Googleアナリティクス(GA4)のランディングページとは?分析ポイントを解説

この記事では、最新のアクセス解析ツールであるGA4を使って、ランディングページを徹底的に分析し、成果に繋げるための実践的なノウハウをすべてご紹介します。
GA4でのLPレポートの探し方から、見るべき主要な指標の意味、エンゲージメント率が低い原因の特定、コンバージョン改善のための具体的な分析手法、さらには行動に繋げるためのレポーティング方法までを網羅。 データに基づいた効果的なLP改善の第一歩を、この記事から始めましょう。
Googleアナリティクス(GA4)のランディングページとは?
Googleアナリティクスのランディングページ(Landing Page)とは、
検索結果や広告などを経由してユーザーが最初にアクセスしたページのことを指します。略してLPとも呼ばれ、ユーザーがページに着地する(land)イメージからついた名称です。
ランディングページは「広義のランディングページ」と「狭義のランディングページ」があり、Webマーケティングで主に使われるのは狭義のランディングページになります。
広義のランディングページとは
広義のランディングページとは、WEBコンテンツのなかでユーザーが最初にアクセスして「着地」したページのことを指します。
トップページに最初にアクセスされた場合はトップページがランディングページとなりますが、たとえそれがサイト内の中層ページであっても、最初に着地したコンテンツであればランディングページとなります。
狭義のランディングページと区別するため、「入り口ページ」「集客ページ」とも呼ばれることもあります。アクセス解析ツールGoogleアナリティクスでのランディングページは、こちらの意味で使われています。
狭義のランディングページとは
狭義のランディングページとは、ユーザーのアクションを誘導することに特化した縦長レイアウトのページのことです。 一般的にランディングページ(LP)というと、こちらを指すことが多く、広告運用の場でよく使われます。
具体的には、
- 商品の注文 → 売上げアップ
- 見学会などの予約 → 見込み客の発掘
などのように、目的に合わせた導線を作ることを意味します。
Googleアナリティクス(GA4)でランディングページを確認する方法
整理すると、Googleアナリティクスでのランディングページとは、ユーザーがWebサイトを訪問した際に、最初に閲覧したページのことです。言い換えると、セッションが開始されたページということになります。
実際にどのページがランディングページになっているかは、アナリティクス内で
・GA4の管理画面にログイン
・左メニューから 「レポート」 をクリック
・「ライフサイクル」 → 「エンゲージメント」 → 「ランディングページ」を選択
でGA4の標準レポートから確認することができます。
GA4における「ランディングページ」は、セッションの最初のページビューが発生したページのパス(URL) を指します。
UA(ユニバーサルアナリティクス)と違い、ページパスだけでなく、クエリパラメータ付きのURL単位で集計される点に注意してください。
ランディングページの分析で見るべき指標
ランディングページを分析する際には、必要となる6つの指標があります。それぞれの指標により、何を知ることができるのか、何を改善するとよりよのか、整理して理解しましょう。
ここでご紹介する指標を活用すれば、
- WEBサイトを改善する優先順位を見つけること
- WEBコンテンツの改題を見つけること
が実現できます。
セッション数
最初に紹介するのは、「セッション数」です。このセッション数は、Googleアナリティクスの「行動」>「サイトコンテンツ」>「ランディングページ」レポートを開くことで確認できます。
セッション数の多さは、ユーザーの閲覧数が多いことを示す指標です。セッション数の多いページを特定し、充実、強化することで、より多くのユーザーに閲覧してもらうことが可能になります。
この指標を活用すれば、閲覧数を増やすだけでなく、閲覧しているユーザーをコンバージョンへ導く施策などにも有効です。セッション数が低い場合、セッションが途切れる理由が頻繁に発生している可能性もあるため、対策を講じる必要があります。
特に早急に施策を講じる必要があるのは、セッションがタイムアウトするまでの時間が短い場合です。これは、離脱するための時間が短い可能性があり、WEBサイト上にとどまる時間が短いことを意味しています。原因としては、ユーザーの求める情報が少ない場合などが考えられます。
こうした場合、コンテンツ内により充実した情報を付加するなどの施策が考えられます。その他にも、コンテンツの閲覧がしづらい、情報を検索しにくいといった場合も想定されますので、改善点を明確にすることが大切です。
エンゲージメント率
GA4でランディングページ(LP)の成果を見る際に、特に重要になるのが「エンゲージメント率」です。ユニバーサルアナリティクス(UA)に慣れていた方は、「直帰率」に代わる主要な指標として注目してください。ただし、その意味合いはUAの直帰率とは少し異なります。
GA4におけるエンゲージメント率とは、セッション全体のうち**「エンゲージメント」があったセッションの割合です。では、「エンゲージメント」とは何でしょうか? GA4では、以下のいずれかの条件を満たしたセッションをエンゲージメントがあったセッションと定義しています。
- 10秒を超えて継続したセッション
- コンバージョン イベントが発生したセッション
- 2ページ以上の画面ビューが発生したセッション
これに対し、UAの直帰率は「1ページだけを見てサイトを離脱したセッションの割合」でした。つまり、UAの直帰率は「サイト内に興味を持ってとどまったか(または離脱したか)」の指標であったのに対し、GA4のエンゲージメント率は「ユーザーがそのセッション中に、サイトに対して何らかの積極的な関与(一定時間の滞在、コンバージョン、複数ページ閲覧)をしたか」をより重視している指標と言えます。
ランディングページ分析において、エンゲージメント率はLPの魅力度やユーザーとの関連性を測る重要な指標となります。
- エンゲージメント率が高いLP: 訪問したユーザーが、LPのコンテンツに興味を持ち、じっくり読んだり、サイト内の他のページに移動したり、目標として設定されたコンバージョンに至ったりしている可能性が高いです。LPの内容やデザインがユーザーの期待に応えられていると考えられます。
- エンゲージメント率が低いLP: ユーザーがLPにアクセスしてすぐに離脱している、または10秒も滞在せず、コンバージョンも他のページへの遷移もしていない可能性を示唆します。これは、LPのファーストビューでユーザーの心をつかめていない、コンテンツが求めている情報と異なっていた、表示速度が遅い、といった問題があるサインかもしれません。
UAの直帰率同様、エンゲージメント率が低いからといって一概に「悪いLP」とは断定できませんが、改善の余地がある重要なシグナルとして捉え、次に説明するような深掘り分析に進むきっかけとすべき指標です。
直帰率
直帰率とは、ランディングページのうち、特定のページだけを閲覧しWebサイトから離脱した割合を示します。直帰率が低いほど、自社サイト内を回遊していることになります。
直帰率を下げることは、滞在時間を長くして自社の商品やサービスをより多く閲覧してもらえる可能性に繋がります。例えば、動画などをコンテンツに加えると効果的です。
反対に、直帰率が高いということは、離脱しやすい環境であることを表しています。
しかし、GA4の標準レポートには、UAで使われていた意味での「直帰率」はデフォルトでは表示されていません。これは、GA4がユーザーのサイト内での「エンゲージメント(サイトへの関与度)」をより重視した設計になっているためです。
GA4では、UAの直帰率に代わる、あるいはそれに近い概念として「エンゲージメント率」や「エンゲージメントがあったセッション」が導入されています。 前述の通り、GA4で「エンゲージメントがあったセッション」と見なされるのは、以下のいずれかを満たした場合です。
- 10秒を超えて継続したセッション
- コンバージョンイベントが発生したセッション
- 2ページ以上の画面ビューが発生したセッション
つまり、UAで直帰(1ページだけ見て離脱)とされていたセッションの多くは、GA4では「エンゲージメントがなかったセッション」として扱われます。そして、GA4の標準レポートでは、エンゲージメントがあったセッションの割合である「エンゲージメント率」が主要な指標として提示されます。
LP分析においては、この「エンゲージメント率が低い」という状態が、UAでいう「直帰率が非常に高い」状態に相当すると考えて差し支えありません。LPに訪問したユーザーが、10秒未満で、コンバージョンも他のページへの移動もせずに離脱している可能性が高いことを示唆します。
GA4のレポートカスタマイズ機能を使えば、「直帰率」という指標をレポートに追加することも可能です。ただし、このGA4における「直帰率」の定義は、「エンゲージメントがなかったセッションの割合」です。UAのように「1ページビューで離脱したセッションの割合」ではありません。(※GA4のエンゲージメント定義を満たさなかった全てのセッションの割合となります。)
したがって、GA4でLPの「早期離脱」や「ユーザーの無関心」を示す指標として見るべきは、標準レポートにある「エンゲージメント率」(高いほど良い)か、あるいはレポートに追加したGA4版の「直帰率」(低いほど良い、エンゲージメント率の補完関係にある)のいずれかとなります。どちらを使う場合でも、GA4における定義を正しく理解し、LPの改善に役立ててください。
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平均エンゲージメント時間(滞在時間)
GoogleアナリティクスがUAからGA4に移行するにあたって、レポート画面・指標の変更・追加がありました。GA4で新たに追加された指標の1つが「エンゲージメント」です。GA4で「滞在時間」を測るには、「エンゲージメント時間」を利用します。
以下にGA4での「エンゲージメント時間」の測定方法を解説します。
滞在時間の確認方法(基本レポート)
GA4左メニュー → 「レポート > エンゲージメント >ページとスクリーン」をクリックします。
URLごとの平均エンゲージメント時間が表示されます。
平均エンゲージメント時間が長いほど、ランディングページを起点としてWEBコンテンツ内にとどまっている時間が長く、ユーザーに閲覧されていることになります。逆に短い場合には、ランディングページから短時間で離脱するユーザーが多いことを示します。
アナリティクスの仕様では、ランディングページへのアクセスをスタートとして、離脱前の最後のページまでの時間が滞在時間となります。
GA4(Google アナリティクス 4)とUA(ユニバーサル アナリティクス)では、「滞在時間」の計測方法や意味が大きく異なります。以下に主な違いを分かりやすくまとめます。
GA4とUAにおける「滞在時間」の違い
比較項目 | UA(ユニバーサル アナリティクス) | GA4(Google アナリティクス 4) |
---|---|---|
基本的な考え方 | ページビュー間の時間差を使って滞在時間を計算 | 「エンゲージメント時間」を主に使う |
ページ滞在時間の計測 | 次のページに遷移しないと滞在時間を測れない(直帰は0秒) | 単一ページでもアクティブな時間を計測可能 |
直帰時の扱い | 滞在時間は0秒とカウント | エンゲージメント(10秒以上の滞在など)があればカウントされる |
主な指標 | 平均セッション時間、ページ滞在時間 | 平均エンゲージメント時間、エンゲージしたセッション |
イベント連携 | 手動でイベントを設定する必要あり | イベントベースが基本。自動で多くのイベントが記録される |
データの正確性 | 表面的で過小評価されがち | 実際のアクティブ時間に近い値になる傾向 |
滞在時間が短く、離脱している可能性がある場合には、滞在時間を延ばすために導線の見直しや内部リンクを張るなどの工夫が有効です。
コンバージョン数・コンバージョン率
コンバージョンとは、ランディングページに訪問したユーザーが、Webサイトの「目標」をどの程度達成したのかという状況を示す指標です。数字が高い場合、そのサイトは目的を達成している可能性が高いことを示します。
ここでいう目的は、例えばランディングページから資料請求への誘導や商品の購入、会員登録、LINEの友達追加などが挙げられます。
数値が低い場合、目標の達成率も低くなります。原因としては、コンバージョンまでの導線やコンテンツ内容に不足がある場合が予想されます。ページごとにユーザーの流入動機によってコンバージョン意欲が異なる点は注意が必要です。
クリック数と検索順位
クリック数と検索順位は、Googleサーチコンソールと連携することで確認できる指標です。
Googleサーチコンソールとは、Google検索でのWebサイトのパフォーマンスを分析するツールになります。Googleが提供していて、Google検索エンジンにおける対象サイトの調査に特化したものです。
無料で使うことができるので、利用者が多いのも特徴です。アナリティクスのメニューの「集客」>「Search Console」のレポートで確認できます。
GA4でサーチコンソールのデータを使うには、GA4プロパティとサーチコンソールのプロパティを連携(リンク)する必要があります。UA時代と比べると連携方法や閲覧できるレポートの仕組みが異なる点に注意してください。
クリック数は、ユーザーがGoogleの検索結果画面でWebサイトのURLを何回クリックしたかの実測値となり、数値が高いほどアクセスされていることを示します。クリック数を高めるためには、魅力的なタイトルや思わずクリックしたくなるような訴求文にすることがポイントです。
検索順位は、ユーザーが検索したキーワードに対して自社サイトは上位から何番目に表示されるのかを示す指標になります。ユーザーは検索した結果を上位(画面上部に表示されるもの)から閲覧する傾向があるので、検索順位によってクリック率が大きく変わります。
流入経路(参照元/メディア)
流入経路とは、どこを経由してWEBコンテンツを閲覧しているかの経路を確認するための指標です。GA4のホーム画面から「レポート」>「集客」>「トラフィック獲得」で確認することができます。
参照元とメディアは「/」で仕切られており、「参照元」「メディア」をそれぞれ確認することが可能です。
- 参照元
メディアを細かく識別したものです。流入元の検索エンジン(Google、Yahoo!など)やドメインがわかります。 - メディア
Organic(自然検索)やcpc(広告)、none(お気に入り登録、URLの直接入力)など、どこからユーザーが来たのか媒体や手段がわかります。
流入経路を確認できれば、流入経路を増やすための施策が効果的なのか、修正が必要なのか、などの判断が可能です。
ランディングページの分析・改善におすすめのツール
ランディングページをさらに深く分析、改善することができるツールについて紹介していきます。
ここで紹介するツールは、ランディングページの充実により役立つものです。ぜひ、Googleアナリティクスと併用して利用していきましょう。
Googleサーチコンソール
Googleサーチコンソール(Google Search Console)とは、Googleが提供している無料のサイト解析ツールです。サイト流入元の検索キーワードの表示回数やクリック数、サイトの掲載順位、ほかにもURLをインデックス化、サイトの問題を検出したりなど、サイト改善に必要な情報を収集することができます。
Googleサーチコンソールを使えば、サイト訪問までのユーザー行動や自社サイトに違反要素など問題がないかなどを分析可能です。
一方でGoogleアナリティクスは、ユーザーが自社サイトにアクセスしてからコンバージョンするまでの、サイト訪問後のユーザー行動を分析するツールです。
Googleサーチコンソールで集客やSEOの改善を行い、Googleアナリティクスでコンバージョン数・コンバージョン率を追うことで、サイトの改善後の効果を見ていくことができます。GoogleサーチコンソールはGA4と連動させることが可能なので、ぜひ併せて活用してみてください。
ヒートマップツール
ヒートマップツールとは、Webページ上のユーザーの動きを色で表示するツールです。視覚的に動きを確認できるので、初心者でも理解しやすい解析手法となります。
人間の目とマウスの動きには、高い相関があることが知られています。これを利用し、マウスの動きをもとに、ユーザーがどこをよく読んでいるのか、あるいはどこで離脱しているのかなど、色を用いてデータを示しているのです。
ヒートマップツールは、ウェブマーケティング上のLPO(ランディングページ最適化)には必須のツールです。顧客の動きを把握することで、顧客の導線を確認でき、獲得やコンバージョンアップに役立ちます。
ヒートマップツールを利用すれば
- 熟読エリアはどこか(よく読まれている箇所)
- 終了エリアはどこか(離脱されている箇所)
- クリックエリアはどこか(よくクリックされている箇所)
を知ることができます。
特に利用者の多いヒートマップのツールを紹介していきましょう。
Ptengine
Ptengineは、株式会社Ptmindが運営するユーザー体験分析ツールです。
2013年にサービスが開始され、現在では世界中で15万人を超えるユーザーが利用しています。グッドデザイン賞を受賞した、見やすくわかりやすい画面が特徴です。
Ptengineを使えばユーザーの動きが把握しやすくなり、より分析しやすくなります。
User Heat
基本的な機能を備えた、オーソドックスなヒートマップツールがUser Heatです。
ユーザーがクリックした位置や熟読したエリア、離脱したエリアなどを視覚的に把握することが可能です。30万PVまで解析することが可能なため、無料ながら中小企業における調査では十分に使える機能だといえます。
まとめ:GA4ランディングページ分析で成果を最大化する第一歩を踏み出そう
この記事では、GA4でランディングページ(LP)のパフォーマンスを分析し、改善に繋げるための具体的な方法を解説しました。
- GA4でのLPレポートの見つけ方と、主要な指標(エンゲージメント率、コンバージョンなど)の意味
- ディメンションを使った深掘り分析で、ユーザー行動の背景を理解する方法
- 分析結果から、エンゲージメント率やコンバージョン率が低いLPの原因を特定し、具体的な改善策を考えるヒント
LPは、あなたのウェブサイトの「顔」であり、多くのユーザーが最初に訪れる重要なページです。GA4のデータを活用してLPの現状を正しく把握し、「なんとなく」ではなくデータに基づいた改善を積み重ねることが、コンバージョン率向上やビジネス成果最大化への最も確実な道となります。
分析は一度行えば終わりではありません。改善策を実行した後は、再度GA4のレポートを確認し、その効果を測定することが重要です。このPDCAサイクルを回し続けることで、あなたのLPは常に最高のパフォーマンスを発揮できるようになります。
この記事が、あなたがGA4を使ったランディングページ分析に取り組み、具体的な改善アクションへと繋げるための第一歩となれば幸いです。ぜひ、今日からあなたのLPデータをチェックしてみてください。
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