直帰率とは?離脱率との違いや目安、改善方法を徹底解説
また、厄介なのは、分析ツールの各数値の意味を把握しても具体的な改善方法に数値を落とし込めないことです。このままでは、数値をただ計測するだけの意味のない業務となってしまいます。
そのような事態に陥ってしまわないためにも、今回は特に「直帰率」にフォーカスしたページ改善の具体的な方法を紹介していきます。サイト分析・改善が未経験のWeb担当者も読了後すぐに実践できる内容となっているため、自社サイトの状況をイメージしながら読み進めることをおすすめします。
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直帰率とは
直帰とは、ユーザーが「訪問したページだけを見てそのままサイト外に出るユーザー行動」を指します。したがって、直帰率とはサイト全体に訪れたユーザーのうち、「直帰したユーザーの割合」と定義できます。
例えば10人のユーザーがZサイトのAページに訪れたとします。そのうち4人がAページからBページへと移動し、6人がAページだけを見て検索体験を終了した場合は「10人中6人が直帰した」ため、ZサイトのAページの直帰率は60%となります。
直帰率はGoogleアナリティクスなどの分析ツールを利用して確認することができ、ページ別ユーザー行動の特性をつかむ上で重要な指標となるため、継続的に計測・分析をおこなう必要があるといえます。
ユーザーが直帰する理由
直帰率は特定ページに流入したユーザーがサイト内を回遊することなく検索体験を終了した割合のことです。
ユーザーが直帰する理由には様々なパターンがあり、主に以下の5つに分類されます。
- ページに知りたい情報がない
- ページが見づらい
- ページの表示速度が遅い
- ページに次の検索行動を起こす導線がない
- ページで検索目的が果たせた
ユーザーが直帰する理由の多くがユーザーストレスを与えるものであるのに対し、ページコンテンツで検索目的を果たせた結果、検索体験を終了しているパターンもあります。
Web初心者は「直帰率が高いページは改善が必要なページ」と勘違いしがちですが、多くのユーザーが検索目的を果たせるページは直帰率が高くなる傾向にあるため、「直帰率の高さ=改善すべきページ」とは限らないことを覚えておきましょう。
離脱率との違い
離脱率とは、サイト内の全セッションのうち検索体験を終了した(離脱した)割合をページごとに表した数値を指します。直帰率が流入したページの離脱を計測の対象としているのに対し、離脱率はユーザー流入全ての離脱を対象としています。
離脱率を指標として計測・分析する必要があるのは、コンバージョン(Webサイトにおける最終的なゴール)を設定しているWebサイトといえます。
離脱率はGoogleアナリティクスなどを使ってページ別に数値化されるため、サイト内の目的ページ(問い合わせページ、商品・サービス購入ページ)までの導線設計の中で改善が必要なページを一目で把握することが可能です。
離脱率が高いページを見つけた場合は「いかに目的ページまでユーザーを遷移させるか」にフォーカスした施策を打つことが重要で、記事ページ下部に配置する「CTA」や、内部リンクの配置を工夫することがポイントとなります。
もちろん離脱率の高いページはコンテンツの質そのものが低い場合もあるため、大幅なリライト・デザイン修正が必要になることもあるでしょう。
また、離脱率の計測パターンには以下の3つがあることを覚えておきましょう。
- ブラウザを閉じる
- ページを開いて30分が経過する
- セッション中に日付が変わる
あるページを開いたまま30分が経過したり、閲覧中に日付が変わったりした場合も離脱として計測されるため、データ分析をおこなう際には頭の片隅に知識として置いておきましょう。
関連記事:離脱率とは?直帰率との違いや改善方法を細かく解説!
直帰率の平均・目安
自社サイトの特定ページの直帰率が異常に高いことを心配するWeb担当者も多く、「直帰率の平均や目安を知りたい」というニーズがあります。ですが、結論からいうと直帰率の平均値や目安はありません。
直帰率の平均や目安を気にするよりも、ユーザーが該当ページで「検索目的を果たせているのか」に注目する必要があります。
なぜなら、先述したように「直帰率の高さ」が「ユーザーが検索目的を果たせた結果、離脱している」ことに由来している可能性があるからです。
「直帰率が高い=改善が必要」ではなく、「直帰率が高い=なぜ直帰率が高くなっているのか?考えられるユーザー心理は何か?」という発想の転換が重要となります。
直帰率が低すぎる場合
前述したように、特定ページの直帰率が高いことは必ずしも悪いことではありません。一方、直帰率は低ければ低い方が良いのか?というとそうとも限りません。
直帰率が10%台もしくは10%を下回る時など、極端に低い場合はGoogleアナリティクスやトラッキングコードの設定に不備がある可能性があります。
よくあるケースとしては、Googleアナリティクス計測用のタグが同ページに複数設置されてしまっているケースなどです。
その場合、1ページの表示に対して二重のページビューが発生していることになります。つまり、正確にデータの計測ができていません。
また、直帰率だけでなくその他のアクセスデータも正しく計測されていない可能性があります。
直帰率が低すぎる場合はChromeの拡張機能「Tag Assistant」などで確認するようにしましょう。
直帰率の改善が必要なページの見つけ方
「直帰率の高さ=改善が必要なページ」ではないことを前の見出しで説明しましたが、具体的に改善が必要なページは以下の方法で見つけることができます。
- コンバージョン増加の見込みがあるページを見つける
- 滞在時間が短く、アクセス数の多いページを見つける
直帰率が高く、また離脱率も高いページは根本的に質の低いページと判断することが可能ですが、質が低い全てのページを改善していてはキリがありません。
サイト内全てのページの改善を理想としながらも、「コンバージョン増加が見込めるページ」や「滞在時間が短く、アクセスの多いページ」にフォーカスして改善を図っていくことが「成果につながるサイト」を構築する上で効率的といえるでしょう。
滞在時間やアクセスが多い等、具体的な数値からパフォーマンスを測るためにはGoogleアナリティクスを活用します。
コンバージョン増加の見込みがあるページを見つける
直帰率の改善が必要なページはコンバージョン増加の観点から選定が可能です。たとえ直帰率が30%程度でも、コンバージョン率が他のページに比べて高い場合は直帰率を改善する優先度が高いです。
直帰率の改善=コンバージョンの増加に直結するためです。
直帰率の高いページは数値化すると目立ちますが、改善してコンバージョンに結びつかなければ無駄な施策となってしまいます。
Web担当者は全ページを対象に予めコンバージョン増加が見込めるページをリストアップし、直帰率との関係性を考えていくと良いでしょう。
Googleアナリティクスではメニューの「行動」から、コンバージョンが発生しているページを確認することができます。ページごとにコンバージョンの数値を見ていき、次にコンバージョンが発生しているページの直帰率を確認します。
上記の例では2番目に流入が多いページの直帰率は「25.93%」となっており、決して高くはありませんがコンバージョンが最も多く発生しているページであるため、直帰率の改善は売上の増加に直結すると考えられます。
滞在時間が短く、アクセス数の多いページを見つける
直帰率が高いページにはユーザーの滞在時間が長いページと短いページがあります。ユーザーの滞在時間が短いページは、コンテンツがユーザーの検索目的に沿っていない可能性があるため改善の余地があるかもしれません。
直帰率が高いということは、ユーザーが一度検索結果のページに戻り再度別のページを訪れている可能性も高まります。言い換えると、直帰率が高いページはユーザーの検索意図を満たせていないかも知れないということです。
Googleアナリティクスで分析する際は、先程と同様に「行動」以下の各メニューから確認できます。以下は「ランディングページ別で確認した際の画面です。
サイト全体の平均直帰率に対して、比較的流入が多いが、著しく直帰率が高いページが改善の余地が高い可能性があります。
もちろんページ内容によって直帰率が高い理由は異なりますが、もし対象ページの閲覧後の行動がサイト内の別ページへの回遊であった場合は、改善は必須と言えます。
ページの改善を図る場合は「より改善後の効果が高いページ」を選定する視点が重要です。したがって、改善が必要なページは「直帰率が高い×ページ滞在時間が短い×アクセス数の多い」ページであることを覚えておきましょう。
直帰率の改善方法
直帰率の改善が必要なページを選定した後は具体的にページを改善していきます。はじめに留意点を説明しておくと、直帰率の改善は「直帰率を下げることがゴールではない」ということです。
直帰率の高さが、直接的に改善が必要なページと結びつかなかったように、改善時も直帰率はあくまで状況依存的な数値でしかありません。
直帰率は改善すべきページを見つける上で参考となる指標ですが、改善度合いを測る指標ではないということです。
以上の留意点をおさえた上で、直帰率の4つの改善方法を見ていきましょう。
- ユーザーニーズに合わせたページコンテンツへと改善
- サイトデザインの改善
- ページ表示速度の改善
- 目的ページへの導線設計を改善
「直帰率」という切り口からページ改善へと踏み切りますが、ページ改善で目指すべきことは、コンテンツSEOの根本ともいえる「ユーザーファーストなページをいかに構築するか」ということです。
ユーザーを第一に考えたコンテンツ作成は4つの改善方法に留まらず、あらゆる視点から検討される必要があります。
つまり、「直帰率」は単体で計測・分析するのではなく、あらゆる指標と関連づけることでサイト内の様々な問題をあぶり出すことができる「きっかけの数値」なのです。
Web担当者は、直帰率がもつページ(サイト)改善の可能性を知った上で今後の施策に取り組むと良いでしょう。
ユーザーニーズに合わせたページコンテンツへと改善
ユーザーニーズ(検索目的)に合わせたページコンテンツへと改善するには「検索クエリ」の把握が欠かせません。
検索クエリとは、ユーザーが検索するときに検索窓に打ち込む言葉のことを指しますが、Googleが提唱する「4つのマイクロモーメント」との関係性の中で判別をおこなう必要があります。Googleが提唱する4つのマイクロモーメントは以下の通りです。
- Knowクエリ:~を知りたい
- Doクエリ:~のやり方(方法)を知りたい
- Buyクエリ:~を買いたい
- Goクエリ:~に行きたい
ユーザーの検索目的は主に4つのクエリタイプに分類されるため、検索クエリから判別をおこない、ページコンテンツの改善を図っていきます。
ページ改善時は「ユーザーニーズとコンテンツに乖離はないか」や「検索クエリに対してスピーディーな回答ができているか」に注意してリライト・修正を加えましょう。
サイトデザインの改善
直帰率を切り口にページ改善をおこなう場合は、少なからずページ滞在時間の長短を改善度合いの指標とすることがあります。
滞在時間の長さは単に「文章の読みやすさ」に依拠するのではなく、サイトデザインからの影響も大いに受けると推測されます。
ユーザーのページ閲覧を妨げない色・フォントを用いたり、使用している画像・動画をリッチなテイストに変更したりと改善項目は多様で、いかにユーザーストレスを軽減するかが改善のポイントとなってくるでしょう。
ページ表示速度の改善
ページの表示速度を改善することもユーザーファーストなページを作成する上で重要な要素となります。なぜなら、ユーザーは検索目的をただ果たしたいのではなく、検索課題をスピーディーに達成したいと考えているからです。
ユーザーの検索課題をスピーディーに解決したい欲求に応えるためには「検索クエリに対して答えを用意する」だけでなく、ページ表示速度を改善してあげることも重要です。
Pingdom(ピングダム)社の調査では、2秒以内に表示されるページの直帰率は約9%となっています。しかし表示に5秒かかるページではなんと38%まで直帰率が高まります。
引用:Pingdom
【検索順位1~16位までの平均直帰率】
引用:Pingdom
ページの表示速度が遅いということは、それだけでユーザーにとって無益なコンテンツだと評価されるに等しく、内容の良しあしを判断する以前の問題です。
ページの表示速度を計測する際はGoogleが提供するPageSpeed Insightsを使用しましょう。無料で使用でき、表示速度を阻害する要因をアドバイスとして教えてくれます。
目的ページへの導線設計を改善
企業サイトには必ずといっていいほどWebサイト内で達成したいゴール(コンバージョン)が設定されています。そして、Webサイトで達成したいゴールの多くは「問い合わせ」や「資料請求」といった見込み顧客獲得へと向けた出口になっていることが多いでしょう。
自社サイトにはあらゆるページからの流入が考えられますが、全てのページに「問い合わせ」や「資料請求」の出口を用意することは難しいといえるでしょう。そこで目的ページへの導線設計を見直す必要が出てきます。
例えば「直帰率が高い×アクセス数が多い×滞在時間が長い」ページを見つけた場合、ユーザーは時間をかけてページの下部へと画面をスクロールしている可能性が高いと推測されます。
ユーザーニーズに沿った良質なコンテンツを提供しているページではあるものの、全て読み終えた後の出口が用意されていないためにユーザーは仕方なくページを離脱している(直帰率が高くなっている)と分析できるのです。
このようなページは改善の余地があり、記事下に行動喚起を促すCTAを配置することでユーザーをコンバージョンへと直結させることが可能です。
サイドバーなどに目的ページへのリンクを貼るのではなく、あえてユーザーの視線移動の先(ページの下部)にCTAを配置することがクリック率を高める秘訣となります。
直帰率に関するよくあるご質問
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- 直帰率の高さは順位に影響ありますか?
- Googleは「直帰率は検索順位に影響しない」と公式に否定しています。
しかし、直帰率の改善策で挙げている「ユーザーニーズに合わせたページコンテンツ」や「ページ表示速度」は、それぞれ検索エンジンの評価指標のひとつです。結果的に、直帰率の改善が検索結果の上位表示に繋がる可能性も期待できます。
まとめ
直帰率はページ流入したユーザーがサイト内の別の記事に遷移することなく検索体験を終了する、ページごとに計測される割合です。
単体で計測・分析すると大した意味を持ちませんが、コンバージョンや滞在時間、アクセス数や離脱率と合わせて計測・分析することで、改善効果の高いページを発見する指標へと変化します。
Web担当者は自身で「直帰率の改善が必要なページ」を見つけ出し、社内のWebデザイナーなどと協働して「直帰率の改善方法」を考えていくと良いでしょう。
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