンツではなく、他のサイトから転載してきた内容に「文字数を盛る」ことによって構成されたコピー・リライト記事だったのです。

運営会社は、言ってしまえばGoogleアルゴリズムの穴を突くSEOで上位表示を実現していたのです。
そして、「そのような記事を上位表示させている検索エンジンにも問題がある」として、Googleへも非難が向かうことになりました。

”ウェルク”アップデートの必要性

”ウェルク”アップデートは2017年2月に「ウェブマスター向け公式ブログ」にアナウンスが掲載されたアップデートを指しますが、Googleが明言した名称ではありません。
直前に起きたキュレーションサイト「ウェルク」の騒動、また日本限定という範囲から通称として定着するようになりました。

前述した通り、「ウェルク」の問題は運営会社だけでなく、Googleのアルゴリズムにもありました。
アップデートのアナウンスで、具体的な社名やサイトの明言はありませんでしたが、「ウェルク」のような問題を二度と起こさないためのアップデートと考えて良いでしょう。

アナウンスがされた当時のブログの文章を一部抜粋いたします。

今回のアップデートにより、ユーザーに有用で信頼できる情報を提供することよりも、検索結果のより上位に自ページを表示させることに主眼を置く、品質の低いサイトの順位が下がります。
その結果、オリジナルで有用なコンテンツを持つ高品質なサイトが、より上位に表示されるようになります。

引用元:Googleウェブマスターブログ「日本語検索の品質向上にむけて

このように、SEOによる集客、マネタイズのみを目的としたサイトを判別し、順位を下げることで検索結果の品質を向上できるよう、アルゴリズムを改善したのが”ウェルク”アップデートだったと言えます。

YMYLとSEO

”ウェルク”アップデート以降、医療や健康に関わるジャンルにおいてはアルゴリズムの改善がなされ、日々検索結果の品質が向上しています。

2018年8月に実施されたコアアルゴリズムアップデートでは、YMYL領域のサイト、特に医療関連情報を扱うサイトに大きな変動がありました。

先に引用したとおり、ユーザーの利便性よりも上位表示を優先させたサイトは低品質とみなされ、順位が下がる可能性があります。

ここからはYMYL領域でSEOをおこなう際に気を付けるべきポイントについて解説していきます。

「E-A-T」を満たす

Googleのこれまでのアップデートからも見て取れるように、誤った情報の掲載や他のサイトからの転載、専門知識がないライターが作成、情報が古い…そのようなサイトはGoogleから「低品質」であると評価されてしまいます。

コンテンツの品質が重視されるのはどのジャンルでも同じですが、YMYL領域では更に厳しい基準で判断されていることを忘れてはいけません。

そこで、「E-A-T」と呼ばれる項目を満たすことが重要になっています。
「E-A-T」とは、

  • Expertise(専門性)
  • Authoritativeness(権威性)
  • Trustworthiness(信頼性)

の頭文字を取った概念です。

「E-A-T」自体に個別のスコアがあるわけではないものの、3つの要素を満たすことでコンテンツの品質が高まります。

具体的には「著作者情報をきちんと掲載する」「公的機関の情報を参照する」「情報をしっかりと更新する」などの対策をしておくことで専門性、信頼性が向上します。

そして、信頼性が高まるほど、外部からの引用やリンクが増え、権威性も高まっていくのです。

「E-A-T」は冒頭で引用したGoogleの「品質評価ガイドライン」で定義されていますので、一読することをおすすめいたします。

また、下記の記事でも「E-A-T」について解説しておりますので、合わせてご確認ください。

1つのサイトにYMYLコンテンツと非YMYLコンテンツを混ぜない

2021年9月におこなわれたオフィスアワーにおいて、GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏が発言しました。

YMYLのように慎重に扱うべきトピックと、人々の生活に影響の少ない非YMYLコンテンツを同じサイトに掲載し公開していると、Googleはサイト全体がどのような情報を扱っているのか判断が難しいとのことです。

サイトのテーマがブレて評価されてしまうと、順位が安定しない、YMYL領域に対するアップデートで他の領域にも影響を受けてしまうなどのリスクが考えられます。

まとめ

YMYL領域には何か特別な指標があると思われがちですが、実際に気を付けるべきポイントは普段コンテンツを作る際と同じです。

ただし、YMYLではないコンテンツでは「上位表示に必要な要素」である指標が、YMYLコンテンツでは「上位表示に必須な要素」となることが重要です。

ユーザーにより良質なコンテンツを届けるためにも、YMYLやGoogleのアルゴリズムを理解し、信頼性の高いサイトを作るように心がけましょう。

SEOに強いコンテンツ作成の方法はこちらの記事をご覧ください。
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